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「誤謬を正す」
「誤謬を犯す」
この「誤謬」という言葉はあまり会話の中では使わないような言葉ですね。
ですが、ビジネスシーンやニュースでは時々出てくると思います。
「合成の誤謬」という言葉も、経済学を学ぶ人や、ビジネスマンなら見聞きしたことがあるかもしれません。
「誤謬」はちょっと難しい印象の言葉ですが、シリアスなシーンで出てくるような言葉ですから、しっかり意味を理解して、出てきても困らないようにしておきたいですね。
今回は、「誤謬」の意味と使い方!「合成の誤謬」とは?【例文つき】についてご説明いたします!
「誤謬」の意味
「誤謬」は「まちがえること。まちがい」という意味です。
「ごびゅう」と読みます。
「まちがい」と言っても、言い間違えや人違い、なぞなぞに不正解するというような間違いではなく、「考えや知識などの誤り」という意味で使います。
「誤謬」の「誤」は「あやまる」という意味ですよね。
「謬」も難しい漢字ですが、「あやまる」という意味があります。
この「誤」と「謬」という、誤る意味の漢字を二つ重ねた「誤謬」はそのまま誤りという意味になります。
「誤謬」の使い方
「誤謬」は考えや知識に関する間違いという意味で使います。
難しい印象の言葉ですね。
「誤謬」は「間違い」という意味ですから、会話の中などでは「間違い」と言えば通じるわけですが(笑)、
ビジネスなどかたい場面で使う文書、また書物の中などではこうした言葉を使います。
心理学や経済学など、学問に関する文献の中などでもよく使われます。
例文で使い方を確認しましょう。
「誤謬」の例文
- この論文には多くの誤謬が含まれている。
- 誤謬を正す。
- 彼は誤謬を指摘され黙り込んでしまった。
- 専門家でも誤謬を犯すことがある。
「合成の誤謬」とは?
「誤謬」を使った言葉で、「合成の誤謬」というのを見聞きしたことはないでしょうか?
「合成の誤謬」とは、「ミクロの視点では正しいことも、それがマクロではよくない結果になってしまう」ということを指す経済学の用語です。
個人や一企業といった個々(ミクロ)にとって、こうするのが正しい!と思って何かを行います。
ですが、それが社会全体、経済全体(マクロ)を見たときに、非合理的な行動となってしまい、思っていたのとは違う結果を出してしまいます。
ミクロ的にはよくてもマクロ的には悪い結果になってしまうということですね。
これを「合成の誤謬」と言います。
ミクロ的にいいことだから、マクロ的にもいいことなんじゃないかと間違って考えてしまうから「誤謬」という言葉を使うわけです。
わかりやすい例を挙げると、
景気が悪化してきた。
↓
貧乏になりたくないし、豊かな暮らしをしたいので人々は節約をして貯蓄を増やそうとする。
↓
人々が節約をすると、消費の低迷を招く。
↓
景気がさらに悪化する。
これは「合成の誤謬」の代表的なもので、「貯蓄の逆説」と言います。
個人のレベルでは豊かになろうとして貯蓄をしますよね。
それが、社会全体の景気をさらに悪化させてしまうという結果につながってしまうのです。
他にも、
景気悪化のため個々の企業がリストラをしたり設備投資を減らしたりして経費節減をする。
↓
企業経営がいっそう困難になり、社会全体もさらに景気悪化する。
景気が悪化して個々の企業が商品の値下げをする。
↓
みんなが値下げするので経済全体のデフレスパイラル、経済活動縮小を招く。
などのことが考えられます。
いずれも景気が悪くなったらコストカットをしたり値下げしたりするのは、個々の企業にとっては当然の判断ですが、それを社会全体で見たときに余計に景気悪化を進めてしまう結果になるのです。
「合成の誤謬」、恐ろしいですね。
現実的には企業が「景気が悪いけれど、ここはマクロの視点で考えて、じゃんじゃんコストをかけよう!」なんていう判断はできないわけで(笑)、「合成の誤謬」をどうやって回避するかというのはとても難しい問題なのです。
「誤謬」の類義語
「誤謬」の類義語には次のようなものがあります。
- 間違い(正しいものと食い違うこと)
- 誤り(正しくないこと)
- 過失(不注意でしでかす思わぬ過ち)
- 錯誤(あやまり、間違い。事実と観念が一致しないこと)
- 過ち(やりそこなうこと)
- 瑕疵(きず。欠点)
- ミステイク(失敗。間違い)
「誤謬」の対義語
「誤謬」の対義語は
- 訂正(言葉や文字の間違ったところを直すこと)
- 修正(不十分なところや間違っているところを正しく直すこと)
です。
まとめ
「誤謬」は「間違い」という意味の言葉です。
いい意味の言葉ではありませんが、「誤謬」に気づいたり「誤謬」について考えたりすることも大事なことです。
確かに、普段の会話ではわざわざこうした難しい言葉を使う必要はないかもしれません。
ですが、仕事をしていく上ではぜひこのような言葉も知って語彙を増やしていきたいところですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!