言葉の意味と使い方

「蔑視」と「軽視」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・対義語】

「蔑視」と「軽視」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・対義語】

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「蔑視」と「軽視」は、どちらも人や物事を低く見るような意味で使われる言葉です。

ニュースで取り上げられることも多く、例えば政治家や芸能人などの権力や影響力のある人が、「女性蔑視」や「女性軽視」の発言をすると批判が殺到する、などの例があります。

ニュースやワイドショー、またSNSでの炎上など、さまざまな場面で問題になることが多く、混同して同じように使われることも多い「蔑視」と「軽視」ですが、意味の違いがありますので確認しておきましょう。

今回は、「蔑視」と「軽視」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・対義語】についてご説明いたします!

「蔑視」と「軽視」の違いは?


「蔑視」と「軽視」は、どちらも相手を低く見るような意味で使われていますね。

この「蔑視」と「軽視」の違いは、簡単にまとめると

  • 「蔑視」は「見下すこと」
  • 「軽視」は「軽く考えること」

となります。

それぞれの意味や使い方、違いを以下で詳しく見ていきましょう。

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「蔑視」の意味と使い方

「蔑視」は「見下げること。蔑むこと」という意味です。

「べっし」と読みます。

「蔑」は「蔑む(さげすむ)」という字で、「さげすむ」「あなどる」などの意味があります。

「軽蔑(馬鹿にして蔑む)」「侮蔑(人を侮りないがしろにする)」など、かなり悪い意味の熟語によく使われる漢字ですね。

「蔑視」はその「蔑」の見方をするということですので、相手を侮って見下すという悪い意味の言葉です。

「蔑視する」「女性蔑視(女性らしさや女性に対する嫌悪や蔑視のこと」などの使い方をします。

例文で使い方を確認しておきましょう。

【例文】

  1. 彼は女性蔑視と受け取れる発言をした。
  2. 外国人を蔑視した表現に批判が殺到した。
  3. 彼らを蔑視するつもりはなかったのだが、誤解されてしまった。
  4. 職業によって蔑視するなどあってはならないことだ。

このように、差別したり見下したりして、相手を馬鹿にして侮辱するような見方のことを「蔑視」と言います。

「軽視」の意味と使い方

「軽視」は「軽く見ること」という意味です。

「けいし」と読みます。

「軽く」「視る」という文字通りの意味ですね。

軽く考えて、取るに足らないものであるとしてその価値や影響力を認めないということを表します。

これも悪い意味の言葉ですね。

「軽視する」などの使い方をします。

【例文】

  1. あのアニメは人命を軽視しているとして批判されている。
  2. 手洗いの重要性を軽視してはいけない。
  3. たかがめまいと考えていると、思わぬ病気が隠れていて命に関わることもあるので軽視せずに受診したほうがいい。
  4. 彼女はスタッフを軽視している。

このように、物事や相手を軽くみて大したものではないと考えることを「軽視」と言います。

「蔑視」と「軽視」の違い

「蔑視」も「軽視」も、相手や物事を自分より低く見る意味の言葉でしたね。

どちらも悪い意味の言葉なのですが、この違いを再度まとめると

  • 「蔑視」は「あなどって見下すこと」
  • 「軽視」は「軽く見ること」

となります。

「蔑視」は相手を蔑んで見下します。

「蔑む」とは、自分より能力や人格が劣っていて、価値が低いものであるとして見下すことです。

「蔑視」はこの「蔑む」と言う意味がある言葉です。

一方、「軽視」は相手を「軽く見る」ということです。

軽く見るというのは、相手に影響力がない、重要な存在ではないと考えることです。

「蔑視」との違いは、「見下す」「侮辱する」というような意味はないという点です。

例えば

  • 「女性蔑視」は「女性を、男性よりも劣ったものであるとしてその人格や能力を馬鹿にして蔑む」ということ
  • 「女性軽視」は「女性の存在を軽くみて、男性の社会に影響を与えるような重要な存在ではないと考える」ということ(蔑むという意味はない)

という違いになります。

ですので、「蔑視」は差別したり見下したりするときに使いますが、「軽視」は「忠告を軽視する」とか「手洗いを軽視する」というような使い方もできるのです。

「蔑視」も「軽視」もネガティブな意味では用いられますが、「蔑視」の方が蔑む意味がある分、より悪い言葉だと言えるでしょう。

「蔑視」の類義語と対義語

「蔑視」の類義語と対義語には次のようなものがあります。

【類義語】

  • 軽蔑(ばかにすること)
  • 蔑む(あなどり軽るんずる)
  • 賤しめる(卑しめる)
  • 侮蔑(見下し蔑むこと)
  • 軽侮(人を馬鹿にして見下げること)
  • 侮辱(見下し蔑むこと)

【対義語】

  • 尊敬(その人を敬うこと)
  • 重視(重要なものとして扱うこと)

「軽視」の類義語と対義語

「軽視」の類義語と対義語には次のようなものがあります。

【類義語】

  • 軽んじる(軽く扱う)
  • 無視(存在価値を認めないこと)
  • 黙殺(問題にせず無視すること)
  • なおざり(いいかげんにしておくこと)
  • ないがしろ(あってもないもののように軽んじること)

【対義語】

  • 重視(重要なものとして扱うこと)
  • 注視(関心を持ってじっと見つめること)
  • 敬重(敬い大事にすること)
  • 礼賛(崇め讃えること)

まとめ

「蔑視」と「軽視」の違いはおわかりいただけたでしょうか。

相手を侮って見下すのが「蔑視」、相手を軽く扱うのが「軽視」ということで、違いはありましたね。

どちらも人に対して行うにはよくないことですが、使うときにはそれぞれの言葉の意味をしっかり理解して使い分けてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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