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「初鰹」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「初鰹」について解説していきます。
「初鰹」について基本的な意味はもちろん、何月頃の季語なの?「戻り鰹」との違いは?といった疑問や「初鰹」を使った俳句もご紹介いたします。
「初鰹」の意味と読み方
「初鰹」とは、毎年南下と北上を繰り返す鰹を「のぼり鰹」と言いますが、そののぼり鰹の中で4月から6月頃にかけて獲れる鰹を指す言葉です。
魚肉はとても赤々としていますが味はあっさりとしており、春から初夏にかけての旬の食べ物として古くから愛されています。
読み方は「はつがつお」です。
表記する場合「はつがつを」と書かれる事がありますがこちらも間違いではありません。
江戸時代には初物を食べれば75日寿命が延びると言われており、江戸っ子たちは房総沖で獲れた初鰹を早飛脚を使って生きたまま江戸まで運んでいたんですよ。
「初鰹」は何月頃の季語?
「初鰹」は俳句を作る上で「初夏」の季語として使われています。
夏を通して使う事が出来る季語ではなく、夏の初め頃であることを表現する季語なんですよ。
初夏とは暦の上で夏となる「立夏」から梅雨入りまでの時期を指す言葉です。
子季語には「初松魚」があります。
「初鰹」と「戻り鰹」の違いは?
「初鰹」は春から初夏にかけて獲れる鰹を指す言葉ですが、「戻り鰹」は南下し、三陸沖で9月頃に撮れる鰹を指しています。
初鰹に比べて戻り鰹は脂ののりが良く「トロ鰹」「脂鰹」とも呼ばれています。
北上する鰹が「初鰹」で、南下する鰹が「戻り鰹」なんですよ。
「初鰹」を使った俳句
鎌倉を生きて出でけむ初鰹
(かまくらを いきていでけむ はつがつお)
松尾芭蕉
目には青葉山ほととぎす初鰹
(めにはあおば やまほととぎす はつがつお)
山口素堂
まな板に小判一枚初鰹
(まないたに こばんいちまい はつがつお)
宝井其角
はつ鰹松の葉と詠みおくりけり
(はつがつお まつのはとよみ おくりけし)
寥松
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。