言葉の意味と使い方

「拝借」の意味と使い方!知恵を借りたい時・お願いする時のメール例文や件名

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

「拝借」という言葉はちょっと堅苦しい感じがしますのであまり気軽な日常会話では使いませんよね。

ですが、丁寧な言葉なのでビジネスシーンではとてもよく使われます。

いろいろな物を借りるときに使う言葉なので、ぜひ覚えておきましょう。

今回は、「拝借」の意味と使い方!知恵を借りたい時・お願いする時のメール例文や件名についてご説明いたします!

「拝借」の意味

「拝借」は「借りることをへりくだっていう語」です。

「はいしゃく」と読みます。

「拝」は「おがむ」とか「お辞儀をする」などの意味がある漢字ですが、自分の動作に添えてへりくだる意味を表す字でもあります。

「拝借」の他にも「拝見」「拝啓」「拝読」などがありますね。

「拝借」は「借りる」に「拝」がついていますので、「借りる」の謙譲語であるということです。

「拝借」の使い方

「拝借」は何かを借りることをへりくだって表す言葉です。

自分をへりくだって相手を敬う謙譲語ですから、目上の人に対して使うことができます。

逆に目下の人や親しい友達、家族などに向かって「拝借」とはまず言いません。

ビジネスシーンでもよく使われる言葉で、実際に何か物を借りるとき、または知恵を借りるという時にも使います。

宴会などで「お手を拝借!」と言われた時は一本締めなどの手締めをしますね。

そういった使い方もありますので覚えておきましょう。

【例文】

  1. お手洗いを拝借したいのですが、どちらでしょうか。
  2. 貴重なお時間を拝借いたしました。ありがとうございました。
  3. それでは皆さま、お手を拝借。
  4. このような貴重な文献を拝借することができ、とても光栄です。

「拝借」の「拝」の字にはへりくだる意味があります。

ですから、「ご拝借」というのは二重敬語になってしまうので間違いです。

また、「拝借させていただきます」というのもしばしば使われる言い回しですが、「拝借」と「させていただく」という敬語が繋がっており、誤用ではないのですが、少々ややこしい印象です。

「拝借させていただきます」よりも「拝借します」「拝借いたします」程度にする、「拝借させていただけませんでしょうか」よりも「お借りできませんでしょうか」にするなど、すっきり短い言い回しにしたほうがわかりやすく、自分でも言いやすいのではないでしょうか。

知恵を借りたい時・お願いする時のメール例文や件名

「拝借」はメールの文面でもよく使われます。

「拝借」を使ったメールの書き方を確認しておきましょう。

知恵を借りたい時

目上の相手などに手助けを頼みたい時や、何かを教えて欲しい時。

「ちょっと教えてください」

メールの文面がこれではくだけすぎですよね。

このような時は、「お知恵を拝借」という表現を使うとよいでしょう。

社内あて、社外あての例文をご紹介いたします。

【社内あての例文】

件名:○○に関するご相談

××部長

お疲れ様です。

○○の取引の件でご相談がございます。

先方から下記の通りの条件を提示されており、明後日までに返事をすることになっております。

~中略~

私としましては、もう少し金額を下げて再度提案したいと考えておりますが、いかがでしょうか。

ご多忙のところ恐れ入りますが、部長のお知恵を拝借したく存じます。

よろしくお願いいたします。

(署名)

【社外あての例文】

件名:○○に関するご相談

△△株式会社 広報部 ××様

いつもお世話になっております。

▲▲の鈴木でございます。

さて、標記の件ですが、現在弊社では⚪︎⚪︎の件で、今後新規案件を発注していただける企業、メーカーを募っていく所存です。

まだ参入したばかりの分野ですので、どのような広報活動を行っていくか手探りの状況です。

そこで、法人向け広告媒体・メディアについてお詳しい××様に、ぜひお知恵を拝借したく連絡いたしました。

よろしければ直接お会いしてお話を伺えればと存じます。

お忙しい中まことに恐縮ですが、なにとぞよろしくお願いいたします。

(署名)

件名は「ご相談」などとし知恵を借りたいということを

  • お知恵を拝借したく
  • お知恵を拝借願えませんでしょうか
  • お知恵を拝借できますでしょうか

などと表現するとよいでしょう。

お願いする時

物を借りる時など、「貸してください」とお願いする時にも「拝借」が使えます。

こちらも社内・社外あての文面をご紹介します。

【社内あての例文】

件名:長机拝借のお願い

総務部 ○○様

お疲れ様です。

営業部の××です。

さて標記の件、営業部の長机が足りませんので、総務部備品の長机を拝借したく、お願いいたします。

4月10日10時~17時、新人研修会に使用いたします。

当日9時に営業部員が数名で取りに伺います。

よろしくお願い致します。

(署名)

【社外あての例文】

件名:サンプル機拝借のお願い

△△株式会社 営業部 ○○様

いつもお世話になっております。

株式会社▲▲の鈴木です。

先日は新製品のパンフレットをご送付いただきありがとうございました。

早速拝見し、上司に導入を提案いたしましたところ、ぜひ実際に試してみて確認したいと申しております。

サンプル機の貸し出しが可能とのことでしたので、ぜひ拝借いたしたく存じます。

貸し出し可能な日程や借りられる期間など詳しく教えていただきたく、ご連絡いただければ幸いです。

ご多忙の中恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

(署名)

件名は「○○拝借のお願い」のように借りたいことがわかりやすいものにするとよいでしょう。

  • 拝借いたしたく
  • 拝借できますでしょうか
  • 拝借させてください

また、

  • お借りできますか
  • お貸しください

などと言い換えてもよいですね。

「拝借」の類義語

「拝借」の類義語には次のようなものがあります。

  • 借りる
  • 借用
  • 借り入れる

「拝借」の対義語

「拝借」の対義語は

  • 貸す
  • 貸し出す
  • 貸与

「拝借」が借りることなので、貸すことを意味する言葉が対義語ということになります。

ですが、「拝借したい」というときに「借りたい(お借りしたい、お借りできますか、など)」の代わりに「貸して欲しい(お貸しください、お貸しいただけますか、など)」と言い換えることもできますので、混同しないよう注意しましょう。

まとめ

「拝借」は物を借りるときや知恵を借りるときに使う、へりくだった言葉でした。

ビジネスシーンでは口頭でもメールでも、使う機会が多いと思います。

目上の人などになにかお願いするときは、こうした謙譲の言葉をきちんと使っていきたいですね。

ぜひ参考になさってください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
error: Content is protected !!