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「花冷え」という季語をご存知でしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「花冷え」について解説していきます。
花が冷えるという字からいつの季語なのか分かりにくいですよね。
今回は改めて「花冷え」について基本的な意味はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「花冷え」を使った俳句もご紹介いたします。
関連 「花冷えの候」の時期はいつからいつまで?結びや使い方と例文
「花冷え」の意味と読み方
「花冷え」とは、立春を過ぎてお花見の季節に突然冬の寒さが戻ってくる事を意味する言葉です。
読み方は「はなびえ」です。
2019年の4月には東京で降雪も観測されており、雪が舞う中で桜が咲き誇るというとても幻想的で美しい光景が見られました。
八十八夜を迎えるまでは寒さがぶり返す事が多く、なかなか冬物をしまう事が出来ませんが、その寒さを表現した言葉が「花冷え」なんですよ。
「花冷え」の使い方
俳句の季語として使われるのはもちろん、ビジネス文書の時候の挨拶としても使われています。
時候の挨拶として使う場合は3月の下旬頃から4月の上旬頃の間で使う事が出来ますよ。
春の終わりの寒さを端的に表現する美しくも繊細な言葉で文書の冒頭を彩ってみてはいかがでしょうか。
>>「花冷えの候」の時期はいつからいつまで?結びや使い方と例文
例文
- 拝啓 花冷えの候、貴社いよいよご多忙の折、心よりお慶び申し上げます。
- 拝啓 花冷えの候、貴社におかれましてはますますご隆盛の事とご拝察いたします。
- 拝啓 花冷えの候、○○様いよいよご多忙の事と拝察いたします。
- 拝啓 花冷えの候、ご一同様におかれましては変わらずご壮健にお過ごしのことと存じます。
「花冷え」はいつの季語?
「花冷え」は俳句を作る上で「春」の季語として使われています。
ただし春ならいつでも使えるという訳ではなく、春を「初春」「仲春」「晩春」の3つに分けた中の「晩春」、つまり春の終わりごろに使うことの出来る季語なんですよ。
子季語には「花の冷え」があります。
突然の寒さで人だけが冷えるのではなく花も寒さを感じている、冷えていると表現する感受性の高さを伺い知ることが出来ますね。
「花冷え」を使った俳句
いくたびも花冷えいへり旅の妻
(いくたびも はなびえいえり たびのつま)
大野林火
不遇時のごと花冷えのつづきけり
(ふぐうじの ごとはなびえの つづきけり)
能村登四郎
二日目の伊賀の花冷あなどらず
(ふつかめの いがのはなびえ あなどらず)
稲畑汀子
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。