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「○○と比較しても遜色ない出来だ」
このように使われる「遜色ない」という言葉があります。
この場合、他のものと比べていいと褒められているのか、それともよくないと言われているのか、迷ってしまいませんか?
「遜色ない」の意味を正しく理解しておきましょう。
今回は、「遜色ない」の意味とは?褒め言葉か失礼か?使い方と類義語を解説についてご説明いたします!
「遜色ない」の意味
「遜色ない」は「何かと比べて劣っていない、負けていない」という意味の言葉です。
「そんしょくない」と読みます。
まず、「遜色」というのは、「他に比べて劣っている」ということです。
「遜」は「謙遜」の「遜」として使うことが多いと思いますが、これは「へりくだる」「劣る」「ゆずる」といった意味がある漢字です。
「色」はもちろん色彩の「色」ですが、「様子」を表す漢字でもあります。
「遜色」は「ゆずるような、様子」「劣る様子」といった意味になりますので、ほかと比べて劣っていること、見劣りすることを表すのです。
その「遜色」が「ない」ということで、「遜色ない」は劣っていない、負けていない、見劣りしないという意味になりました。
「遜色ない」は褒め言葉か失礼か?
「遜色ない」は「何かと比べて劣っていない」ということです。
これは、褒め言葉として使える言葉です。
ですが、使い方によっては失礼になることもあるので注意が必要です。
「遜色ない」は褒め言葉として使える
「遜色ない」は、「遜色」というネガティブな意味の言葉を打ち消しているので、ポジティブな意味の言葉です。
「他と比べて、負けていませんよ」「見劣りしませんよ」ということで、褒め言葉として使えます。
目上の人に話すときなどは「遜色ありません」などとしましょう。
「遜色ない」は失礼になることもある!
「遜色ない」は、「ほかと比べて劣っていない」という意味の褒め言葉です。
ですが、「劣っていない」ということは、「優れてもいない」ということです。
「負けていてもおかしくないのに、同程度にいいですね」と言っていることになりますので、使う相手によっては失礼になる場合もあります。
正しい使い方を確認していきましょう。
「遜色ない」の使い方
「遜色ない」は、「ほかと比べて劣っていない」ということです。
ですから、格上のものや、同程度か少しまさっていると思われるものと比べる時に使います。
本来なら負けていてもおかしくないのに、負けていないですよ、という使い方をします。
明らかに格下のものと比べて「遜色ない」というのは失礼になります。
ほかと比べて程度の差が少ない時に、「劣ってないですよ」という意味で使います。
【例文】
- 彼はよく勉強していて、東大出身者と比べても遜色ない知識を持っている。
- 彼女の作品は師匠のものと比べても遜色ない出来栄えだ。
- 新入社員ですが、彼の能力は営業部の誰と比べても遜色ありません。
【間違った例文】
- さすが一流シェフの作った料理だ、チェーン店のものと比べても遜色ない味だ。
- 業界トップの技術力を誇るA社の新製品は高価だが、これまでのB社が出していた製品と比べてもその性能は遜色ない。
間違った例文では、普通に考えて格下だと思われるものと比べて「それより劣ってはいない」と言っていることになりますので不適切ですね。
「遜色ない」の類義語
「遜色ない」の類義語には次のようなものがあります。
- 見劣りしない(劣っているように見えない)
- 引けを取らない(負けていない、互角であるさま)
- 負けず劣らず(互いに優劣がつけにくいさま)
- 肩を並べる(相手と互角・対等な位置に立つ)
- 比肩する(肩を並べること。匹敵すること)
- 互角の(互いに優劣の差がないこと)
- いい勝負の(なかなか決着がつかないように優劣の差がない)
- 勝るとも劣らない(勝っているところはあるが負けているところはない)
- 大差ない(同じように見えること)
「遜色ない」の対義語
「遜色ない」の対義語には次のようなものがあります。
- 引けを取る(負ける。劣る)
- 見劣りする(相手に比べて劣って見える)
- 代わり映えしない(目立って良くなったところがなく、あまり変化がないさま)
なお、「代わり映えしない」は、ほかと比べて大差がない、悪くはないという意味では「遜色ない」と似ていますが、こちらは「ほかと比べていいところが特にない」というネガティブな意味で使われる言葉です。
「遜色ないですね」というのは褒め言葉に使えますが、「代わり映えしないですね」というのは悪い意味になりますから気をつけましょう。
まとめ
「遜色ない」は、他より劣っていない、負けていないということで、褒め言葉に使える言葉でした。
ですが、格下のものと比べて「遜色ないですよ」などと言ってしまうとかなり失礼になりますし、使い方には十分注意が必要な言葉です。
複雑な意味を持つ言葉ですが、適切に使えるように気をつけたいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!