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「冬めく」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「冬めく」について解説していきます。
「冬めく」について基本的な意味はもちろん、いつの季語なの?類語はある?といった疑問にもお答えしていきます。
「冬めく」を使った俳句もご紹介いたします。
「冬めく」の意味と読み方
「冬めく」とは、秋も終わり山々の眺めはもちろん吹く風や雨、空気にも冬らしさを感じる事が出来るようになったという意味の言葉です。
手を吐息で温める、ポケットに入れるなど人が行う些細な仕草からも「冬めいてきた」と感じられることが多くなる季節に使われる言葉です。
読み方はそのまま「ふゆめく」です。
気温もさほど下がっておらず、まだまだ秋だと思っているうちに、気づくと冬が近づいている、そんな情景と心情が目に浮かぶような季語ですね。
「冬めく」はいつの季語?
「冬めく」は俳句を作るうえで「冬」の季語となっています。
冬の中でも初め頃である「初冬」の季語なんですよ。
季節の移り変わりを敏感に感じ取り、繊細に表現された言葉ですよね。
「冬めく」の類語
冬らしさを感じる、という意味の「冬めく」には多くの類語が存在します。
- 「冬ざれ」
- 「冬来る」
- 「冬立つ」
- 「冬ざるる」
などです。
もちろんそのどれもが、本格的な冬の到来ではないけれど、その寒さと気配をすぐそばに感じる事が出来るという意味を持っています。
秋と冬、季節の変わり目を敏感に感じ取る日本ならではの繊細かつ美しい表現ともいえるのではないでしょうか。
「冬めく」を使った俳句
いつとなく机に塵が冬めく
(いつとなく つくえにちりが ふゆめく)
種田山頭火
せがむ児に出すや冬めく乳一つ
(せがむこに だすやふゆめく ちちひとつ)
日野草城
かへりきて冬めくわが家童女あり
(かえりきて ふゆめくわがや どうじょあり)
飯田蛇笏
欠航といふも冬めくもののうち
(けっこうと いうもふゆめく もののうち)
高野素十
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。