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「葉月」とは何月?意味や由来と別の異名も解説

「葉月」とは何月?意味や由来と別の異名も解説

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葉月という和風月名は、何月のことかご存知ですか?

ここでは、葉月について解説させていただきます。

読み方、意味や由来、異名について一緒に学んでいきましょう。

「葉月」は何月?

葉月は「はづき」と読み、8月のことを指す和風月名です。

現代では月のことを数字で「1月」「2月」という風に呼んでいますが、旧暦の頃の日本では「和風月名」といって、各月には名前がつけられていました。

和風月名には、その月の頃の季節の特徴や風習、農耕行事などが由来として名付けられているのが特徴です。

ところで、旧暦の葉月と現代の葉月では少しばかり季節のズレがあります。

昔の葉月を現代の季節に当てはめた場合、9月上旬〜10月上旬頃の気候の頃になってしまうのです。

つまり、今と昔では1〜2ヶ月のずれがあるのですね。

この理由は、旧暦と現代では暦の計算方法が違ったことが挙げられます。

なので、この後に解説させていただく「葉月」の由来や異名を知った時、現代の季節感との違和感を感じることがあるかもしれません。

ちなみに、和風月名は旧暦の時ほど現代では使われてはいないのですが、テレビやラジオなどで時折耳にすることがあるかと思います。

現代では旧暦と新暦の季節のズレは気にせずに、葉月=8月とそのまま覚えておいてくださいね。

旧暦と新暦の違いは?新暦になった理由は?

現代で使われている新暦は、「太陽暦」である「グレゴリオ暦」です。

そして旧暦とは、「太陽太陰暦」のことを指します。

新暦と旧暦の違いは、何を基準に暦が作られているかという点で違います。

新暦のグレゴリオ暦は太陽暦ですから、太陽の動きを基準として作られています。

一方、旧暦は太陽太陰暦と言い、太陽の動きと月の動きの双方を考えて作られた暦です。

旧暦は、月が地球の周りを一周する期間である約29.5日を一ヶ月としています。

そうすると、一年が

29.5日×12ヶ月=354日

となり、365日が1年となる太陽に合わせた暦と比べると、少し季節にズレが出てきてしまいます。

なので太陽太陰暦である旧暦はその差を解消するために、「うるう月」を19年に7回ほどの割合で入れるようにしていました。

つまり、旧暦では年によっては13ヶ月ある年があったのですね。

しかし、日本は1873年(明治6年)から太陽太陰暦である旧暦を廃止し、新暦を使うようになりました。

その理由は、明治維新後に世界各国との交流が盛んになったからだと言われています。

当時の世界では新暦であるグレゴリオ暦が多くの国で使われていましたから、世界に合わす必要性が出てきたのです。

鎖国時代だった江戸時代が終わって、文明開花が始まり、やがて暦も見直すことにしたのですね。

その結果、太陽太陰暦である旧暦が終わり、現代のグレゴリオ暦である新暦が日本で始まったのです。

葉月の意味と由来は?

葉月の由来は諸説あります。

ここでは有名なものをいくつかご紹介させていただきます。

由来1、「葉が落ちる季節ということから」

和風月名が使われていた旧暦の頃、秋は7月〜9月とされていました。

旧暦の葉月は、実際の季節でいえば9月上旬〜10月上旬ですから、ちょうど葉が落ちる頃ですね。

そのため、8月は「葉落ち月(はおちづき)」と呼ばれており、それが略されて葉月となったと言われています。

由来2、「雁が渡ってくる風景から」

雁とは、シベリア方面から冬になると日本へと飛んでくる渡り鳥です。

雁は水鳥ですから、シベリアの沼や池が凍ると暮らせなくなるため日本にやってきます。

雁は日本の冬鳥として昔から馴染みの深い鳥で、歌にも詠まれていますね。

その雁が渡ってくる風景が見られる8月は「初雁月(はつかりづき)」と呼ばれ、それが転じて「葉月」となったという説がこれです。

由来3、「稲の穂が張る季節だから」

8月は稲の穂が張る月ということで「稲張り月(いねはりづき)」と呼ばれていたそうです。

やがてそれが転じて「葉月」となったとも言われています。

和風月名は、他の月にも農耕の風景が由来とされる説が多くあります。

「稲張り月(いねはりづき)」が由来というこのお話も、人々が季節と農作業の関係を大切にしていたことがよくわかるものの一つだと言えますね。

葉月の異名は?

和風月名にはそれぞれ必ず異名があり、どれもその季節らしい魅力的なものばかりです。

ここでは葉月の有名な異名をいくつかご紹介いたします。

異名1、「仲秋(ちゅうしゅう)」

旧暦の秋は、7月〜9月です。

8月である葉月は秋の真ん中の月となります。

そのため、間という意味の「仲」という字に「秋」で「仲秋」と呼ばれてもいました。

ちなみに、「中秋の名月」の「ちゅうしゅう」は「仲秋の名月」とも書かれたりします。

異名2、「燕去月(つばめさりづき)」

燕は、フィリピンや台湾、マレーシアからやってくる渡り鳥です。

春になると日本へやって来て夏を過ごし、秋になるとまたフィリピン方面へ帰って行きます。

葉月には燕がいなくなることから、このような異名がつけられたのだと言われています。

異名3、「竹春(ちくしゅん)」

旧暦の8月の頃は竹が若葉をつけ、どんどん成長していく時期です。

竹にとって春が来たかのような成長の様子から、このような異名がついたと言われています。

異名4、「月見月(つきみづき)・観月(かんげつ)」

旧暦の8月15日は、中秋の名月です。

葉月は月が綺麗に見えることから、このような異名で呼ばれていました。

現代の中秋の名月は9月後半頃ですね。

実は、中秋の名月はちょっとした農耕に関するイベントでもります。

こちらに詳しく書かれているので、良かったらご覧くださいね。

昔の季節の指標の一つである「二十四節気」には、古来の日本の風景がたくさん組み込まれているので興味深くて面白いですよ。

>>秋分の意味や由来とは?2023年はいつ?食べ物や秋分の日の決め方、南中高度について解説

まとめ

「葉月(はづき)」は8月の和風月名です。

葉月の由来は、その字の通り秋が来て葉が落ちることが由来と言われていたり、渡り鳥の雁が見られることから「雁初月(かりはづき)」が略された等、色々な説があります。

葉月の頃は月が美しく「中秋の名月」というイベントがあります。

忙しい現代人の私たちではありますが、日本の風景や四季にに思いを馳せ、昔からの風習を楽しむ余裕を持って、心に潤いを与えていきたいものですね。

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