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言葉の意味と使い方

「ください・下さい」「いたします・致します」違いは?使い分け方を解説!

「ください・下さい」「いたします・致します」違いは?使い分け方を解説!

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「○○してください」「○○いたします」

この「ください」や「いたします」は、ビジネスシーンでも非常によく使う言葉ですね。

漢字で書くと、「下さい」「致します」となりますが、

「ご覧ください」なのか「ご覧下さい」なのか?

「お願いいたします」なのか「お願い致します」なのか?

など、迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

実はひらがなで書くのと漢字で書くのとでは、意味や使い方に違いがあるんです。

今回は、「ください・下さい」「いたします・致します」違いは?使い分け方を解説!についてご説明いたします!

「ください・下さい」の違いは?

「ください」と「下さい」の説明

「ください」と「下さい」は、どちらも「ください」ですので「○○をください」とか「お掛けください」などという時に使いますよね。

ですが、「ください」と「下さい」には違いがありました。

  • 「ください」は補助動詞で、相手に何かして欲しい時に敬意を表して使う
  • 「下さい」は動詞で、「くれ」の尊敬や丁寧の表現として使う

という違いです。

「ください」はplease、「下さい」はgiveの意味であると区別すると違いがわかりやすいでしょう。

なお、この使い分け方は政府が定めた公用文のルールによるものです。

「ください」は何かをお願いする時などの尊敬表現として、「お飲みください」などと使う補助動詞なんです。

そして、「下さい」と漢字で書くのは本動詞です。

本動詞というのは本来の意味で独立的に用いられる動詞のことですので、「下さい」だけで意味が通じる使い方をします。

例えばお店で「これを下さい」「コーヒーを下さい」というようなことですね。

このように、「ください」と「下さい」は別の働きを持つ言葉なのです。

>>「~ください」は命令に聞こえる?~してほしい時の敬語表現は?【例文つき】

「ください・下さい」の使い分け方

「ください・下さい」には「ください」は補助動詞、「下さい」は動詞という違いがあります。

ですので、使い分け方は次のようになります。

  • 「ください」は別の動詞に後続して、丁寧なお願いの意味を表して使う
  • 「下さい」は相手にものを求める意味で使う

「ください」はそれだけではなく、「お掛けください」「お飲みください」「お越しください」といった「○○ください」の形で使います。

「下さい」は「くれ」の丁寧な形です。

何かものをくれ、という時に「水を下さい」「これを下さい」などと使います。

「ください」はplease、「下さい」はgiveを覚えておきましょう。

補助動詞はひらがなで記載、動詞は基本的に常用漢字表にあるものは漢字表記するということになっています。

実際は、「これを下さい」というときに「ください」と書いても意味がちゃんと通じますし、ビジネスシーンでは補助動詞の「ください」を使うことが多いでしょう。

そうしたことからも、迷ってしまったときは「下さい」より「ください」を使うと安心でしょう。

「ください」の例文

  1. では、お手元の資料をご覧ください。
  2. こちらにお掛けください。
  3. どうぞお召し上がりください。

「下さい」の例文

  1. すみません、お水を下さい。
  2. もう少し時間を下さい。
  3. この製品のパンフレットを下さい。

「いたします・致します」の違いは?

「いたします」と「致します」の説明

さて、次に「いたします」と「致します」の違いです。

これは、

  • 「いたします」は補助動詞で、謙譲の意で使う
  • 「致します」は動詞で、「致す」の丁寧な形

となります。

補助動詞と本動詞の違いということですね。

「いたします」は「○○いたします」の形で、「○○する」ということの謙譲語になります。

「致します」の方は、本動詞であり、「する」の丁寧な形ということで、「○○が致します」など単体で使えるということです。

「いたします・致します」の使い分け方

  • 「いたします」は補助動詞なので、「お願いいたします」「ご連絡いたします」など、他の動詞に後続して丁寧にします。
  • 「致します」は「する」の丁寧語で、「○○が致します」「こちらで致します」など、「します」ということをそれだけで表す本動詞です。

本来は「致す」にも補助動詞の意味もありますので、同じように使える言葉なのですが、これもまた公用文のルールで、「補助動詞はひらがなで書く」ということになっているため、このような使い分けをします。

それぞれの使い方を例文で確かめておきましょう。

「いたします」の例文

  1. 何とぞよろしくお願いいたします。
  2. では、改めてこちらからご連絡いたします。
  3. お荷物をお預かりいたします。

>>「お荷物をお持ちいたします・お預かりいたします」は正しい?二重敬語?

「致します」の例文

  1. そんなことは私が致します。
  2. こちらから不思議な音が致します。
  3. とても良い香りが致します。

まとめ

「ください・下さい」「いたします・致します」の使い分け方はおわかりいただけたでしょうか。

意識せずに使っていたという人も多いと思います。

どちらを使っても前後の文脈から意味はきっと通じます。

ですが、「補助動詞の場合はひらがなで書くとよい」というルールを知っていれば、迷ってしまうこともなく自信を持って文章が書けますね。

ぜひ意識して使い分けてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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