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「○○をご持参ください」
よく見聞きする言い回しですが、実はこの「ご持参ください」は誤用ではないかと言われることが多いんです。
一般的に用いられている言い方ですが、本当は間違っているのでしょうか。
だとしたら、どのような言い方にすると正しいのでしょうか。
文化庁の敬語の指針を確認して正確に知っておきたいですね。
今回は、「ご持参ください」は敬語として間違い?意味と正しい言い方は?についてご説明いたします!
目次
「ご持参ください」の意味
「ご持参ください」は、相手にあるものを持ってきてほしい、あるいは持っていってほしいということを意味する言葉です。
「ごじさんください」と読みます。
「ご」は丁寧の「ご」です。
「持参」は「品物や金銭を持っていくこと、持ってくること」という意味の言葉です。
「ください」は「○○ください」の形で使う補助動詞で、何かをお願いする時の丁寧な言い方です。
この三つが合わさっていますので、「ご持参ください」は、相手に何かを持っていってほしい、持ってきてほしいということを丁寧に表したものとして使われています。
【例文】
- 資料をご持参ください。
- 筆記用具をご持参ください。
「ご持参ください」は敬語として間違い?
「ご持参ください」は誤用ではない!
「ご持参ください」は敬語として間違いであると言われることが多いのです。
ですが、結論から言うと、「ご持参ください」は誤用というわけではありません。
なぜ「ご持参ください」が誤用であると言われるのかには次のような理由があります。
- 「ご持参」と「ください」が両方尊敬語なので二重敬語?
- 「ご持参」の「持参」は「参る」という謙譲語が含まれているので相手の行為に使うのは不適切?
「ご持参ください」は二重敬語?
まず一つ目の二重敬語についてですが、
「ご」と「ください」を一緒に使うことは問題ないとされています。
「ご確認ください」とか「ご覧ください」など、一般的に使われていますよね。
「ご~ください」は一つの尊敬表現として使われます。
ちなみに、「ご~してください」になると、「ご~する」という謙譲語に「ください」という丁寧・尊敬語をつけているということになってしまい誤用となります。
ですから、「ご持参してください」は間違いということですね。
少しの違いですが、「ご連絡してください」とか「ご確認してください」などビジネスシーンでも使ってしまいがちですので気をつけたいですね。
「ご持参」は謙譲語?文化庁の指針は?
そして二つ目の「ご持参」が謙譲語ではないかということについてです。
確かに「参る」という字が含まれていますし、自分が何かを持っていく時にも「持参いたします」などと使いますので謙譲語のように思えます。
非常にややこしいのですが、これは文化庁の指針でも例えば「ご持参」や「お申し出」の中の「参る」や「申す」は謙譲語Ⅱとしての働きは持っていないとされています。
ですので、相手方の行為について使っても問題ないのです。
ただし、「ご持参」が気になる場合は「お持ちください」などに言い換えることが提案されています。
「ご持参ください」の言い換え表現
「ご持参ください」でも間違いではないとはいえ、気になる人も多いので他の言い方に変えた方が無難です。
- お持ちください
- お持ちいただく
といった形が考えられます。
「ください」は「くれ」の尊敬語です。
「持って(行って・来て)くれ」を尊敬語にしたものということですね。
より丁寧にしたいときは
【丁寧にしたい時】
- お持ちくださいますか
- お持ちくださいますよう(お願いいたします)
などの形にすることも考えられます。
「いただく」は「もらう」の謙譲表現です。
「持って(行って・来て)もらう」を敬語で表したものということです。
これもさらに丁寧にするには
【さらに丁寧にしたい時】
- お持ちいただけますか
- お持ちいただきますよう(お願いいたします)
- お持ちいただきたく(存じます)
といった形にできます。
まとめ
「ご持参ください」は、何かを持っていってほしい、持ってきてほしいということを丁寧に表す言葉です。
文化庁の指針でも使って問題ないとされていますが、「持参」は「持って参る」という謙譲語であるため敬語として不適切であるという考え方もあります。
そのため、「ご持参ください」は誤用とは言えませんが、ビジネスシーンなどではあまり使わないようにしたほうがよいでしょう。
「お持ちください」などの表現にしておくと安心です。
最後までお読みくださりありがとうございました!