言葉の意味と使い方

「適宜」の意味とビジネスでの使い方!目上の人には失礼?「随時」との違いも解説

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「適宜」はビジネスシーンで非情によく使われる言葉ですね。

ですが、例えば「適宜対応してください」と言われたら、いつどのように対応するのがふさわしいのでしょうか。

場合によっては受け通り方に迷ってしまうこともある言葉なので、しっかり使い方をマスターしましょう。

今回は、「適宜」の意味とビジネスでの使い方!目上の人には失礼?「随時」との違いも解説 についてご説明いたします!

「適宜」の意味

「適宜」は「状況によく合っていること」「その時々に応じて各自の判断で行動するさま」という意味です。

「てきぎ」と読みます。

「適」は「かなう。ふさわしい」などの意味があり、「宜」は「よろしい、都合が良い」「当然である」「~するのがよい」などの意味があります。

「宜」は「宣」と間違いやすいので手書きする際は気をつけましょう。

「適宜」は、「ふさわしい」「よろしい」といった意味の字を重ねた熟語になります。

決まったルールに常に従うのではなく、状況に応じてふさわしい行動を取るさま、各自の判断で行動するさまという意味です。

合わせて読みたい▼
「随時」の意味と使い方!「適宜」「都度」との違いは?|例文つき>>

「適宜」のビジネスでの使い方

ビジネスシーンでは状況に応じて判断して行動するということが多いですから、この「適宜」という言葉が非常によく用いられています。

マニュアルが決まっていてその通りに行動したり発言したりすればいいというものではなく、各自の判断で適切な対応を取るという時に使います。

「適宜○○する」という使い方をします。

  • 適宜○○いたします(自分が状況に応じて最善の判断をする)
  • 適宜○○してください(状況に応じて最善の判断をしてください)

など、自分のことに用いたり、部下などに指示を出すときに使ったりすることが多いです。

上司や目上の人から「適宜〜」と言われた場合

上司や目上の人から「適宜対応しておいて」などと言われた場合、どのようにすればいいと言う正解はありません

「適宜」は「自分の判断で」「臨機応変に」といった意味を持ちますから、指示した方とされた方でその判断が食い違うこともあります。

「適宜報告」のケース1

1、上司に「適宜報告して」と言われた。

2、自分では特に報告の必要がないと思ったので報告しなかった。

3、しかし、後で「なぜ報告しなかったのか」と上司に叱られた。

このようなこともあり得ますね。

「適宜」は便利ですが曖昧な言葉でもあります。

「適宜」と指示されても、相手がどのような対応を求めているのかよくよく考えて判断しましょう。

また、自分が部下などに「適宜」と指示するときは「~のようなことがあったら、適宜報告してください」などと相手が判断しやすいように言葉を補ってあげるのもよいでしょう。

「適宜」の例文

  1. ○○の件については、進捗状況を適宜ご報告いたします。
  2. 取引先へは適宜訪問をしてコミュニケーションをとるようにしている。
  3. マニュアル通りに対応していても、予想外の問題が起こったときには適宜社員が判断していくしかない。
  4. お客様からこの件について問い合わせがあった場合は適宜対応してください。
  5. 仕事内容は適宜指示します。
  6. 食事休憩は45分を目安に適宜とってください。

目上の人に使うのは失礼?

「適宜」はビジネスシーンで使いやすい言葉ですが、目上の人に使う場合は注意しましょう。

「適宜」自体は失礼な言葉ではありません。

ですが、目上の人に依頼するときに「適宜○○してください」というのは失礼な印象になりやすいので、避けた方が無難です。

「自分で判断してください」という意味を含んでいるためです。

別の言い方に変えるか、「適宜○○していただけますか」「適宜◯○していただけますと幸いです」など、謙譲語を補ってより丁寧にして使いましょう。

「適宜○○いたします」などと自分の行為に使う分には問題ありませんが、「適宜」はいつやるかという点がはっきりしない言葉なので、無責任な印象になることもあります。

時期や期限などを明確にするべき場合は「今週中に○○します」「明日○○いたします」などはっきり示しましょう。

「随時」との違い

「適宜」と同じくビジネスシーンでもよく用いられるのが「随時」です。

  • 「適宜」は「状況に合わせて各自の判断で行うさま」
  • 「随時」は「日時の制限がなく、いつでも都合の良いとき」

それぞれの意味はこのようになります。

「適宜行う」は、そのときに状況に合わせて都合のよいように判断して行うという意味です。

時間的なことだけでなく、さまざまな点において臨機応変に対応するということです。

「随時行う」なら、日時の制限なく、いつでも好きなときに行うという意味です。

こちらは、時間的なタイミングのことに限って使う言葉で、「いつでも」「いいタイミングで」といった意味になるのです。

>>「随時」の意味と使い方!「適宜」「都度」との違いは?|例文つき

「適宜」の類義語

「適宜」の類義語には次のようなものがあります。

  • 適正(適当で正当なこと)
  • 適切(ぴったり当てはまること)
  • しかるべく(適当に、いいように)
  • よしなに(よろしく。いい具合になるように)
  • ふさわしい(似つかわしい。釣り合っている)
  • 相応(程度がちょうど釣り合っていること)

「適宜」の対義語

「適宜」の対義語には次のようなものがあります。

  • 常時(普段。つね)
  • 定時(一定の時刻。一定の時期)

まとめ

「適宜」は「その時々に応じて各自の判断で行動するさま」という意味です。

「適宜○◯いたします」「適宜○○してください」などと、ビジネスシーンで非常によく使われている言葉です。

目上の人に使う場合は「適宜○○いたします」「適宜○○していただけますでしょうか」などと、謙譲語を用いて丁寧にして使うようにしましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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