「安堵しました」
「彼は安堵の胸をなでおろした」
「安堵」という言葉は、テレビや小説の中でも時々見聞きしますね。
くだけた会話の中ではあまり聞かないと思いますが、ビジネスシーンでもしばしば使われる言葉です。
使われている状況から考えて、ほっとした、みたいな意味かな?ということはお分かりかと思います。
ですが正確な意味となると、「堵」という見慣れない字も含まれていますし、はっきりとは分かりにくいのではないでしょうか。
よく聞く言葉だけに、きちんと意味や使い方を確認しておきたいですね。
今回は、「安堵」の意味と使い方!「安堵の胸をなでおろす」とは?【類義語・対義語】についてご説明いたします!
「安堵」の意味

「安堵」は「気がかりなことが除かれ安心すること」という意味です。
「あんど」と読みます。
「安堵」には、ほかに「垣根のうちの土地で安心して生活すること」「中世において、権力者から土地所有権を公認されること」という意味もあります。
一般的に現代の生活で「安堵」と言うと最初の意味になります。
心配事がなくなり、緊張から解放され安心することを意味します。
ただ「安心だ」というだけでなく、「心配がなくなる」という意味がある点がポイントです。
「安堵」の「安」は「安心」の「安」ですね。
「堵」の方はあまり使わない漢字かもしれませんが、垣根や囲いを意味する漢字で、そこから「安」と「堵」で垣根の中で安心して暮らす意味になったと言うことです。
さらにそれが転じて「心が安らぐ」「心配がなくなって安心する」という意味になりました。

「安堵」の使い方
「安堵」は上で述べたように、心配事がなくなって安心というときに使います。
「安堵」は「安心」と言い換えても意味は通じますから、話し言葉の時は「安心」と言うことが多いでしょう。
「安堵」はどちらかと言うと書き言葉の時によく使いますし、話し言葉としても親しい友人との会話などではなく、ビジネスシーンや改まった場での会話などで使うような少し難しい言葉です。
「安堵する」といった形が基本ですが、後で述べる「安堵の胸をなでおろす」のような慣用句的な使い方も多いです。
【例文】
- 彼女の無事を聞いて安堵した。
- 初めてのイベントが無事成功をおさめて安堵した。
- 先月の売り上げが集計され、まずまずの結果に安堵する声が上がった。
- 代表選手に選ばれなくて残念だと思う一方、安堵する自分もいるのだった。
「安堵の胸をなでおろす」とは?
「安堵」はよく「安堵の胸をなでおろす」という言い回しをします。
「安堵の胸をなでおろす」とは、「安堵する」「ほっとする」という意味です。
「胸をなでおろす」だけで「安心、安堵する。ほっとする」という意味なのですが、「安堵の」とつけることでより安堵した様子が強調されますね。
他にも「安堵」は
- 安堵のため息をつく
- 安堵の息を漏らす
- 安堵の声が上がる
- 安堵の表情を浮かべる
- 安堵感でいっぱい
などの使い方をします。
いずれも、要は「安堵した」という意味なのですが、「安堵してため息をつく」「安堵して声を上げる」など、その時の気持ちやとったリアクションにより色々なバリエーションがあるわけです。
【例文】
- 彼は港の明かりを目にした瞬間、ようやく無事に航海を終えたのだと安堵の息をついた。
- 彼女は物音にビクッとしたが、野良猫だとわかって安堵の息を漏らした。
- 彼が姿を見せ、無事でいたことにひとまず安堵の声が上がった。
- 彼女は救出された時安堵の表情を浮かべた。
- 試合後のインタビューで、彼は「今は安堵感でいっぱいです」と述べた。
「安堵」の類義語
「安堵」の類義語、言い換え表現には次のようなものがあります。
- 安心(気がかりなことがなく心が落ち着き安んじること)
- 人心地(生きた心地。ほっとくつろいだ感じ)
- 心ゆるび(気持ちがくつろぐこと)
- 一安心(ひとまず安心すること)
- ほっとする(緊張が解けて安心するさま)
- 胸のつかえがおりる(心配していることが解決して安心すること)
- 重荷を下ろす(気にかかっていたことが解決して安心する)
- 枕を高くする(安心して寝る。安心して暮らす)
- 愁眉をひらく(心配事がなくなってほっとした顔つきになる)
- 胸をなでおろす(安堵するさま)
「安堵」の対義語
「安堵」の対義語は「危惧」「懸念」です。
- 危惧(悪い結果になりはしないかと心配し恐れること)
- 懸念(気にかかって不安がること)
他にも「憂える」「恐れる」「心配する」「不安に思う」といった言葉も、反対の意味を表す言葉と考えられるでしょう。
まとめ
「安堵」は気がかりなことがなくなってほっと安心することを意味します。
「安心しました」「よかったです」などというよりも「安堵しました」などと言ったほうが改まったかたい感じもしますね。
ビジネスシーンでも使いやすい言葉だと思いますので、ぜひ使ってみてください。
最後までお読みくださりありがとうございました!