言葉の意味と使い方

「あからさま」の意味と使い方!語源や言い換え表現も解説【類義語・例文つき】

「あからさま」の意味と使い方!語源や言い換え表現も解説【類義語・例文つき】

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

「あからさまに○○する」

この「あからさま」という言葉、よく耳にするのではないでしょうか。

会話の中や、新聞・ニュースなどにもでてきますよね。

だいたいの意味はわかっているという人も多いかもしれませんが、改めて考えてみると、「あからさま」とは何なのか、きちんと知っている人は少ないのではないでしょうか。

今回は、「あからさま」の意味と使い方!語源や言い換え表現も解説【類義語・例文つき】についてご説明いたします!

「あからさま」の意味

「あからさま」は「包み隠さずあきらかなさま」という意味です。

他にも「物事が急に起こるさま」「一時的なさま」「かりそめにも。まったく」などの意味もありますが、いずれも古語・文語であり、現代では使われなくなりました。

「あからさま」は包み隠さないであえてありのままはっきり出すさまという意味で使われる言葉です。

「如実に表れる・現れる」正しいのはどっち?「如実」の意味と使い方!【類義語・例文】
「如実に表れる・現れる」正しいのはどっち?「如実」の意味と使い方!【類義語・例文】「如実にあらわれる」は「実際のままにあらわれる」という意味の言葉です。 あまり口語的ではないかもしれませんが、文章の中やビジネスシ...

「あからさま」の語源

「あからさま」は包み隠さずはっきり表すさまのことですね。

「あから」というのが「明らか」と似ているのでなんとなくそういう意味だろうと想像はつきそうですよね。

ですが、「あからさま」の語源は、「あかる」という言葉なのです。

「あかる」は古語(ラ行下二段活用動詞)で、「離る・別る」と書きます。

これは「散り散りになる。別々になる」という意味です。

たくさんの人々が集まった場所から離れて別れていくということを指して使います。

また、「あからさま」の「さま」は状態(○○な様子)の「さま」ではなく、「狭間」(細い隙間。転じて、少しの間の意)からきています。

この「あかる」と「狭間」からできた「あからさま」は、「本来の場所から一次的に離れる」ということで、「少しの間。かりそめ」という意味で使われていました。

しかし、「あからさま」という音からはやはり「明るい」というイメージをしてしまうようで、「あからさま」は「明らさま」だという誤解が広まったため、現代のような「包み隠さない」「明白」というような意味になったのです。

「あからさま」の使い方

「あからさま」は「あからさまに……する」「あからさまな○○」「あからさまだ」といった形で、包み隠さず明らかにする様を指して使います。

そして、「あからさま」は本来隠しておくようなことを隠さずに明らかにする、という意味で使うところがポイントです。

例えば人に何か言われてムッとしたことを、マナーとしては顔に出さないようにすべきですが出している、という場合は「あからさまに不快な顔をする」と言います。

ですが、温泉に浸かって気持ちいい、など、普通は特に隠す必要はないようなことは「あからさまに気持ちよさそうにする」とはあまり言わないのです。

あるいは、自分からあえてみんなに知らせたいときにも「あからさまに○○する」ということがあります。

この場合も、「あからさまに自慢する」など、自慢して見せ付けるようなニュアンスになりますので、本来は明らかにする必要がないようなことである場合が多いでしょう。

「あからさま」の例文

  1. 彼はあからさまな嘘をつく。
  2. 彼女はすれ違いざまにあからさまに嫌な顔をした。
  3. お互いの年収などはあからさまに口に出すものではない。
  4. ここは私が奢ると言った途端に彼の態度があからさまに変わった。
  5. 彼を嫉妬させるため、他の男性と仲が良いところをあからさまに見せつける。
  6. 彼女にだけ連絡網を回さないなんてあからさまなイジメだ。

「あからさま」の類義語・言い換え表現

「あからさま」の類義語や言い換えには次のようなものがあります。

  • あらわ(むき出しであるさま。はっきりと見えるさま)
  • 露骨(感情などを隠さずに、ありのまま外に表すこと)
  • むきだし(感情や考えをあからさまに言葉や態度に表すこと)
  • 大っぴら(人目をはばからないさま)
  • 公然(他人に隠さずおおっぴらにするさま)
  • あけっぴろげ(つつみ隠すところがなく,ありのままを見せること)
  • 明け透け(包み隠さないさま)
  • 堂々と(なんの隠しだてもないさま。こそこそしないさま)
  • 大手を振って(こそこそしたり遠慮したりせずに、堂々と振る舞うこと)
  • 見え透いた(本心・結果などがよくわかるさま)

「あからさま」の対義語

「あからさま」の対義語には次のようなものがあります。

  • 暗に(はっきりとは表さないさま)
  • ぼんやり(はっきりしないさま)
  • なんとなく(言動などに、はっきりとした理由・目的がないさま)
  • そこはかとなく(なんとなく、どことなく)

まとめ

「あからさま」は本来は「少しの間。かりそめ」という意味で、それが転じて今の意味になったものでした。

元から「明らか」からできた言葉だと思っていた人も多いのではないでしょうか。

また、本来は伏せておきたいようなことをあえて明らかにするという意味で使われることが多いこともわかりましたね。

何かと使う機会のある言葉なので、正しく理解して使ってみましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
error: Content is protected !!