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「輩出」はビジネスシーンやニュースなどでもよく使われる言葉です。
「人材を輩出する」などの使い方でよく見聞きしますが、実は「輩出」は誤用されることも多い言葉です。
ぜひこの機会に、「輩出」の正しい使い方をきちんと知っておきましょう。
今回は、「輩出」の意味とは?誤用の例文と正しい使い方|言い換え表現についてご説明致します!
目次
「輩出」の意味
「輩出」は「優れた人物が続いて世にでること」という意味です。
「はいしゅつ」と読みます。
「輩出」の「輩」は「先輩・後輩」などとよく使いますね。
「輩」一文字では「ハイ」「ともがら・やから」と読み、「なかま。たぐい」「ならぶ。つぎつぎとならぶ」などの意味があります。
「出」はもちろん「出る」ですね。
「輩出」は「次々と同類のもの(優秀な人物)が出る」という意味になり、ある場所から優れた人物が次々と世に出てくるということを表します。
同じ「はいしゅつ」に「排出」があります。
これは「中に溜まっている不要のものを外へ押し出す」という意味で、同じ「はいしゅつ」でも意味はかなり違います。
区別は容易ですが、最近はパソコンやスマホを使って文章を書くことが多いですから、変換間違いをしてしまいがちです。
ぜひ「輩出」と「排出」の違いには気をつけましょう。
「輩出」の使い方
さて、「輩出」は、優れた人物が続いて世にでること、人材が多くでるということを表す言葉です。
「輩出する」という使い方が一般的です。
企業や学校などの団体が、「うちからこのような立派な人物が世に出ました」と実績を紹介したい時などによく用いられる言葉です。
日常でも、ビジネスシーンやニュースでも見聞きする機会が多いでしょう。
例えば「逸材が輩出する」などとし、「優れた才能を持つ人が次々と世にでる」ということを表すことができます。
>>「奇特な人」の本来の意味は?嫌味になる?由来や使い方を解説
「輩出」は誤用が多い言葉
「輩出」は誤用されることが多い言葉です。
他動詞化は容認されている
本来、「輩出」は「逸材が輩出する」などのように、「……が輩出する」「……が輩出した」などと自動詞で使われる言葉です。
ですので、「逸材を輩出する」など「……を輩出」という他動詞的用法は本来の使い方ではありません。
ただし、数十年前でしたらこのような他動詞の使い方は誤用であるとされていましたが、今では他動詞としての用法が一般化しています。
「……が輩出」よりも「……を輩出」の方が圧倒的によく使われているんですね。
ですので、現代では「誤用」とは言えませんが、本来は自動詞であるということで覚えておくとよいでしょう。
「多く輩出」は本来は誤用
「多く輩出している」「多数輩出している」などの使い方は、本来は誤用です。
「輩出」が「多くの優れた人が世にでる」という意味を持っていますので、「多く」「多数」という部分が重複するからです。
これも実際は容認されており、使って違和感を持つ人は少ないようです。
優れた人物についてのみ使う
「輩出」は「優れた人が次々世にでる」ことを表します。
ですので、「悪人が輩出した」などとよくない人たちが世に出たというときには使いませんので気をつけましょう。
複数人に使う
「輩出」は「優れた人が次々と世にでる」ということです。
ですので、「○○さんを輩出した」などと一人の人を世に出したというときには使えません。
誤用の例文
- このスキースクールはオリンピック選手のAさんを輩出した。(1人の時には使わない)
- 我が校から初めてノーベル賞受賞者が輩出した。(次々に出ていない)
- この地域は多くの犯罪者を輩出した。(優れた人物のみに使うので)
このように、「輩出」を一人の人が出たことについて使ったり、悪い評判の人が出たことについて使ったりするのは明らかに間違いとなります。
「輩出」の正しい使い方
「輩出」は、本来は「……が輩出した」などと自動詞の形で使います。
優れた人が複数人世に出た、ということを表して使います。
ただし、今では「……を輩出」という他動詞的用法の方が一般的になっています。
また「多く輩出した」という使い方も、本来は間違いですが容認され、一般的になっています。
【例文】
- 明治時代は、後世に残る作家が多く輩出した時代だ。
- ノーベル賞受賞者が輩出した名門大学を受験する。
- 我が社は社会で活躍する人材を輩出することをモットーにしている。
- マラソン大国・ケニアは世界トップクラスのランナーを輩出している。
「輩出」の言い換え表現
「輩出する」の言い換え表現には次のようなものがあります。
- 世に出る/世に出す(社会に出る(出す)。出世する)
- 巣立つ(子が成長して親元を離れること。学校を卒業して社会に出て行くこと)
まとめ
「輩出」は、優れた人物が次々に世に出ること、または世に出すことを表す言葉でした。
「……が輩出する」が本来の使い方ですが、今では「……を輩出する」が一般的になっています。
「優れた人を」「次々と」ということなので、一人だけやごく少人数を世に出したというときには使いませんので気をつけましょう。
ビジネスシーンでもよく使われますので、ぜひ覚えておきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!