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「伝播」という言葉はあまり普段の会話では使わないと思います。
「○○が伝播する」とか「情報伝播」「文化の伝播」といった使い方もします。
ビジネスシーンや学術的な文献で使うような言葉ですね。
ざっくり何かが「伝わる」みたいな意味であることは文脈から判断できると思いますが、正確な意味を確認しておきましょう。
また、似た言葉の「感染」や「伝染」との違いも調べてみました。
今回は、「伝播する」とは?「伝播」の意味と使い方!「感染」「伝染」との違いは?についてご説明いたします!
「伝播」の意味
「伝播」は「伝わり広がっていくこと。広い範囲に伝わること」という意味です。
「でんぱ」と読みます。
漢字だけ見ると「でんぱん」と読みたくなりますが、「でんぱ」という読み方ですので覚えておきましょう。
「伝播」の「伝」は「伝える」という字で、身近な漢字だと思います。
「播」の方は「播磨」とか「播州」の「播」、といってもあまり普段使わないかもしれませんね。
「播」は「(種などを)まく」「広くおよぼす」「さすらう」といった意味がある漢字で、「伝播」の場合は「広く及ぼす」意味で使われています。
この「伝」と「播」で「広く行き渡らせて伝える」ということです。
「伝播」の使い方
「伝播」は「伝播する」などの使い方で、何かが広く伝わっていくことを表します。
あまり普段の会話などでは使わず、ビジネスシーンなどかたい言葉遣いをするシーンや、書き言葉として使われます。
文化が伝わり広がることなどを指して使うことが多いですが、科学の分野で使うときは熱や音や光の波動が伝わることも「伝播」と言います。
【例文】
- 稲作文化が東日本へと伝播した。
- 情報が伝播する。
- SNSを通じてデマがあっという間に伝播する。
- 熱が伝播する。
「感染」「伝染」との違いは?
「伝播」は広く伝わっていくことでしたね。
何かが伝わっていくというイメージの言葉に「感染」「伝染」などがあります。
これらの違いは
- 「伝播」は「広く伝わること」
- 「感染」は「他からの影響でその悪風・弊風にそまること」
- 「伝染」は「性質や習慣などが他のものにうつること」
となります。
もちろん「感染症」や「伝染病」という言葉もあるぐらいですので、「感染」や「伝染」には「病原体が体内に侵入して病気がうつること」という意味があります。
ですが、それ以外の一般的な意味を比べるとこのような違いになります。
「感染」とは
まず「感染」は「悪風・弊風」がうつることを指します。
つまり悪い意味ですね。
「オシャレが感染する」とか「優しさが感染する」とか、いいことには使いません。
「病気に感染する」ように、悪い思想や悪い風習に染まる時に使います。
「伝染」とは
「伝染」はもちろん病気がうつることも言いますが、それ以外には物事の状態や傾向がうつることを指します。
気分や習慣、ちょっとした動作が他のものにうつることを特に表す言葉です。
「伝播」「感染」「伝染」の違い
「伝播」「感染」「伝染」の違いをまとめると
- 「伝播」は文化などが広く伝わること
- 「感染」は悪い風習などがうつること
- 「伝染」は気分や性質、動作などがうつること
となります。
【「感染」と「伝染」の例文】
- 過激思想に感染する。
- 刑務所で悪風に感染する。
- ネガティブな感情が伝染する。
- あくびが伝染する。
「伝播」の類義語
「伝播」の類義語には次のようなものがあります。
- 拡散(広がり散ること)
- 普及(広く一般に行き渡ること)
- 伝達(意思・命令・情報などを口頭または書類で相手に伝えること)
- 伝搬(伝わること)
- 波及(物事の影響が一点から波のように徐々に広がること)
- 蔓延(伸び広がること。はびこりひろがること)
まとめ
「伝播」は文化や情報などが広く伝わっていくことを表す言葉でした。
日常会話では言わないかもしれませんが、だからこそビジネスシーンなど改まった場では使える言葉でもあります。
ぜひ意味や使い方を理解して、「伝播」を正しく使ってみましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!