季語

「秋近し」の意味や使い方とは?いつ頃の季語?俳句も紹介 

「秋近し」の意味や使い方とは?いつ頃の季語?俳句も紹介 

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「秋近し」という季語をご存じでしょうか。

様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「秋近し」について解説していきます。

改めて「秋近し」について基本的な意味はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。

「秋近し」を使った俳句もご紹介いたします。

「秋近し」の意味と読み方

「秋近し」とは、夏も終盤に近付き、空に見る雲の様子や風にそよぐ木々の様子から秋の訪れを近くに感じるという意味を持つ言葉です。

読み方は「あきちかし」です。

夏が終わってしまう事への一抹の寂しさと、実り多き秋が到来することへのワクワク感を同時に感じる事が出来る風情溢れる言葉なのではないでしょうか。

秋らしい雲へ変わっていく様子などから季節の移り変わりを察する、日本ならではの繊細な表現ですよね。

「秋近し」はいつの季語?

「秋近し」は俳句の世界では「晩夏」の季語となっています。

夏を通して使うことの出来る季語ではなく、夏の終わりごろである「晩夏」を俳句で表現したい場合に使う季語なんですね。

子季語には「秋隣」「秋の隣」「秋迫る」「秋風近し」などがあります。

どれもすぐそばまで秋が迫っている事を示しており、農作業などの観点から季節の移り変わりを重視している日本らしい言葉ですよね。

「秋近し」の類語

「秋近し」とほぼ同じ意味を持つ言葉として「夏深し」という言葉があります。

この「夏深し」も晩夏の季語であり、立秋を迎える前の18日間を指しています。

鰻が飛ぶように売れるシーズンでもあり、夏が最高潮に深まったことで秋の訪れを身近に感じるという意味の言葉なんですよ。

「秋近し」を使った俳句

秋近き心の寄るや四畳半
(あきちかき こころのよるや よじょうはん)
芭蕉

秋近し七夕恋ふる小傾城
(あきちかし たなばたこいふる こけいせい)
正岡子規

秋近き心遊ぶや沢の水
(あきちかき こころあそぶや さわのみず)
余子

秋近き塀に風ある住居哉
(あきちかき へいにかぜある じゅうきょかな)
内田百間

まとめ

季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。

春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。

季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。

日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。

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