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「日向水」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「日向水」について解説していきます。
「日向水」について基本的な意味や読み方はもちろん、使い方やいつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「日向水」を使った俳句もご紹介いたします。
「日向水」の意味と読み方
「日向水」とは、夏の日差しの下にあり、その日差しの熱で自然に温まった水を意味する言葉です。
読み方は「ひなたみず」です。
バケツに入った水、桶に入れた水などそのシチュエーションは様々ですが今ではなかなか見ることが出来ない光景の1つでもありますね。
かつてはその自然光で温まった水で行水をしたりしていたんですよ。
文字として書く場合「ひなたみづ」と表記する場合もあります。
「日向水」はいつの季語?
「日向水」は俳句の世界では「晩夏」の季語となっています。
夏を通して使うことの出来る季語ではなく、夏の終わりごろである「晩夏」を俳句で表現したい場合に使う季語なんですね。
「日向水」の使い方
俳句の季語として使われており、夏ならではの情景を表現する場合に使われています。
またその水がある風景を切り取ったかのように表現する文章としても使われています。
「日向水」自体の主な使用用途は、江戸時代には火事防止の観点から家の中での入浴が禁じられており「行水」することが多く、その日常生活の1つである行水です。
毎日大きなタライに行水用のお湯を沸かすのはかなりの重労働ですよね。
そこで太陽光を効率的に使用する暮らしの知恵なのが「日向水」なんですよ。
この行水は、昭和時代に入り、家庭風呂が完備されるまで一般的に行われていました。
「日向水」を使った俳句
心中の日向水いま揺れはじむ
(しんちゅうの ひなたみずいま ゆれはじむ)
桂信子
日向水ひろごる雲をうつしけり
(ひなたみず ひろごるくもを うつしけり)
久保田万太郎
ホースにも静脈日向水を吐く
(ほーすにも じょうみゃくひなた みずをはく)
中原道夫
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。