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言葉の意味と使い方

「檄を飛ばす」の意味を間違えて使ってない?怒る・活を入れるは誤用?

「檄を飛ばす」の意味を間違えて使ってない?怒る・活を入れるは誤用?

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「監督が選手に檄を飛ばしています」

サッカーなどのスポーツニュースで、よくこういった表現がありますよね。

監督がピッチぎりぎりまで出てきて、選手たちに何か大声で伝えたりしています。

この「檄を飛ばす」という言葉は、このような白熱した試合や演説、上司や先生の話などについてよく使われる言葉です。

ですが、実は非常に誤用されることが多い言葉なんです。

この機会に、しっかり「檄を飛ばす」について確認しましょう。

今回は、「檄を飛ばす」の意味を間違えて使ってない?怒る・活を入れるは誤用?についてご説明いたします!

「檄を飛ばす」の意味を間違えて使ってない?

「檄を飛ばす」は多くの人が耳にしたことのある言葉だと思います。

ですが、非常に誤用されることが多い言葉なのです。

怒る・喝を入れるは誤用?

「檄を飛ばす」は、スポーツニュースなどで「監督が選手に檄を飛ばす」などと使われることがあります。

もっとしっかりやれ!と怒ったり、頑張れよ!と元気付けて励ます、活を入れるという意味で使われています。

ですが、「檄を飛ばす」を「怒る」「活を入れる」意味で使うのは誤用なのです。

本来の意味は「自分の考えを広く人々に知らせて同意を求める」というものであり、「怒る」「励ます」といった意味は含まれていません。

「檄」と、「激励」や「激怒」の「激」が似ていることから、意味も混同されたものと考えられます。

文化庁による「国語に関する世論調査」で、「檄を飛ばす」の意味を尋ねたところ、本来の意味ではない「元気のないものに刺激を与えて活気づけること」という意味で使っている人は

  • 平成15年度調査で74.1パーセント
  • 平成19年度調査で72.9パーセント
  • 平成29年度調査で67.4パーセント

と、つねに7割前後の人が間違えて使っているということがわかります。

正しい意味で使っている人は一番多かった平成29年度の調査でも22.1パーセントでした。

ここまで誤用が一般的になっていると、かえって正しい意味で使っても通じないのではと心配になってしまいますね。

ですが、きちんと正しい意味を確認しておきましょう。

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「檄を飛ばす」の正しい意味

「檄を飛ばす」の正しい意味は「自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める。それによって決起を促す」です。

「げきをとばす」と読みます。

「激」と間違いやすいですが、木偏の「檄」です。

「檄を飛ばす」の語源は「飛檄」という言葉です。

古代の中国では、人々に伝えたいこと、同意を得たいことがある時に、木札に文を書いて人々に回覧しました。

この木札のことを「檄」、それを遠くの人に届けることを「飛檄」と言ったのです。

この「飛檄」から、「檄を飛ばす」という言葉ができました。

「檄を飛ばす」は自分の主張を知らせて同意を求めることを表します。

「檄を飛ばす」の使い方

「檄を飛ばす」は、「自分の主張などを知らせて、賛同を求める」という意味で使います。

賛同者を募る、決起を促すといった意味で使います。

「激励する」意味で使うのは誤りです。

どちらの意味でも通じることも多いのですが、「檄を飛ばす」はその発言者が自分の考えを知らせて賛同を得ようとしているということに注目しましょう。

【例文】

  1. 彼は民衆に向かい、革命という言葉を用いて檄を飛ばした。
  2. 彼は日本各地の同志に、共に戦おうと檄を飛ばした。
  3. 店長が売り上げノルマ達成のために従業員に檄を飛ばす。
  4. 社長が入社式で新入社員に「やりがいを持って仕事に励んでほしい」と檄を飛ばした。

「檄を飛ばす」の類義語・言い換え表現

「檄を飛ばす」の類義語や言い換え表現には次のようなものがあります。

  • 発破をかける(気合をかける、励ましたり奮い立たせたりすること)
  • 尻を叩く(やる気を起こすように励ます)
  • 檄文を送る(自分の意見や主張を書いた文書を送ること)
  • 檄する(檄を飛ばすこと)
  • 声明を出す(思想や主張などを公の場で示すこと)

「発破をかける」や「尻を叩く」は賛同を得るよりも「励ます」という意味で使われる言葉なので、今まで「檄を飛ばす」を「励ます」意味で使っていた人はこうした言葉に変えてもいいかもしれませんね。

まとめ

「檄を飛ばす」は、「頑張れ!」と励ますことではありませんでした。

「監督が選手に檄を飛ばす」という時は、励ます気持ちももちろんあるでしょうが、例えば作戦や勝つために自分が考えていることなどを伝えて、みんなもそう思うだろう? と呼びかけているような意味になります。

これまで間違えて使っていたという人も非常に多いと思います。

この機会に、ぜひ正しい意味で使うようにしてみてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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