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「采配」という言葉、使ったことがありますか?
自分の口からは発音したことがないという人もいるかもしれませんね。
ですが、人が言っているのを聞いたり、テレビで聞いたりしたことはあるでしょう。
この「采配」、「采配を振る」「采配を振るう」、どちらの使い方も耳にします。
正しいのはどちらかわかりますか?
ちょっとの差ですが、間違って使ってしまうとはずかしいですよね。
ぜひ確認しておきましょう。
今回は、「采配」の意味と使い方!「采配を振る・采配を振るう」正解は?についてご説明いたします!
「采配」の意味
「采配」は「指図。指揮」という意味です。
「さいはい」と読みます。
もともと「采配」というのは、昔、戦場で大将が手に持って軍を指揮するために振った道具のことです。
細長く切った紙や獣毛などをふさにして木や竹の棒につけたものでした。
それを大将がサッサッと振って、いろいろな指示を軍に示したわけです。
また、「采配」を持っている人がその軍の指揮官であることを示すという目印の意味もありました。
江戸時代ごろには金箔や朱塗りなど、豪華な意匠が施されたものもあり、身分や威厳を示す威儀具としての役割が主になっていったようです。
とにかく「采配」を大将が振り動かして軍を指揮したというところから、現代では「采配」が指揮、指図という意味そのものを表すようになりました。
「采配を振る・采配を振るう」正解は?
さて、「采配」は「采配を振る」「采配を振るう」という使い方をされることが多くあります。
いずれも「指揮をとる」「指図する」というような意味で用いられています。
試しにネットニュースの記事など検索してみると、例えば野球やサッカーなどのスポーツチームの監督が「采配を振る」「采配を振るう」と、どちらの言い方も使われています。
聞いた感じではほとんど同じに聞こえるぐらい似ていますが、どちらが正しいのでしょうか。
実は、本来の正解は「采配を振る」なんです。
「采配」の意味から考えるとわかりやすいと思いますが、「采配」は柄にふさをつけた道具ですから、指揮をとるためそれを「振る」わけです。
「振るう」だと大きく振り回すようなニュアンスなので、ちょっとそれでは指示がわかりにくそうですよね(笑)。
「采配を振る」が本来の言葉で、それが「采配を振るう」と間違って使われるようになったのです。
今まで「振る」か「振るう」か、自信がなかったという人も多そうです。
言うときには「采配を振るぅ」なんてごまかしていた人もいるかもしれませんね(笑)。
正確には「采配を振る」である、ということで、これからは自信を持って使えますね。
ただし、文化庁発表の平成20年度「国語に関する世論調査」では、「采配を振る」を使う人が28.6パーセント、「采配を振るう」を使う人が58.4パーセントと、逆転してしまっているんです。
時代とともに、人々の使いかたが変われば言葉そのものも変わっていくものです。
現代では「采配を振るう」も一般的に使われているため、「間違いである」とは言い切れません。
だんだんと正しい用法として認められつつあるところ、といったところでしょうか。
「采配」の使い方
「采配」は「采配を振る」(もしくは「采配を振るう」)のほか、「采配をとる」という形でも使われます。
意味は同じで「指揮をとる」ということです。
また、「采配」のみでも使われます。
例文で使い方を確認しておきましょう。
「采配」の例文
- 社長自ら采配を振る。
- 今日の試合で新監督が初めて采配を振ることになる。
- 彼がリーダーとして采配をとることになった。
- 各部隊の状況を判断した見事な采配ぶりであった。
- 弱小チームの監督が、大胆な采配で優勝候補に立ち向かった。
「采配を振る」の類語
「采配を振る」の類語は次のようなものです。
- 指揮する(人の上に立って指図をすること)
- 統率する(集団の先頭に立ち全体をひっぱるさま)
- 指図する(物事のやり方などを指示、命令して人を動かすこと)
- 取り仕切る(物事を引き受けて責任を持って行う)
- 指示する(人を動かす命令を下すこと)
- 号令をかける(人を動かす命令を下すこと)
- 軍勢を率いる(大将が大勢の兵士の先頭に立っていること)
- 手綱をとる(動きを思いのままに操ること)
- 陣頭に立つ(集団の先頭に立ち全体をひっぱるさま)
まとめ
「采配を振る」なのか「采配を振るう」なのか…。
このような、どっちも見聞きすることがあるような場合って、迷ってしまいがちですよね。
いざ使おうとすると迷ってしまう言葉って、ほかにもいろいろあるのではないでしょうか。
自信を持って周囲とのコミュニケーションが取れるよう、迷っている言葉は、ぜひ気づいたときにすぐ調べて確認しておきたいものですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!