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「天寿を全うする」でよく耳にする「天寿」という言葉は、実は長寿祝いの一つと言われています。
では、天寿の意味や由来、その年齢はいくつなのでしょうか。
今回は「天寿」の意味と由来や、「天寿を全うする」という意味についても解説いたします。
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天寿との意味と由来
「天寿」は一般的に250歳の長寿祝いとされています。
実際にネットで「天寿」と検索すると、多くのサイトで「250歳のお祝い」と書かれているのを見かけます。
しかしどうして、現実に迎えられるはずのない年齢の長寿祝いがあるのでしょうか。
実は、その由来はよくわかってはいません。
天寿=250歳というのは、どこからやって来たのかは不明なのです。
とは言っても、250歳と具体的な年齢が出ている点を考えると、どこかに繋がっている感じがしますね。
天寿が250歳のお祝いは嘘?
「どうして日本で天寿=250歳になったのか?」
調べてみたところ、どうやら以前「Wikipedia」で天寿は250歳と記載されていたことがあったようです。
そこから、日本では天寿は250歳という認識が広がった可能性があります。
また、2021年3月のとあるクイズ番組で「天寿は何歳か?」という回答が250歳と放送されたこともあったようです。
しかしこの回答に対し、後に専門家は、
「古代中国の歴史書「史記」で「天寿」という言葉が使われたようですが、特に年齢は明記されていないもので、ネットで250歳という話が拡散されている」
と解説したとのことです。
なので、現代の日本では天寿=250歳という風に多くの人がとらえているのかもしれませんが、実際のところは謎となっています。
「250歳という年齢はどこからきたのか?」
でも、前述したように具体的に250歳という数字が出ているのも不思議な話ですね。
加えて仮に、天寿が250歳の長寿祝いだとしても、250歳を迎える人は実際にはありえません。
天寿の前の長寿祝いである「大還暦」ですらなんと120歳なのです。
→「大還暦」
大還暦を迎えた人はギネスブックに認定されるほどですから、人類の限界とも言える寿命と言っても過言ではないと言えるでしょう。
ですから、実際には250歳を生きたと世界で認められた人物は今のところいないのです。
しかし、言い伝えの中ではかなりの長い年月を生き抜いたとされる人が大勢います。
例えば日本では、130歳まで生きたとされる戦国武将「渡辺幸安」等が有名です。
では言い伝えの中でも、天寿の年齢である250歳を生き抜いたとされる人はいるのでしょうか?
256年生きた?漢方医 李青曇(り せいどん)
そうなるとここでちょっと注目したいのが、中国のとある方です。
その昔、中国には李青曇(り せいどん)という漢方医がいたそうで、その方はなんと256年も生きたとされています。
彼は清の時代である1677年に生まれたとされ、1993年に死亡したと言われています。
彼の誕生である1677年を日本に当てはめると時代は江戸、時の将軍は徳川 綱吉・家綱の時代です。
そして1993年に亡くなるので、日本では昭和8年に亡くなったことになります。
もちろんギネス非公認ですが、李青曇の写真などは残っているのです。
どうしてこのお話をするかと言うと、実はその昔、長寿祝いの文化は中国から渡ったと言われているのです。
ですから、もしかすると天寿=250歳の由来は中国から来ていたのかもしれないとも考えられるのではないでしょうか。
中国には長い歴史と神様や仙人といった伝説や思想もありますから、李青曇も250歳生きたと言われても違和感はあまりありません。
色々と規模の大きい中国では、寿命に関する考えについてもはかりしれないものがあるのかもしれませんね。
天寿=250歳となった経緯は結局は不明ですが、もしかすると中国の人々の思想や文化の伝承との関連があるのではないかというお話です。
「天寿を全うする」とは?
天寿という意味を辞書で引いてみると、「天から授かりし寿命」と多くの辞書に書かれています。
では「天寿を全うする」とはどのような意味なのでしょうか。
一般的なイメージとしては、「大往生」や「老衰」といったように自然で長生きし、苦しまずに幸せに亡くなるようなイメージがあるのかもしれません。
ちなみに大往生とは、「苦しまずに安らかな死を迎え、老衰や自然な死」を意味するそうです。
また老衰とは、「病気や外傷ではなく加齢に伴い身体の機能が衰え、自然な死に至ること」という意味があるようです。
しかし、人というものは病気や外傷で亡くなることも多くあります。
では、その人たちは天寿を全うしていないかというと、そうではありません。
不慮の事故や自死などは人によっては思うところがあるかもしれませんが、その人らしく日々を送って最期を迎えれば、天寿を全うすると言ってもおかしくないのではないでしょうか。
どのようなかたちでも一生懸命その人として生きたということが、天寿を全うするということなのだと言えるのだと思います。
天寿酒造 「天寿」
最後に、「天寿」という言葉にちなんで美味しいお酒をご紹介します。
秋田県にある天寿酒造の銘酒「天寿」は、文政13年(1830年)から続く老舗です。
米・水・技にこだわった安らぎを感じるお酒作りを目指しており、「天寿」という字は、2000年前の中国山東省の泰山の磨崖に刻まれたとされる金剛経から写したとのこと。
「天寿」は全国新酒鑑評会で金賞を受賞したお酒です。
酒は百薬の長と言いますし、長寿のお祝いや祈願の際にはぜひおすすめしたい一品です。
まとめ
天寿は250歳の長寿祝いとして一部の人に認識されていますが、その由来は不明であり、果たして本当に250歳のお祝いのことを指すのかもよくわかってはいません。
もしかしたら天寿=250歳の長寿祝いという話自体も知らない方もいるかもしれませんね。
しかし「天寿を全うする」という一文で、「天寿」という言葉自体は多くの人に広く知られています。
「天寿を全うする」は人間の人生の終わりに用いられます。
その人らしい最期を迎えた時に送る言葉なのです。
亡くなった方の生死の一区切りとして、またその状況を人々が受け入れていくための大切な言葉として「天寿」は在るのだと考えられるのではないでしょうか。