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俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「下萌」について解説していきます。
言葉によっては耳なじみがあるものや、中には全く聞いたことが無いものもあるのではないでしょうか。
今回は改めて「下萌」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「下萌」を使った俳句もご紹介いたします。
「下萌」の意味と読み方
「下萌」とは、初春を迎え枯草の下に若草の芽が生えてくる事を指す言葉です。
読み方は「したもえ」であり、「しももえ」などではありませんので覚える際はお気を付けください。
「下」という漢字が「枯れた草の下」という意味であり、冬の寒さを乗り越えた安堵感と、春の訪れを喜ぶ気持ちを存分に感じる事が出来る言葉ですよね。
1636年の「花火草」という文献で初めて使われたと言われており、言葉としての歴史もとても長いんですよ。
新古今和歌集に掲載されている和歌にも使われている言葉が「下萌」であり、いつの時代も人々が春を待ち望んでいる事がわかりますね。
「下萌」はいつの季語?
「下萌」は俳句を作るうえで「春」の季語として使われています。
春の中でも初め頃の「初春」の季語なんですよ。
子季語としては「萌」や「草萌」があります。
「下萌」と「春の草」の違い
「下萌」「春の草」のどちらも春になって生えてきた若草を指す言葉ですが、下萌はまだその若草の上に枯草が残っている状態となっていますよね。
状態の違いだけではなく、「下萌」が初春の季語なのに対して「春の草」は春を通して使うことの出来る季語なので使用できる時期にも違いがあるんですよ。
「下萌」を使った俳句
アスファルト割れし都心や下萌ゆる
(あすふぁると われしとしんや したもえゆる)
稲畑廣太郎
全快の杖下萌の地に下ろす
(ぜんかいの つえしたもえの ちにおろす)
小川匠太郎
下萌の圧迫感に追はれゐる
(したもえの あっぱくかんに おわれいる)
三井孝子
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。