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「縁故」の意味とは?「縁故採用」と「コネ入社」の違いとは?【類義語・例文】

「縁故」の意味とは?「縁故採用」と「コネ入社」の違いとは?

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「縁故採用」

この「縁故」という言葉に、どのようなイメージを持ちますか?

ちょっと悪いイメージを持っている人も多そうな言葉ですが、そもそも「縁故」とは何なのでしょうか?

また「コネ入社」とはどう違うのでしょうか?

よく聞く言葉ですが、意外と実態がわからない「縁故」、この機会にしっかり確認しておきましょう。

今回は、「縁故」の意味とは?「縁故採用」と「コネ入社」の違いとは?についてご説明いたします!

「縁故」の意味

「縁故」は「血縁・姻戚などによるつながり。またその人」「人と人との特別なかかわりあい」という意味です。

「えんこ」と読みます。

血の繋がりがあるという意味と、血は繋がっていなくても何らかの特別な繋がりがあるという意味があるわけです。

自分の目的を達しようとするときに、頼りにできるような(血縁関係などの)つながりという意味で使います。

親戚関係の他には

  • 地元有力者の紹介
  • 同郷、同窓など
  • ゼミの教授の紹介
  • 親などの友人

といった関係性があげられます。

就職や転職の時などに頼りにできるような繋がり、と理解するとわかりやすいでしょう。

「縁故」の例文

  1. 親の縁故で就職が決まった。
  2. あの会社は縁故採用が多い。
  3. 私には学歴も有力な縁故もないので就職が難しい。
  4. 彼女は国内に縁故者がいない。

「縁故採用」と「コネ入社」の違いとは?

「縁故」は何かをするとき、特に就職するときなどに有力な人との繋がりという意味で使う言葉なので、「縁故採用」「縁故入社」などという言葉がよく使われます。

また、「縁故採用」と同じように、特別に口利きしてもらって入社したようなことを「コネ入社」と言いますよね。

「縁故採用」と「コネ入社」の違いは、

  • 「縁故採用」は「企業が求職者を雇用する際に、その企業と何らかの関わりがあることを採用の条件とすること」
  • 「コネ入社」は「能力や適性などではなく、個人的なコネクションを通じて企業に入社すること」

となります。

「縁故採用」が雇用する側からの説明になっていて、「コネ入社」は入社する側からの説明になっている点が違いますね。

ですが、「縁故」と「コネ」はどちらも特別な繋がりという意味があって、それによって採用や入社をするということですから、やっていることはほぼ同じと言ってよいでしょう。

「コネ」は「コネクション」の略で、「縁故。親しい関係」という意味の言葉です。

「縁故」と「コネ」は意味は同じなわけですが、ニュアンスの違いはあります。

「縁故」は特に血縁・姻戚関係による繋がりを指すことが多いです。

「コネ」は親戚関係でなくても、何かの繋がりがあるという広い意味で使われることが多いです。

また、「コネ」の方が進学や就職などの時に便宜をはかってもらうというような、ちょっとずるい感じの意味で使われることが多いようです。

「縁故採用」のメリットとデメリット

「縁故採用」というと、何だかズルして雇ってもらうみたいな悪いイメージがあるかもしれません。

ですが、「縁故採用」は悪いばかりのものではありません。

「縁故採用」のメリットは

  • 採用される側……試験などで落とされず採用してもらえる可能性が高い、入社後も良い待遇や将来の出世が約束されている場合がある
  • 採用する側……家庭環境や人格などをあらかじめ把握できる、入社試験などの手間や経費を省ける

「縁故採用」のデメリットは

  • 採用される側……辞めたくなっても紹介者の手前退職しづらい、周囲の目にストレスを感じる
  • 採用する側……求める人物像と違う場合でも雇わざるを得ない場合がある、解雇しづらい、縁故採用を不公平だと言われる

と言ったことが挙げられるでしょう。

「不公平」というイメージがあるかもしれませんが、「縁故採用」は民間企業に関しては、特に法律上などでも禁止、規制されるものではありません。

「縁故採用」は禁止としている企業もあれば、「縁故採用」を進んで行っている企業もあります。

「縁故」の類義語

「縁故」の類義語には次のようなものがあります。

  • 縁者(縁続きの人。親戚)
  • 縁続き(親類関係にあること)
  • 身寄り(親族。縁者)
  • コネ(コネクションの略。縁故。親しい関係)
  • つて(自分の希望を達するための手がかり。縁故)
  • 手蔓(頼りにすることのできる特別の関係)

「親戚」という意味と、「特別の関係」という意味がありますので、状況に応じて使い分けましょう。

「縁故」の対義語

「縁故」の対義語は特にありません。

「縁故採用」ではないということを言いたいならば、「実力で合格した」とか「公平に採用した」とかいうことになるでしょうね。

まとめ

「縁故」についておわかりいただけたでしょうか。

「縁故」は親戚関係や、その他強いつながりがあることを表す言葉でした。

「縁故」で採用したりされたりすることも、必ずしも悪いわけではありません。

ですが、社員が「縁故」ばかりというのも考えものですよね。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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