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「今年は○○の当たり年だ」
このような「当たり年」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
果物や野菜、ワイン、また食べ物だけではなく台風や干支といったものについてもよく使われるこの「当たり年」という表現。
実は、適切なものと適切でないものがあるんですよ。
今回は、「当たり年 」の意味とは?台風に使うのは間違い?ワインや事故、干支に使うのは?についてご説明いたします!
目次
「当たり年」の意味
「当たり年」は、「農作物の収穫量が特に多い年」「特に良いことが多く思い通りになる年」という意味です。
「あたりどし」と読みます。
思った通りになることや、福引などが当選することなどを「当たり」と言いますよね。
「当たり」の年ということで、「当たり年」は収穫や利益が多い年、また、そこから転じて物事が思うようにうまくいく年、という意味になりました。
縁起が良い年、ラッキーな年という感じで、いい意味の言葉なんですね。
「当たり年」の使い方
「当たり年」は農作物などの収穫が多い年のこと、また、そこから物事が順調にいきラッキーな年という意味で使います。
また現代では、農作物などに限らず、良いものがたくさんできたり優れた人がたくさん現れたりする年という意味で広く使われています。
「今年は当たり年だ」などの使い方をします。
【例文】
- 今年は梨の当たり年で、この通りりっぱな実がたくさんできている。
- 今シーズンはヒラメの当たり年で次々に釣れる。
- 昇進もしたし恋人もできたし、今年は当たり年だ。
- 今年のサッカー部の一年生は優秀な選手が多く、当たり年だ。
- 今年はおもしろいドラマばかりで当たり年だ。
>>「報われる」と「救われる」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・対義語】
台風に使うのは間違い?
「今年は台風の当たり年だ」
このような使い方をされることがよくあります。
ですが、「当たり年」を台風に使うことは間違いです。
「当たり年」は縁起の良い年、幸運に恵まれた年という意味ですので、台風や地震、洪水、津波その他、災害にみまわれることを「当たり」と表現することは間違いなのです。
台風がいくつも日本列島を通過した年を、台風に何度もぶつかるという意味で「当たり年だ」と言っているわけですが、言葉の意味を考えるとかなりおかしいですね。
被災地、被災者に対しても失礼ですし、不適切ですのでNHKなどのニュースや新聞では避けられる表現です。
非常によくある間違いなので、気をつけたいですね。
ワインや事故、干支に使うのは?
「当たり年」を台風などの災害を表現する時に使うことは不適切でしたね。
「当たり年」はそのほかにも色々なものについて使われていますので、もう少し確認しておきましょう。
ワインの「当たり年」
「ワインの当たり年」という表現があります。
これは間違いではありません。
「ワインの当たり年」は、ブドウの栽培に適した天候で、品質のよいブドウが収穫されて美味しいワインができた年、ということです。
「当たり年」のワインは品質が良い、逆に「当たり年」ではない「外れ年」のワインは品質が悪いということで、ワインは同じ名前のものでも作られた年によって値段や人気が全く違ってきます。
天候やブドウの質が良い年、といういい意味ですので「ワインの当たり年」は適切な表現です。
事故の「当たり年」
これはもうお分かりでしょう。
事故について「当たり年」ということは不適切です。
よく事故が起こる年、何度も事故にあう年などを「当たり年」と言っているわけですが、「当たり年」の本来の意味からははずれていますね。
干支の「当たり年」
自分が生まれた年と同じ干支の年を迎えた人のことを「年男・年女」と言います。
この時、「今年は当たり年だ」などと表現することがあります。
この干支の「当たり年」は、12年に一度の縁起のいい年なので「当たり年」と言われています。
ですが、地域などにより、年男や年女は縁起が悪いという意味で「当たり年」と言うこともあります。
干支の「当たり年」は間違った言葉ではないですが、縁起がいいのか縁起が悪いのか、どちらの意味で使われているのかはその時の状況次第といったところでしょう。
「当たり年」の類義語・言い換え表現
「当たり年」を他の言い方にするなら次のようなものがあります。
- 豊年(農作物の実りが多い年)
- 生り年(果実が良くなる年)
- 豊作の年
- 幸運に恵まれた年
- 縁起のいい年
「当たり年」の対義語
「当たり年」の対義語には次のようなものがあります。
- 凶年(農作物の実りの悪い年)
- 外れ年(ワインなどで、天候に恵まれず品質の良いものができなかった年)
- 凶作の年
- 縁起が悪い年
まとめ
「当たり年」はもともとは農作物などがたくさんとれる年、そこからよいものがたくさん生まれる年、良いことが起こって思い通りに進む年、といった意味で使われるようになった言葉です。
縁起がいい、幸運といういい意味の年のことですので、農作物やワイン、そのほかいいものや優れた人がたくさん現れるということを指して使うのは適切です。
ですが、台風などの災害について「当たり年」を使うことは不適切です。
「当たり年」は使い方に気をつけてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!