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「案ずるより産むが易し」
「彼の身を案じる」
「対策を案ずる必要がある」
このように使う「案ずる」または「案じる」という言葉があります。
よく見聞きする言葉でしょう。
大体意味をわかって使っている人も多いと思いますが、詳しく説明することは難しいのではないでしょうか。
「心配」との違いも合わせて確認しておきましょう。
今回は、「案ずる・案じる」(身を案じる)の意味と使い方!「心配」との違いは?についてご説明いたします!
「案ずる・案じる」の意味
「案ずる・案じる」は「考えを巡らす」「心配する」「はっきりしない点を明らかにする」という意味です。
「あんずる・あんじる」と読みます。
「考えを巡らす」、つまり色々と工夫したり、何かを考え出したりするという意味があります。
また、「心配する」という意味で、身の上や将来などを気遣ったり思いわずらったりする意味もあります。
最後の「はっきりしない点を明らかにする」という意味ではあまり使うことはないのではないでしょうか。
日常生活でもビジネスシーンでも、上の二つの意味で使われることが多いようです。
例えば、よく使われる「身を案じる」は、「体や身の上を心配する」という意味です。
「案ずる・案じる」の使い方
「案ずる・案じる」は、元々は「案ずる」でしたが、江戸時代の後期から「案じる」とも言われるようになり、今ではどちらも使われています。
「案ずる」の方が古い感じで、かたい言い回しのときや書き言葉としてよく使われます。
話し言葉では「案じる」の方がよく使われていて、普段使いできるような感じです。
ことわざでは「案ずるより産むが易し」と昔の言い回しなので「案ずる」を使います。
「案ずる・案じる」で、「考えを巡らす」「心配する」などの意味がありますので、例文で使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- 彼が損をせずに済むように一計を案じた。
- 案ずるより産むが易し。(始める前はあれこれ心配をするものだが、実際にやってみると案外たやすくできるものだというたとえ)
- 彼女の身の上を案じる。
- 案ずるには及ばないよ。
「心配」との違いは?
さて、「身を案じる」のような「案ずる・案じる」は「心配する」意味であると説明してきましたね。
では、「案ずる・案じる」と「心配する」は全く同じなのでしょうか?
「案ずる・案じる」は「考えを巡らす」という意味もあります。
ですので、「案ずる・案じる」の場合は
「こうしたらどうだろうか」「このようにすればよいだろうか」とあれこれ考えて心配すること、あるいは「どうなるだろう」などと心にかけて考えを巡らすこと。
それに対して「心配」は
「思いわずらう」ということを表す言葉で、「大丈夫かな」「できないかもしれないな」など、よくない状態になりはしないかと先行きに不安を感じて思いわずらうという意味。
「案ずる・案じる」を「心配する」と言い換えてもほとんどの場合意味は通じるわけで、「案ずる・案じる」と「心配」は似たような意味、類義語であると思って構いません。
ですが、細かく見ていくと「案ずる」の方が「考えを巡らせて」心配するというニュアンスがあるということです。
【例文】
- 彼の病状を案じる。(病状がどのようだろうか、などと心にかけて考えを巡らす)
- 彼の病状を心配する。(病状が悪くなったりしないだろうか、と心を悩ます)
「案ずる・案じる」の類義語
「案ずる・案じる」の類義語には次のようなものがあります。
- 心配
- 危惧(悪い結果になりはしないかと心配しおそれること)
- 憂慮(心配して思案すること)
- 懸念(気にかかって不安がること)
- 憂える(悪い結果になりはしないかと心配する)
- 企む(計画する。特に悪事をくわだてる)
- 仕組む(企てる。計画する)
- 企てる(こういうことをしようと思いつき、計画を立てる)
- 図る(そのことの実現を企てる)
「案ずる・案じる」の対義語
「案ずる・案じる」の決まった対義語は特にありません。
類義語である「心配」の対義語は「安心」、「危惧」の対義語は「安堵」「確信」、「憂える」の対義語は「喜ぶ」といったように、類義語には決まった対義語があるものもあります。
文脈により、これらの言葉を使って反対の意味が表せるでしょう。
まとめ
「案ずる・案じる」はあれこれと考えを巡らせたり、心配したりするという意味でしたね。
「先行きを案じる」とか「身を案じる」、ビジネスシーンでも色々と案ずることはあるかもしれません。
「案ずる・案じる」の意味を正しく理解して使ってみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!