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「初雁」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「初雁」について解説していきます。
「初雁」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「初雁」を使った俳句もご紹介いたします。
「初雁」の意味と読み方
「初雁」とは、季節が秋になり北方から初めてわたってきた雁を指す言葉です。
読み方は「はつかり」です。
その年に初めて渡ってきた雁が「初雁」と呼ばれるんですね。
地域によってその時期は異なりますが東北地方は9月から10月にかけて、九州では11月頃にその姿を見ることが出来ます。
「雁」とはどんな鳥?
「雁」はカモ科ガン亜科に属している水鳥で、大きさはカモと白鳥の中間程度です。
「雁(かり)」という名前だけ聞くとどの鳥の事なのかわかりにくいですよね。
でも実は意外とその名前は私たちの生活に根付いています。
おでんの「がんもどき」はこの「雁」の肉に味を似せて作られている精進料理である事からその名前が付けられています。
おでんの具として欠かせないという人も多いのではないでしょうか。
また教科書などにも「大造じいさんとガン」という話が掲載されていたりと、少し意識を向けてみると私たちと関係の深い鳥なんですよ。
「初雁」はいつの季語?
「初雁」は俳句を作るうえで「秋」の季語となっています。
秋を通して使うのではなく、秋の終わりごろである「晩秋」を表現する際に使う季語なんですよ。
「雁」という季語の子季語として存在しており、同じ子季語には「白雁」「天津雁」「雁鳴く」「雁が音」などたくさんの言葉があります。
「初雁」を使った俳句
初雁があれあれ山の向ふから
(はつかりが あれあれやまの むこうから)
正岡子規
初雁に羽織の紐を忘れけり
(はつかりに はおりのひもを わすれけり)
与謝蕪村
初雁や三羽して首伸ばしゆく
(はつかりや さんわしてくび のばしゆく)
渡邊白泉
初雁や声あるものを見失ひ
(はつかりや こえあるものを みうしない)
千代尼
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。