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「いきいきとした筆致で描写する」
「軽妙な筆致でつづられている」
この「筆致」という言葉は、絵や文章について表現するときに用いられている言葉です。
これまで日常生活の中で「筆致」という言葉を使ったことがないという人もいるかもしれませんね。
似た言葉の「筆跡」との違いもあわせて詳しく調べてみました。
今回は、「筆致」の意味と使い方!「筆跡」との違いは?|類義語・例文についてご説明いたします!
「筆致」の意味
「筆致」は「書画や文章の書きぶり」という意味です。
「ひっち」と読みます。
「筆」は「ひつ」、「致」は「ち」と読みますが、二つ組み合わさると「ひっし」などと読み間違う人も多いようなので気をつけましょう。
「筆」はもちろん「ふで」という意味の字ですね。
「筆」、「かく、かきしるす」、また「かいた絵や文字」のことを表す文字です。
「致」は「いたらせる」「きわめる」「おもむき」「いたす」などの意味があります。
「筆致」は筆のおもむき、かいた絵や文章のそのかきぶりということです。
「筆致」の使い方
「筆致」は絵や文章のかきぶりのことを指して使います。
「○○なかきぶりで」というときに、例えば「細かい筆致」とか「力強い筆致」などというふうに使います。
- 力強い筆致
- 軽妙な筆致
- いきいきとした筆致
- 巧みな筆致
といった使い方が多いでしょう。
他にも色々な形容と合わせて、文章のおもむきや、絵画のタッチについて表現するときに使います。
作家や画家の作品についての評論、人のかいた文章や絵について表現するときなどに色々な場面で使われています。
「筆致」の例文
- 雄大な岩山の景色が重厚な筆致で描かれている。
- 店内には独特の筆致で書かれた絵が飾られている。
- 彼はその事件について簡潔な筆致で描写している。
- 彼女の書くエッセイでは、軽妙な筆致で日常の出来事が描写されている。
- 彼は斬新な筆致で人気を集めたイラストレーターだ。
- この絵のあたたかい筆致には彼女の人柄が滲み出ている。
「筆跡」との違いは?
「筆致」と似ていて混同しやすいのが「筆跡(ひっせき)」です。
同じ「筆」という字を使いますし、かいたもののことを言うときに使いますね。
- 「筆致」は「絵や文字の筆のおもむき」
- 「筆跡」は「書かれた文字の形」
このように違っています。
「筆致」はこれまでに述べたように、文章の調子とか絵画のタッチといった「かきぶり」「筆のおもむき」を指します。
どんなテイストで文章が書かれているかとか、絵のタッチがどんなだという作風に関する言葉です。
一方「筆跡」は、パソコンで作成した文書などではなく、筆やペン、鉛筆などで人の手で直接書いた文字のことや、その書き文字の癖などを指します。
例えば、よく刑事もののドラマなどで犯人の「筆跡鑑定」をしたりしますよね。
証拠となる手紙やメモの文字と、容疑者の書いた文字を比較して、その字の形や書き方の癖などから同一人物が書いたかどうか判定します。
日常でも「この筆跡は○○さんだ」などということがあるのではないでしょうか。
「筆致」が絵や文章の「かきぶり、タッチ」のことであるのに対して、「筆跡」は書いた「文字の形」のことであるという違いです。
「筆致」の類義語
「筆致」の類義語には次のようなものがあります。
- 書体(字の書きぶり。書風)
- 書風(字の書きぶり。初動の流儀)
- 筆跡(書かれた文字)
- 墨蹟(墨でかいた筆跡のこと)
- 肉筆(書画などの、実際に手でかいたもの)
- タッチ(芸術作品の作風。絵画の筆触や文学の筆致)
- 筆付き(筆の使いぶり。筆で書かれた文字や絵の様子)
- 書きっぷり(絵や文章から感じられる勢い)
- 筆遣い(筆の扱い方。書かれた文字や文章の趣)
- 筆運び(文字の書きよう。筆の使い方)
まとめ
「筆致」は「書画や文章の書きぶり」という意味です。
「筆跡」が筆やペンなどで書いた手書き文字のことや、その書き方の癖などを指すのに対し、「筆致」は文字や文章、絵の全体の書きぶり、筆のおもむきということを表します。
「軽妙な筆致」「彼の筆致は○○だ」などのように使い、その文章や絵画のタッチ、個性、作風、おもむき、味わいといったことを指します。
文章や絵画について言及するときによく使われる言葉ですので、ぜひ覚えておいてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!