言葉の意味と使い方

「さしずめ」の意味や使い方と語源!実は誤用が多い?言い換え表現つき|例文

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

「さしずめ○○だ」

「さしずめ○○といったところか」

この「さしずめ」という言葉、耳にしたことがある人が多いでしょう。

ですが、なんとなく使っているだけで、さて「さしずめ」とはなんなのかと聞かれると答えに困ってしまいませんか?

「さしずめ」には色々な意味があるので、よくわからないまま使っている人も多そうです。

今回は、「さしずめ」の意味や使い方と語源!実は誤用が多い?言い換え表現つき|例文についてご説明いたします!

「さしずめ」の意味

「さしずめ」は「結局。つまるところ」「さしあたり。いまのところ」または、「直接かかわること」「行き詰まってしまうこと」という意味です。

「さしずめ」と書くのが一般的ですが、「さしづめ」とも書きます。

また、漢字では「差し詰め」です。

副詞として「結局」「今のところ」といった意味で使われることが多いですが、名詞や形容動詞として「直接かかわること」「行き詰まってしまうこと」という意味もあります。

>>「とどのつまり」の意味は?「とど」って何?「つまり」との違い【例文】

「さしずめ」「さしづめ」どちらが正しい?

さしずめ と さしづめ

文章に書くときは「さしめ」なのか「さしめ」なのか、仮名遣いを迷ってしまいませんか?

正解は「さしめ」です。

「差し詰め」とも書きますので、「詰め」は「詰める」だから「づめ」ではないか、と疑問に思う人も多いかもしれませんね。

歴史的仮名遣いでは「さしづめ」なのですが、現代仮名遣いでは「さしずめ」となっています。

「差し」+「詰め」ではなく、「差し詰め」という一語として、「さしずめ」という仮名が決められているんですね。

「さしづめ」でも間違いではないですが、「さしずめ」が一般的な表記ということになっていますのでこちらで覚えましょう。

「さしずめ」の語源

「さしずめ」は漢字で書くと「差し詰め」です。

もともとは「差し」と「詰め」という言葉の組み合わせです。

「差し」は接頭語で、動詞などの上についてその意味を強めたり、語調を整えたりします。

「差し控える」とか「差し支える」の「差し」と同じですね。

「詰め」は最終的な局面、という意味です。

「大詰め」とか「話を詰める」の「詰め」と同じで、最終的なところに持ち込むということです。

このような「差し」と「詰め」からできた「さしずめ」は、「つまるところ」とか「さしあたり」「行き詰まってしまうこと」などの意味になったのです。

「さしずめ」の使い方

「さしずめ」は、名詞や形容動詞の使い方もありますが、多くは副詞として使います。

「結局」「つまることろ」「さしあたり」「今のところ」といった意味で使います。

  • 当てはまるものを色々考えてみて、結局のところ
  • 将来はわからないが、今の時点で言えることとしては

といったニュアンスで使われます。

また、「さしずめ○○といったところか」といった言い回しで用いられる場合は、「例えるなら」という意味になります。

「さしずめ」は誤用が多い?

「さしずめ」は誤用が多いのか

「さしずめ」はこれまで述べたように、いくつかの意味がある言葉です。

「結局」だと、最終的に○○だ、という意味になりますが、「さしあたり」だととりあえず今の所はという意味になりますよね。

さらに「例えるならば」という意味で使われることもあります。

ですので、「さしずめ」は、意味をよく知って文脈から判断する必要があります。

ですので、「さしずめ」自体が誤用の多い言葉というわけではないのですが、「さしずめ」の意味が通じにくかったり、違う意味でとらえられたりということがあるようです。

「さしずめ私は女優だ」

このセリフも、

  • 結局、私は女優だ
  • 今の所私は女優だ
  • 例えるなら私は女優だ

受け取る人によって意味合いが違ってしまうかもしれません。

「さしずめ」は、誤用はもちろん、誤解して受け取ってしまうことのないように意味をきちんと理解しておきましょう。

「さしずめ」の例文

  1. 反対意見もあるようだが、さしずめこの案が採用されるだろう。
  2. 色々な意見があるが、さしずめどれが一番いいのだろうか。
  3. レジ袋を有料にして使用量を減らしても、代わりにみんなゴミ袋を買うのでさしずめCO2排出量削減にはならないのではという声もある。
  4. 来週のイベントは、さしずめこのまま開催する予定にしておこう。
  5. 彼は実家が裕福なので失業してもさしずめ生活には困らないだろう。
  6. 彼女をさしずめこのプロジェクトのリーダーということにしておこう。
  7. 彼は科学や芸術に優れていて、さしずめ現代のレオナルド・ダ・ヴィンチといったところだ。

「さしずめ」の言い換え表現

「さしずめ」の言い換え表現には次のようなものがあります。

  • つまるところ
  • 結局
  • さしあたって
  • 一旦
  • ひとまず
  • とりあえず
  • 今の所は
  • 当分
  • 言ってみれば

上の例文を言い換えてみましょう。

  1. 反対意見もあるようだが、結局この案が採用されるだろう。
  2. 色々な意見があるが、つまるところどれが一番いいのだろうか。
  3. レジ袋を有料にして使用量を減らしても、代わりにみんなゴミ袋を買うので結局CO2排出量削減にはならないのではという声もある。
  4. 来週のイベントは、とりあえずこのまま開催する予定にしておこう。
  5. 彼は実家が裕福なので失業しても当分生活には困らないだろう。
  6. 彼女をひとまずこのプロジェクトのリーダーということにしておこう。
  7. 彼は科学や芸術に優れていて、言ってみれば現代のレオナルド・ダ・ヴィンチといったところだ。

まとめ

「さしずめ」は「結局。つまるところ」「さしあたり。いまのところ」といった意味の言葉です。

「結局」とか「暫定的に」と言うよりも柔らかい感じがしますし、それでいて後に続く結論を強調する効果もありますね。

少しかたいので、日常会話では使わないと言う人も、ビジネスシーンなどでは使いやすいのではないでしょうか。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
error: Content is protected !!