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突然ですが、「布石」と「伏線」の違いがわかりますか?
「布石を打つ」「伏線を張る」などとよく使われる表現です。
どちらも「後のことのために何かやる」ような意味ですよね。
似たような印象の「布石」と「伏線」ですが、この二つの間には意味や使い方に違いがあるんです。
状況に適した方を使えるように、それぞれの意味や違いを確認しておきましょう。
今回は、「布石」と「伏線」の意味と違いは?【布石を打つ・伏線を張る】についてご説明いたします!
「布石」の意味
「布石」は「ふせき」と読みます。
この場合は「ぬのいし」ではないので気をつけてくださいね。
「布石」とは、「将来のために配置しておく備え」という意味です。
「布」は「配置する」という意味があり、「石」は「碁石」を意味します。
もともとは囲碁用語で、序盤戦での要所要所への石の配置のことを「布石」と言います。
それが囲碁以外のことにも一般的に流用されて用いられるようになりました。
囲碁の試合で、展開を予想して先回りした手を打つことから、将来に起こることを予想して準備しておくことを意味するようになったんですね。
囲碁からきているので、「布石」は「布石を打つ」という形で使われることが多いです。
例文
- 将来独立起業するための布石を打っておいた。
- このような経験をつむことが将来への布石となるのである。
- 業績回復への布石を打つ。
- あの発言が新党結成へ向けた布石だったのだ。
「布石」は囲碁用語からきているので、「布石を打つ」と使うことが多いです。
たまに「布石を置く」「布石を投じる」などと使われていることがありますが、これは不適切です。
「伏線」の意味
「伏線」は、「小説や戯曲などで、のちの展開に備えてそれに関連する事柄をほのめかしておくこと」「後のことがうまくいくようにまえもってそれとなく用意しておくこと」という意味です。
ちなみに読み方はそのまま「ふくせん」です。
なぜか「ふせん」と読み間違えている人がたまにいますので、気を付けましょう。
さて、「伏線」の最初の意味は小説やドラマ、漫画などを例に考えてみると分かりやすいと思います。
何か事が起こったり、事件が解決したりしたときに、「ああ、あれはこのことだったのか!」と後からわかるような内容の事を「伏線」と言います。
よく推理小説やサスペンスドラマのレビューなどで「あの場面で巧妙に伏線が張られていた」などと言いますよね。
また、二番目の意味のように、ストーリー性のあるものに限らず、一般的にも「後のためにそれとなく準備しておく」という意味で用いられる表現です。
【例文】
- あの場面で主人公の行動に伏線が敷かれていたわけだ。
- このシーンが最終話の伏線だったとは。
- 伏線が張りめぐらされたミステリー小説。
- 後で承知せざるを得ないように、会話の中で伏線を張っておいた。
「伏線」は「張る」、「敷く」と使われる事が多いです。
「伏線を張る」「伏線を敷く」、どちらも同じ意味です。
「敷く」と音が似ているので、「伏線を引く」という人がいますが、これは間違いです。
また、「ふせん」と読み間違えた上に「付箋を貼る」と書いている人がいたりしますが、これは全く別の意味(文字通り付箋を貼り付けているということ)になってしまいますよね。
「布石」と「伏線」の違い
さて、「布石を打つ」も「伏線を張る」も、どちらも先の事に対して準備する」ような意味でしたね。
とても似ていますし、同じように使われている事も多いこの二つの言葉ですが、実は違いがあります。
布石
「布石」は、将来に備えての準備のことです。
計画通りに物事を進めていけるように準備を整えておくということで、何かの事業やプランのようなものについていう時に使う言葉です。
伏線
一方「伏線」は、後に起こることをほのめかすという意味が強いです。
はっきりと「これは後でこうなるための準備です」というのではなく、それとわからないようにさりげなく予告するということです。
伏線の方が「伏せる」という漢字が使われているので「伏せておく、気づかれないようにする」と覚えておくとよいのではないでしょうか。
まとめ
「布石」と「伏線」、どちらも同じような印象の言葉だったかもしれません。
でも、結構意味が違うということがお分かりいただけたでしょうか。
これで「布石を敷く」とか「伏線を打つ」とか、混同してしまうこともないと思います。
ぜひ自信を持って使ってみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!