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妖怪「おいてけぼり」という存在を聞いたことはあるでしょうか。
その名前からもどこか怖さが伝わってくる妖怪ではありますが、詳しくは知らないという人も多いかと思います。
今回は「おいてけぼり」とは?という基本的な事はもちろん、その正体や語られている怪談の内容・場所についてもしっかりと解説していきます。
漢字ではどう書くの?という疑問にもお答えしていきますよ。
妖怪「おいてけぼり」とは?
「おいてけぼり」とは東京の墨田区を舞台とした「本所七不思議」という怪談の1つに出てくる妖怪です。
よく釣れると評判の釣り場で釣った魚を持ち帰ろうとすると恐ろしい声で「置いていけ、置いていけ」と言う妖怪です。
釣り人が魚を置かずそのまま持ち去っても、魚かごの中に大漁だったはずの魚はその姿を消しているんだとか。
魚を戻さず帰ろうとする釣り人をその水辺に引きずり込んで殺してしまうという話もあり、とても怖い妖怪だと言えますね。
基本的には「声」のみで人を驚かす妖怪ですが、三代目 歌川国輝作の浮世絵にはなんとも不気味な姿の女性が「妖怪 おいてけぼり」として描かれています。
妖怪「おいてけぼり」の正体は?
おいてけぼり正体がはっきり判明しているわけではありませんが、有力なのが狸や河童の仕業だという説です。
発祥の地である墨田区錦糸町では妖怪「おいてけぼり」の正体について「狸派」と「河童派」に分かれているんだとか。
狸だと仮定すれば、釣り人が釣った魚を横取りしようとして怖い声を出したと考えられます。
対して河童だとすれば、人を水辺に引きずり込むという特徴とも一致し、食料である魚を取られた事に怒っての行動とも考えられますね。
妖怪「おいてけぼり」の怪談の内容や場所は?
東京の墨田区に大の釣り好きの男が居ました。
どのくらい好きかというと、良い釣り場の話を聞くと仕事そっちのけで釣りに行ってしまうほど。
そんな男の元に「錦糸町にある場所で釣りをすると化け物に襲われる」という話が届きます。
単なる化け物の話なら聞き流した男ですが、釣りが絡んでいるので流すわけにはいきません。
早速噂の釣り場へと向かい竿を垂らしました。
釣りを始めてみると化け物が出るどころか、かつてないほどに大漁となり喜んで帰ろうとしたところ「置いてけー…置いてけー」という不気味な声が聞こえてきました。
驚きと恐怖で逃げ帰った男でしたが、無事に家に着き満杯だった魚かごを見るとなんと空っぽに。
あの時聞こえた声と釣ったはずの魚が消えていたことに驚いた男は、もう二度とその釣り場には近づかなかったそうです。
というのが怪談の内容となっており、場所は東京、墨田区の錦糸町付近という事がわかりますね。
まとめ
この妖怪「おいてけぼり」の逸話が、現在も「おいてけぼりになっちゃったよ」などと普通に使われている「一人取り残されてしまう」という言葉の語源と言われているんですよ。
白い着物で髪の長い「いかにも幽霊」といった姿で描かれることが多いですが、実はその姿をはっきりと記した文献は無いんだとか。