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「露時雨」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「露時雨」について解説していきます。
改めて「露時雨」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつ頃の季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「露時雨」を使った俳句もご紹介いたします。
「露時雨」の意味と読み方
「露時雨」とは、樹木や地面など周辺全てのものに露が降りていて、まるで時雨が通り過ぎたかと思ってしまうような情景を指す言葉です。
読み方は「つゆしぐれ」です。
「つゆじあめ」「ろじあめ」ではありませんので覚える際はお気を付けください。
辺り一面が雨上がりのように梅雨に濡れている情景だけではなく、木々の梢に降りた露が風に吹かれて時雨が降ってきたかのように思わせる情景をも指しています。
はっきりと「これ」という意味を持たず、秋の終わり頃ならではの切ない情景を含んだどこかあいまいな季語なんですよ。
古くは新古今和歌集の中でも使われており、使う際には言葉そのものが持つ繊細な美しさを打ち消さないような高い表現力が必要ともいわれています。
「露時雨」はいつ頃の季語?
「露時雨」は俳句を作るうえで「秋」の季語となっています。
秋の中でも終盤頃である「晩秋」の季語です。
時期としては10月8日前後から11月6日前後までに使われています。
秋と冬の境目を表現するかのような美しくも繊細な言葉ですよね。
「時雨」という言葉は冬の季語ですが、そこに露という言葉が付いた場合は「秋」の季語となります。
「露時雨」を使った俳句
門前や一本槙の露時雨
(もんぜんや いっぽんまきの つゆしぐれ)
松瀬青々
庭に下り立てば忽ち露しぐれ
(にわにおり たてばたちまち つゆしぐれ)
稲畑汀子
ぶなの木に耳あててみる露しぐれ
(ぶなのきに みみあててみる つゆしぐれ)
梅原幸子
犬吠えて竹林にはかに露しぐれ
(いぬほえて ちくりんにわかに つゆしぐれ)
布川直幸
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。