※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
「彼の発言は噴飯ものだ」
この文章の意味がわかりますか?
「噴飯もの」は、よく「とても腹立たしい」という意味で使われます。
ですが、これは間違いなんです。
「噴飯もの」は半数近くの人が間違って使っており、正しく理解している人が少ない言葉です。
今回は、「噴飯もの」の本来の意味や由来とは?正しい使い方を知ろう! についてご説明いたします!
「噴飯もの」の本来の意味
「噴飯もの」の正しい意味は「食べかけの飯をこらえきれずに噴き出してしまうほどに、おかしくてたまらない出来事」「もの笑いのたねになるような、みっともない事柄」と言う意味です。
「ふんぱんもの」と読みます。
ですが、この「噴飯もの」は違う意味で使われることが多いのです。
文化庁が発表した平成24年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味である「おかしくてたまらないこと」で使う人が19.7パーセントに対し、本来の意味ではない「腹立たしくて仕方ないこと」の意味で使う人が49.0パーセントという結果になりました。
実に半分近くの人が「腹立たしくて仕方ないこと」という意味で使っているんですね。
「不正を行うなんて噴飯ものだ」などと、「笑ってしまう」という意味がなく「腹立たしい」という意味だけで使っている場合は、間違いということです。
正しい意味は「おかしくてたまらない」という、面白いものやみっともなくて笑えるものを見たときなどに使う言葉なので、正しく覚えておきましょう。
「噴飯もの」の由来
「噴飯もの」は「飯」を「噴く」と書きますね。
その字の通り、笑いをこらえきれずに食べているご飯を噴き出してしまうほどにおかしくてたまらない、ということからできた言葉です。
ご飯を食べている時や牛乳を飲んでいる時に面白いことを言われたりするとブーッ!と噴いてしまうこと、ありますよね(笑)。
昔の人も同じように思ったようですね。
中国の有名な詩人・政治家の蘇東坡の文にも「失笑噴飯」という言葉が出てくるそうです。
このように、「噴飯」はおかしさをこらえきれずに食べている飯を噴き出してしまうほどだ、という意味の言葉なんですね。
「噴飯もの」の正しい使い方
「噴飯もの」を「おかしくてたまらない」または「みっともなくて笑える」という正しい意味で使う場合の例文で確認しておきましょう。
【例文】
- 彼の言い訳は噴飯ものだ。
- 他人の失敗を散々馬鹿にしておいて、自分も同じ失敗をするなんて噴飯ものだ。
- あの映画は主演女優の演技が下手すぎて噴飯ものの出来だった。
いずれも、「バカバカしくて笑うしかない」「笑うほどひどい」というような意味で使っています。
「噴飯もの」は、面白くて笑ってしまうという意味なのですが、現代ではいい意味で面白いということではなく、このように馬鹿にした意味で笑ってしまう、という悪い意味で使います。
「噴飯もの」は、もともとの言葉の意味としては「食べている飯を噴き出すほどおかしい」という意味です。
ですので、例えば面白い話を聞いたとか、お笑い芸人の舞台を見たとかいうときに「噴飯もの」と言ってもいいはずですね。
ですが、上で述べたように「噴飯もの」は「おかしくてたまらない」というよりも「笑ってしまうほどひどい」という軽蔑や怒りなどを含んだ笑いとして使われるのです。
どうしてそうなったのかは確かではありませんが、
- 「噴」の字は「噴火」や「噴出」など、勢いよく出ることを表す字なので、面白くて笑うというより怒りのイメージがある
- 「噴」の字は「憤慨」や「憤怒」の「憤る」という字と似ている
などが原因ではないかと思われます。
いずれにせよ、現代では「噴飯もの」は悪い意味で笑ってしまうようなことを指す言葉になっています。
目上の方が面白い話をしたときなどに「噴飯ものですね!」などと言うとかなり印象が悪いですので気をつけましょう。
「噴飯もの」の言い換え
「噴飯もの」の言い換えには次のようなものがあります。
- 笑止千万(非常に馬鹿馬鹿しいこと)
- 片腹痛い(身の程を知らない相手の態度がおかしくて仕方ない)
- ちゃんちゃらおかしい(あまりに馬鹿げていて思わず笑ってしまうさま)
- 滑稽(笑いの対象となる、おもしろいこと。「あまりにもばかばかしいこと)
- お笑い種(笑ってしまうような馬鹿らしい物事、笑われる原因)
まとめ
「噴飯もの」は腹が立つようなことではなく、笑ってしまうようなことを指す言葉でした。
笑いの中でも、バカバカしくて笑ってしまうというような、怒りなども含んだ良くない意味の笑いとして使われています。
笑いとひとことに言ってもこのような意味がありますので、「噴飯もの」は気をつけて正しい場面で使うようにしましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!