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「重畳」の意味や使い方と由来!「重畳至極」とは?【類義語・例文つき】

「重畳」の意味や使い方と由来!「重畳至極」とは?【類義語・例文つき】

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「重畳」という言葉を知っていますか?

普段の生活の中ではあまり聞く機会がないかもしれませんね。

ビジネスシーンの中でも改まった場面や文章、あとは小説や時代劇などでは時々使われる言葉です。

読み方や意味を知らないという人も多そうですので、この機会に知っておいてはいかがでしょうか。

今回は、「重畳」の意味や使い方と由来!「重畳至極」とは?【類義語・例文つき】についてご説明いたします!

「重畳」の意味

「重畳」は「幾重にも重なること」「この上もなく喜ばしいこと」という意味です。

「ちょうじょう」と読みます。

「重い」と「たたみ」という字なので、難しい字ではないですが読み方に迷ってしまう人も多そうです。

読み間違えたり、漢字で書いてあったときに読めなかったりということがないよう、「ちょうじょう」と言う読みもしっかり覚えておきましょう。

「重畳」は幾重にも重なっていること、あるいはこの上なく喜ばしい、きわめて満足ということを表す言葉です。

「重畳」の使い方

「重畳」は「幾重にも重なっていること」「きわめて満足なこと」という二つの意味があります。

どちらにしても、普段の気軽な会話などではまず使いませんよね。

かなりかしこまった場面や改まった文章の中で使うような言葉です。

時代劇などでも使われていることがあります。

ビジネスシーンで頻繁に使うとは言えないかもしれませんが、改まった場面で使うこともありますので、ぜひ例文で使い方を確認しておきましょう。

「幾重にも重なること」の意の例文

  1. 山脈が重畳と連なっている。
  2. 重畳たる灰色の雲が立ち込めている。
  3. 撮影した映像に様々なCGを重畳して現実にはあり得ないような景色を作り出す。

「重畳たる」(幾重にも重なった)「重畳する」(幾重にも重ねる)などの言い回しで使うことが多いです。

「きわめて満足なこと」の意の例文

  1. それはでかした、重畳、重畳。
  2. めでたく終わって重畳の至りだ。
  3. 大変な仕事だったが、無事に終わって重畳だ。

「重畳」の由来

さて、「重畳」と言う言葉の由来を確認しておきましょう。

「重い」と「畳」という漢字で、上記のような意味になるのが不思議な感じがしますよね。

「重畳」の由来の一つは、やはり「畳が重なること」なのです。

昔は畳というのは高級品でした。

平安時代の貴族とか、江戸時代でもお殿様のような人だけとか、限られた階級の人だけが使えるものだったわけです。

そのような高級な畳を重ねることができるというのはものすごい富とか、すごい出世ということを意味していますので、ここから「この上もなく喜ばしい」「極めて満足」というめでたい意味になったのです。

もう一つの由来は、それぞれの漢字の意味です。

「重」はもちろん「重なる」という意味があります。

そして、「畳」という字にも「たたみ」の他に「たたむ。かさねる。かさなる」といった意味があります。

つまり「重」も「畳」も「重なる」という意味で、似た意味の漢字を二つ重ねて「幾重にも重ねる」という意味になったというものです。

同じ「重畳」でも、由来もふた通りあるので、意味もふた通りなんですね。

「重畳至極」とは?

重畳至極とは

「重畳」を使った言葉に「重畳至極」があります。

「重畳至極」とは「大変喜ばしいこと」という意味です。

「ちょうじょうしごく」と読みます。

「至極」というのは「この上ない」「極めて」という意味の言葉です。

ですので、「重畳」をさらに強調するような意味になるわけです。

「重畳至極」はかなりかしこまった表現ですが、さらに気をつけたいのは目上から目下に向けて使う言葉だということです。

それこそ時代劇でお殿様が「重畳至極じゃ」などと言ったりします。

あまり現代の生活の中では使う機会はないかと思いますが、どんな機会に見聞きするかわかりませんから、知識として覚えておくとよいでしょう。

「重畳至極」に似た言葉に「恐悦至極(きょうえつしごく)」があります。

こちらもかなりかしこまった言葉なので、時代劇や改まった文章の中で使うような言葉です。

ビジネスシーンでも、かなり改まった表現として目上の人との会話には使う機会もあるかもしれません。

「恐悦至極」は「この上なく喜ぶことを表す、かしこまった表現のこと」です。

同じ「この上なく喜ばしい」という意味でも、

  • 「重畳至極」は目上から目下に対して使う
  • 「恐悦至極」は目下から目上に対して使う

という違いがあります。

つまり間違って目上の人に「重畳至極です」と言うと、かなり失礼になるわけですね。

後半が同じ「至極」なので間違えやすいかもしれないですが、気をつけましょう。

「重畳」の類義語

【「幾重にも重なること」の意の類語】

  • 度々(同じことがなんども繰り返されるさま)
  • 再三(二度も三度も)
  • 幾重にも(なんども重ねて)

【「きわめて満足なこと」の意の類語】

  • 慶事(祝い事。めでたいこと)
  • 吉事(めでたいこと。縁起がいいこと)
  • めでたい(祝うべきことだ。喜びに満ちた状態だ)

まとめ

「重畳」は「幾重にも重なる」という意味と、「この上なく喜ばしい」という意味がある言葉でした。

今まで使う機会がなかったという人も多そうです。

いざという時に意味がわからないと困ってしまいますよね。

ぜひこの機会に覚えておきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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