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ビジネスの場でも日常生活のいろいろな場面でも、ストレートに伝えづらいことってありますよね。
何かを尋ねるときや、頼むとき、断るときもそうだと思います。
断るときに使う、「生憎(あいにく)ですが…」という言い回しがあります。
単に断るだけよりも、「生憎」と付いていた方がソフトな感じがして、便利な言葉ですね。
でも、この「生憎」は目上の人に使ってもいいのでしょうか?
「憎い」という字も入っていて怖い感じがしますし(笑)、ビジネスの場で使っていいのかも不安ですよね。
「生憎」の意味や語源からしっかり使い方を確認しておきましょう。
今回は、「生憎(あいにく)」は失礼?使い方と類語!ビジネスメールでの丁寧な断り方!についてご説明いたします!
「生憎」の意味
「生憎」は「期待や目的にそぐわないさま。都合の悪いさま」「折悪しく。具合悪く」という意味です。
「あいにく」と読みます。
「あいにく」は元々「あやにく」という言葉でしたが、近世以降に音が変化して「あいにく」になったそうです。
「あや」は「ああ」という感動詞で「にく」は「憎し」という形容詞の語幹です。
ちなみに「生」は当て字です。
つまり「生憎」は、元は「ああ憎らしい」という意味だったんですね。
それが変化して、今では「憎らしい」と思うような状況の方を指すようになりました。
「都合が悪くて相手の期待に添えない状況」=「憎らしい状況」という意味で、都合が悪いときに「生憎」が使われるようになったというわけです。
「生憎」の使い方
「生憎」は形容動詞として「生憎だ」「生憎な……」のように使います。
また、副詞として「生憎……だ」「生憎の……だ」のようにも使います。
「お生憎さま」という形で、相手の期待が外れたことをからかって言う使い方もありますが、これはビジネスの場ではまず使わないでしょう。
ビジネスシーンでは「生憎」を、何かを断るときや、良くない状況を伝えるときに使います。
「できません」「都合がつきません」「ただいま外出しております」
このような断りの言葉や、相手にとって都合の悪いことを伝えるときに、「生憎」をつけることで「すみませんが……」「残念ですが……」というようなニュアンスを伝えることができるのです。
丁寧な表現になりますので、目上の方にも使える言葉です。
また、「生憎」は、相手が残念がるようなことに対して使います。
ですので、「生憎参加できます」「生憎お会いできます」など、ポジティブな文脈のときに使うことはありません。
「生憎」の例文
- 生憎ですが、その日は予定が入っており出席できません。
- 生憎の空模様ですね。
- 生憎山田は外出しております。
- 生憎持ち合わせがございません。
「生憎」の類語
「生憎」に似た言葉には次のようなものがあります。
- 残念ながら
- 折悪しく
「残念ながら」は「そうしたいのですが、都合がつかずすみません」というようなニュアンスで、断りの際に使える表現です。
「折悪しく」であれば「タイミングが悪く」というような意味になります。
【例文】
- 誠に残念ながら、欠席させていただきます。
- 折悪しく雨が降ってきました。
ビジネスメールでの丁寧な断り方は?
さて、ビジネスシーンでは、「何かを断る」場面も出てきますよね。
「生憎」はメールなどで断るときにも便利な言葉なので、ぜひ覚えておきましょう。
何かを断るとき、業務上の重要度などではっきりと理由を知らせた方がいい場合はもちろん詳しく説明をするべきです。
ですが、そうでない場合は「◯◯の予定が入っているので」などと詳しい理由を伝える必要がなかったり、ときにはそれがかえって優先順位を伝えることになって失礼にあたることもあります。
そのようなときは「生憎」を使うことで、理由を明確にしすぎず、かつ申し訳ない気持ちを伝えることができます。
また、前後の文章でも誘っていただいたことや提案してくれたことへのお礼を述べるなどするとよいでしょう。
ビジネスでの例文
- この度はお声がけありがとうございます。折角のお誘いですが、生憎先約があり参加することができません。
- 昨日ご連絡いただいた打ち合わせの日程ですが、◯日は生憎出張の予定でして、お伺いすることができません。つきましては……
「生憎」をうまく使って、相手を嫌な気持ちにさせないような丁寧なお断りのメールを書きましょう。
まとめ
「生憎」は、断りの際などに使うと申し訳ない気持ちを伝えることができる言葉でした。
このような言葉を「クッション言葉」と言います。
「生憎」を使うことで、はっきりとした断りのメールにも優しさや丁寧さが加わりますね。
ぜひ「生憎」を使って、円滑に物事を進めていきたいものですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!