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「不徳の致すところ」の意味と謝罪文での使い方!【類語・例文】

「不徳の致すところ」の意味と謝罪文での使い方!【類語・例文】

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「不徳の致すところ」という言い回し、聞いたことがありませんか?

一番耳にするのは、テレビで何かの謝罪の記者会見を見た時ではないでしょうか。

政治家の謝罪、不祥事のあった企業の社長の謝罪、芸能人の不倫の謝罪などなど……。

「私の不徳の致すところでございます」「不徳の致すところであり、反省しております」などと、謝る際に使っていますよね。

謝罪の言葉だということはわかると思います。

でも、「不徳」とは?「致すところ」とは?と考えてみると、よくわからない部分もあると思います。

この機会に「不徳の致すところ」について意味や使い方を確認しておきましょう。

今回は、「不徳の致すところ」の意味と謝罪文での使い方!【類語・例文】についてご説明いたします!

「不徳の致すところ」の意味

「不徳の致すところ」とは、「自分の不徳が原因で引き起こしたこと」という意味です。

失敗や不都合が起こるなど好ましくない事態になってしまった時に、謝罪の意味で使う言葉です。

これでもまだ意味がわかりにくいと思いますので、「不徳」と「致すところ」について解説いたします。

「不徳」とは?

「不徳」とは、「身に徳がそなわっていないこと」「人の道に反すること。不道徳」という意味です。

人徳がそなわっていなかったり、不道徳であったりすることが「不徳」ということです。

「不徳の致すところ」が「人徳がなかったり、不道徳であったために引き起こしたこと」という意味であることがお分かりいただけたと思います。

「致すところ」とは?

ではその不徳の、「致すところ」とはどういう意味なのでしょうか。

普通、「致す」といえば「お願い致します」などと使う、「する」の謙譲語の意味だと思います。

ですが、この場合の「致す」は「引き起こす。もたらす」という意味になります。

また、「ところ」も「場所」という意味ではなく、「事柄」「局面」というような意味で使われています。

「思うところあって辞表を出した」「今のところ無事だ」などというときの「ところ」を思い浮かべると分かりやすいと思います。

ですので、まとめると「不徳の致すところ」は「自分が不道徳であったために引き起こしたこと」という意味になるのです。

謝罪文での使い方

この「不徳の致すところ」、使う場面は主に謝罪時ということになります。

「私が人の道に外れてしまったために引き起こしたことです」

「私が不道徳であったためもたらした事態です」

意味としてはこういうことですが、口頭ならともかく、メールや文書では少し長ったらしく感じられますね。

そのようなときに、「不徳の致すところです」とすることで、簡潔で改まった言い回しになります。

メールや書面の謝罪文や、謝罪の会見などで使いやすい表現です。

なお、「不徳の致すところです」だけでは「私のせいです」と言っているだけですので、謝罪の台詞としては十分ではありません。

「申し訳ありません」などの謝罪そのものを表す言葉を一緒に使って、きちんと謝る気持ちを伝えるように気をつけましょう。

【例文】

  1. この度の不祥事は、すべて私の不徳の致すところです。誠に申し訳ございませんでした。
  2. 私の不徳の致すところであり、反省しております。
  3. 私の不徳の致すところにより、ご迷惑をおかけしてしまい深くお詫び申し上げます。

「不徳の致すところ」の類語

「不徳の致すところ」の類語には次のようなものがあります。

  • 私のせいです
  • 私の責任です
  • 私が悪うございました
  • 自分の非を認めます

いずれも謝罪のときに使う表現ですね。

口頭で謝罪するときであれば「すべて私の責任でございます。申し訳ございませんでした」という感じで使います。

これらに比べると、「不徳の致すところ」が一番簡潔で改まった言い方ですので、謝罪文や会見などでは使いやすいでしょう。

ですが、「不徳の致すところです」を何度も繰り返したり、多用したりすると真剣味が薄れてしまいますよね。

類語なども活用して、そのときの状況に応じて謝罪の気持ちを表す言葉を使っていきましょう。

まとめ

「不徳の致すところ」は、自分の行いを反省して相手に謝罪する意味の言葉です。

もちろん、謝罪するような機会はこないほうが良いに決まっていますよね。

ですが、仕事をしていく上で謝罪が必要な場面も多々あると思います。

そういう時に、誠意を持って正しい言葉づかいで反省や謝罪の気持ちを伝えていきたいものですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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