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「雨の月」という季語をご存じでしょうか。
どこか秋らしい風景をも想像させる言葉ですが、一体どの季節の季語なのでしょう。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語は様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「雨の月」について解説していきます。
改めて「雨の月」について基本的な意味はもちろん、いつの季語なの?類語は?といった疑問にもお答えしていきます。
「雨の月」の意味と読み方
「雨の月」とは、お月見の風習で知られる「中秋の名月」が、雨のため見ることが出来ないという情景を表現した言葉です。
読み方は「あめのつき」です。
中秋の名月という、旧暦8月15日に見ることが出来る月を愛でる風習は平安時代に日本に伝来し、以来根強く親しまれてきました。
ピラミッドのように積まれたお月見団子を食べながら、月に住むウサギを探した記憶がある方も多いのではないでしょうか。
大人から子どもまで楽しめる中秋の名月の夜が雨模様となり、月が隠れてしまっているという寂しさと悲しさを感じる事が出来る言葉なんですよ。
「雨の月」はいつの季語?
「雨の月」は俳句を作るうえで「秋」の季語となっています。
秋の中でも中盤頃を指す「仲秋」の季語です。
雨月(うげつ)という仲秋の季語の子季語として「雨の月」があり、他には「月の雨」や「雨夜の月」などがあります。
月を見ることが出来なくても「雨の月」と表現する、日本人の表現力の高さが垣間見える言葉ですね。
「雨の月」の類語
中秋の名月が隠れてしまっているという意味を持つ「雨の月」の類語は多くあります。
- 「雨夜の月」
- 「曇る名月」
- 「雨名月」
などそのどれもが悪天候により月を眺める事が出来なかったという気持ちに満ち溢れています。
「雨の月」を使った俳句
傘の端のほのかに白し雨の月
(かさのはの ほのかにしろし あめのつき)
正岡子規
のれん入れてよりひと仕事雨の月
(のれんいれてよりひとしごと あめのつき)
鈴木真砂女
もの書いてしづかにをりぬ雨の月
(ものかいて しずかにおりぬ あめのつき)
山口青邨
けふの舟たはけ尽しや雨の月
(きょうのふね たはけつくしや あめのつき)
夕道
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。