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季語

「冬牡丹」の意味や由来とは?いつの季語?「寒牡丹」との違いや俳句も紹介

「冬牡丹」の意味や由来とは?いつの季語?「寒牡丹」との違いや俳句も紹介

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日本は屈指の雪国と言われていますが、冬や雪を表現する言葉の1つに「冬牡丹」というものがあります。

あまり聞きなじみがない言葉なので聞いたことが無いという人も多いのではないでしょうか。

今回は改めて「冬牡丹」について基本的な意味や読み方、由来はもちろん、いつの季語なの?「寒牡丹」との違いは?といった疑問にもお答えしていきます。

「冬牡丹」を使った俳句もご紹介いたします。

「冬牡丹」の意味と読み方

「冬牡丹」とは、冬に見ごろを迎える色鮮やかな牡丹の花を指す言葉です。

読み方はそのまま「ふゆぼたん」と読みます。

植物園や神社仏閣などで育てられている事が多く、その多くが「わらぼっち」と呼ばれる藁で出来た囲いを被っています。

寒さに弱いなどの特徴から藁囲いをされていますが、まるで笠をかぶっているようなその姿と寒さと雪の中で目を惹く鮮やかな姿は「冬の風物詩」とも呼ばれ人々の心を魅了し続けています。

「冬牡丹」の由来

冬になるとその寒さから咲く花は自然と少なくなりますよね。

そんな花を見る機会が少なくなる冬、そしてお正月の縁起花として開花させたものが「冬牡丹」なんですよ。

元々牡丹は春の初め頃である「早春」と、冬の初め頃の「初冬」に見ごろを迎えるという性質をつ品種があり、その性質を「抑制栽培」という技術を使って開花させたものが「冬牡丹」と呼ばれます。

上野東照宮の苑内には160株もの冬牡丹が咲き誇っており、雪景色を見慣れた人々の目を奪い魅了しています。

「冬牡丹」はいつの季語?

「冬牡丹」は俳句を作る上で冬の季語として使われています。

冬の中でも終わりごろとなる「晩冬」の季語であり、初冬や仲冬には季語として使う事は出来ません。

「冬牡丹」と「寒牡丹」の違い

二季咲き(早春・初冬)の牡丹が「寒牡丹」と呼ばれています。

見た目の違いとしては「寒牡丹」は外気温が低い事を承知で咲いているため葉などの余分な部分に栄養を行きわたらせないため葉がなく大輪の花のみのものとなっています。

対して「冬牡丹」は本来は春に割く品種を使い、温室などで室温コントロールをして咲かせているため茎や葉も春に見られるものとほぼ同じです。

「冬牡丹」を使った俳句

そのあたりほのとぬくしや寒ぼたん
(そのあたり ほのとぬくしや かんぼたん)
高浜虚子

斑ら日の光りにおぼるる冬牡丹
(まだらびの ひかりにおぼるる ふゆぼたん)
保坂加津夫

虚にあらぬこの大輪の冬牡丹
(きょにあらぬ このたいりんの ふゆぼたん)
田中藤穂

まとめ

美しい表現方法が多い「寒さ」や「寒さの終わり」ですが、豪雪地帯が多い日本ならではの言葉も数多く残っています。

厳しい冬を乗り越えて春となった喜びと、未だ冬のように残る寒さに対する気持ちが混ざりどこか複雑にも見える美しい表現になっているのではないでしょうか。

俳句の季語としても使われており、古くから愛されている言葉で冬と春がせめぎあうこの瞬間しか感じることの出来ない寒さを楽しむのも一つの楽しみ方ですね。

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