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「秋の日は釣瓶落とし」の意味と使い方!由来は?妖怪のつるべ落としとは関係ある?

「秋の日は釣瓶落とし」の意味と使い方!由来は?妖怪のつるべ落としとは関係ある?

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「秋の日は釣瓶落とし」

このような言い回しを耳にしたことがあるのではないでしょうか。

日常生活で、また天気予報などのテレビでも使われることがありますね。

この「秋の日は釣瓶落とし」とはどのような意味なのか、確認しておきましょう。

「つるべ落とし」という妖怪もいますから、関係が気になるところですね。

今回は、「秋の日は釣瓶落とし」の意味と使い方!由来は?妖怪のつるべ落としとは関係ある? についてご説明いたします!

「秋の日は釣瓶落とし」の意味

夕暮れ

「秋の日は釣瓶落とし」は、「秋の日暮れが早いことのたとえ」です。

「あきのひはつるべおとし」と読みます。

夏は夜の7時ごろでもまだ明るさが残っていたりして、日が暮れるのが遅いです。

しかし、秋になるとどんどん日没の時間が早まりますので、早い時間に暗くなってしまいますね。

また、あっという間に日が暮れてしまうように感じます。

その「秋は日が暮れ始めるとすぐに暗くなってしまう」ということを「秋の日は釣瓶落とし」と表現するのです。

「秋の日は釣瓶落とし」の由来は?

釣瓶落としの由来

「秋の日は釣瓶落とし」は、「秋の日は、釣瓶を落とすように一気に沈む」ということです。

「釣瓶」は若い人には馴染みのない言葉だと思います。

「釣瓶」は井戸の水を汲むための道具で、縄などを取り付けた桶のことです。

その桶を滑車を利用して井戸の底に向けて落とし、水を汲んでまた縄で上に引っ張り上げます。

今ではあまり井戸水を使うこともなくなりましたが、時代劇や戦争の頃の時代設定のドラマなどで見かけることがあるのではないでしょうか。

この釣瓶が一気に井戸の底に落ちていく様子で、秋の日暮れの速さを例えたのが「秋の日は釣瓶落とし」ということわざなんですね。

妖怪のつるべ落としとは関係ある?

妖怪つるべ落とし

「釣瓶落とし」は秋の日暮れが早いことのたとえでしたね。

それ以外にも妖怪の「つるべ落とし」というのがあります。

妖怪の「つるべ落とし」は、木の上から落ちてきて人を襲って食べてしまうというこわい妖怪です。

京都府や滋賀県、岐阜県、愛知県、和歌山県などに伝わる妖怪で、巨大な生首で、大木の梢などに潜み、下を人が通りかかるといきなり上から落ちてきて驚かせたり食べたりすると言われています。

木の上からドーンと落ちてくる動作が、井戸の釣瓶が落ちる様子に似ているということからこの名がつきました。

というわけで、「秋の日は釣瓶落とし」と妖怪の「つるべ落とし」は特に関係ありません

ただ、日暮れや妖怪の動作をどちらも井戸の釣瓶が落ちる様子で例えているという点が共通点とは言えますね。

「秋の日は釣瓶落とし」の使い方

「秋の日は釣瓶落とし」は、秋の日は暮れ始めるとあっという間に沈んでしまうということを例えて使う言葉です。

もちろん実際の釣瓶は一気にドボンと落ちて水を汲みますから、日暮れが釣瓶のように早いというのは誇張表現ですが、それぐらい早く感じられるということを表します。

「秋の日」の「日」は日付のことではなく、太陽、日暮の「日」のことですので、誤解のないように使いましょう。

「秋の日は釣瓶落とし」の例文

  1. 秋の日は釣瓶落としと言いますから、暗くならないうちに気をつけてお帰りください。
  2. まさに秋の日は釣瓶落としだ、あっという間に暗くなった。
  3. まだ5時なのにもう暗い、秋の日はつるべ落としだなあ。
  4. 秋の日は釣瓶落としですから、夕方の車の運転には気をつけてください。

「秋の日は釣瓶落とし」の類義語

「秋の日は釣瓶落とし」の類義語には次のようなものがあります。

  • 秋の日の鉈落とし(秋の日は急速に沈んでいくことのたとえ)
  • 急降下(物事の程度や数値が急に下がること)
  • 急転直下(様子が急に変わり解決・結末に向かうこと)

「秋の日は釣瓶落とし」の対義語

「秋の日は釣瓶落とし」の対義語には次のようなものがあります。

  • 春の日は暮れそうで暮れぬ(春になると次第に日が長くなること)

まとめ

「秋の日は釣瓶落とし」は、「秋の日暮れが早いことのたとえ」です。

夏はなかなか日が暮れなくて、明るい時間が長いですね。

そのため、なかなか日が暮れないなあという印象です。

それが秋になると、どんどん日暮れの時間が早まります。

また、なんだか日が沈み始めるとあっという間に真っ暗になってしまうなあと思わされます。

日本では秋になると日暮れが早くなるのは当たり前のことではありますが、それを井戸水を汲む釣瓶を落とすさまで例えたというのが面白いですね。

釣瓶が身近ではなくなった今でも、このことわざは引き続き使われ続けています。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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