言葉の意味と使い方

「油を売る」と「道草を食う」の意味と違いは?使い分け方と例文を紹介!【類義語】

「油を売る」と「道草を食う」の意味と違いは?使い分け方と例文を紹介!

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「油を売る」と「道草を食う」は似たような言葉ですね。

どちらも仕事などをサボってブラブラしていると言われるような言葉です。

でも、片方は油を販売し、片方は草を食べているのですから、文字通りに取ると結構違いますよね(笑)。

どうしてどちらもサボりの時に使われるのでしょうか。

この二つはどのように違うのでしょうか。

今回は、「油を売る」と「道草を食う」の意味と違いは?使い分け方と例文を紹介!【類義語】についてご説明いたします!

「油を売る」と「道草を食う」の違いは?

「油を売る」と「道草を食う」の違いは簡単にまとめると次のようになります。

  • 「油を売る」は「無駄話をして怠けること」
  • 「道草を食う」は「寄り道すること」

「油を売る」の方は主に無駄話をして仕事などを怠ける場合、またはちょっと人の目を盗んでサボるといったときに使う言葉です。

「道草を食う」は目的地に行くときにまっすぐ行かずに余計なところに立ち寄り、その結果時間がかかってしまうということを表します。

どちらも余計なことをしてサボっている点では共通していますが、違いがありますよね。

それぞれの意味を詳しくみていきましょう。

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「油を売る」の意味

「油を売る」は「無駄話などをして仕事を怠ける」という意味です。

無駄な話や世間話をしてだらだらと過ごし、時間を潰してしまって仕事を怠けるということなので、悪い意味の言葉です。

でも、油を「売って」商売しているのに、「怠ける」とはどういうことかと不思議に思うかもしれませんね。

「油を売る」というのは、江戸時代に髪油の行商人がお客を相手に世間話をしながら油を売っていたことに由来します。

女の人たちを相手にぺちゃくちゃ喋りながら仕事をしていたわけですね。

油を容器に移したりお金のやり取りをしたりといった仕事をしながら、その間にお客さんと会話をするわけですから、それも仕事のうちというか、別に怠けているわけではないような気もします(笑)。

ですが、婦女相手にあれこれおしゃべりをしている油売りの様子から、無駄話をダラダラする事という意味で使われるようになったわけですね。

「油を売る」の例文

  1. 彼はまたどこかで油を売っているに違いない。
  2. 彼女はいつも他部署で油を売っているように見えて、実は色々な情報を仕入れてくるのだ。
  3. そんなところで油を売っていないで早くこちらに来てください。

「油を売る」は一時的にちょっと世間話などをして仕事を怠ける時に使う言葉です。

ですので、何日も、何年も仕事をせずにブラブラしているといった長期間のことに対しては使いません。

「彼は三年前に会社をクビになり、それ以降ずっと油を売っている」みたいな使い方は間違いです。

その日の仕事のうち、ちょっとどこかで世間話などをしてしまって、その間仕事をしていない、という短時間の場合に使います。

「道草を食う」の意味

道草を食う」は「目的地に行く途中で他のことに時間を費やす」という意味です。

道の草を食べるということですが、その通り、馬がしょっちゅう立ち止まっては道々の草を食ってしまい、進むのが遅くなるという様子からできた言葉です。

まっすぐ目的地へ行く、まっすぐ家へ帰るというのでなしに、途中で違うところに立ち寄ったり、他のことをして時間を費やしたりするということを表します。

いわゆる「寄り道」ですね。

これも余計なことをして余分な時間がかかるということですから、悪い意味で使います。

「道草を食う」の例文

  1. 学校の帰りに道草を食うことが習慣になっている。
  2. 道草を食っていないで早く帰りなさい。
  3. 彼女はお使いを頼むといつも道草を食って帰りが遅くなる。

「油を売る」と「道草を食う」の使い分け方

「油を売る」は無駄話などをして一時的に仕事を怠けるという意味でした。

「道草を食う」は目的地に行く途中で他のことをして時間をかけるという意味でした。

どちらもサボりではありますが、

  • 「油を売る」は無駄話などをして怠けること
  • 「道草を食う」は目的地に行くまでに余計なことをして時間をかけること

という違いがありましたね。

このことを念頭に置いて例文を見ていきましょう。

【例文】

  1. 彼はまた取引先で油を売っているに違いない。
  2. 彼は道草を食っていて取引先から帰ってこない。

「油を売る」方では、「彼」は目的地である取引先に出向いて、そこで仕事と関係のない無駄話などをして時間を潰してなかなか帰ってこないのでしょう。

一方、「道草を食う」の方では、取引先の行き道か帰り道でどこか必要のない所に立ち寄ったりして、結果帰社時間が大幅に遅れているという風に読み取れるわけです。

「道草」の方は「途中で」余計なことをしているということなので、例えば「取引先で道草を食う」とは言いません。

このような違いがあります。

「油を売る」と「道草を食う」の類義語

「油を売る」の類語には次のようなものがあります。

  • 怠ける
  • サボる
  • 無駄話をする

「道草を食う」の類義語には次のようなものがあります。

  • 寄り道をする

まとめ

「油を売る」と「道草を食う」の違いがお分かりいただけたでしょうか。

どちらも仕事のサボりではありますが、ある場所でおしゃべりしたりして「油を売る」のと、どこかへ行く途中で寄り道したりして「道草を食う」のとでは意味が違っていますよね。

もちろんどちらも仕事を怠けているには違いないので、「油を売っている」とか「道草を食っている」とか言われないように気をつけたい所です(笑)。

ですが、それぞれの言葉の違いをきちんと知って、区別ができるようにしておきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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