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日本は屈指の雪国と言われていますが、雪や冬の景色を表現する言葉の1つに「冬銀河」というものがあります。
あまり聞きなじみがない言葉なので聞いたことが無いという人も多いのではないでしょうか。
今回は改めて「冬銀河」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「冬銀河」を使った俳句もご紹介いたします。
「冬銀河」の意味と読み方
「冬銀河」とは、俳句の季語の一つで、冬の夜空に浮かぶ天の川を指す言葉です。
読み方は「ふゆぎんが」です。
天の川と言えば七夕の時期の夜空を思い浮かべる方が多いかと思いますが冬の夜空にも天の川を見ることが出来ます。
この天の川は七夕の天の川よりも明るさ自体は弱いと言われていますが、寒く冴えわたった冬の夜空にかかるので冴えわたるほどの輝きを放っているように見えます。
「冬の天の川」と表現するのではなく「冬銀河」と呼ぶ点に日本人の表現力の高さを感じる事が出来ますね。
いつの季語?
俳句の世界において「冬銀河」は冬の季語として使われています。
冬は「初冬」「仲冬」「晩冬」と3つに分けられており、それぞれで使える季語は異なりますが、この「冬銀河」は冬という季節を通していつでも使うことの出来る季語なんですよ。
「冬銀河」と「天の川」の違い
見える時期が冬と夏という違いはもちろん、その見え方にも違いがあります。
七夕に見ることが出来る天の川は、地球の夜の面が地球の中心を向いているため数多くの星を見ることが出来ます。
なので「天の川」は色濃く、はっきりと見ることが出来ます。
それに対して「冬銀河」は、地球の夜の面が外側を向いているため見える星の量が少なくなり必然的に薄い天の川となるんですよ。
「冬銀河」を使った俳句
冬銀河見てきし蒼き髪を解く
(ふゆぎんが みてきしあおき かみをとく)
小澤克己
冬銀河雲の谷間になだれをり
(ふゆぎんが くものたにまに なだれおり)
岩瀬良子
我もまた星屑となる冬銀河
(われもまた ほしくずとなる ふゆぎんが)
石山惠子
まとめ
美しい表現方法が多い「寒さ」や「寒さの終わり」ですが、豪雪地帯が多い日本ならではの言葉も数多く残っています。
厳しい冬を乗り越えて春となった喜びと、未だ冬のように残る寒さに対する気持ちが混ざりどこか複雑にも見える美しい表現になっているのではないでしょうか。
俳句の季語としても使われており、古くから愛されている言葉で冬と春がせめぎあうこの瞬間しか感じることの出来ない寒さを楽しむのも一つの楽しみ方ですね。