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「いみじくも」は少し古めかしい印象の言葉です。
使ったことがない方も多いでしょう。
知っているという方も、正しい使い方ができているでしょうか。
この「いみじくも」は、ビジネスシーンにも使える良い言葉なんです。
ぜひ正しい意味や使い方、また語源なども合わせて確認しておきましょう。
今回は、「いみじくも」の意味や使い方!語源や現代での使われ方は?【例文付き】についてご説明いたします!
「いみじくも」の意味と使い方
「いみじくも」は「非常にうまく。適切に。巧みに」という意味です。
物事がうまくいっていたり、適切に表すことができていたりするときに使う言葉です。
広い意味を持つ言葉ですので、特にこのような状況で使うという決まりはなく、「適切に」「うまく」といった意味で広く使うことができます。
「いみじくも」の語源
「いみじくも」は、「いみじ」という形容詞に助詞「も」がついたものです。
「いみじ」は古語で、「はなはだしい。並々でない」「よい。すばらしい」「ひどい。恐ろしい」という意味です。
古文を勉強したことがある人なら、必ずと言っていいほど教科書やテストで「いみじ」は目にしているのではないでしょうか。
この「いみじ」の意味ですが、「よい」と「ひどい」では全く逆な気がして不思議ですよね。
「いみじ」はよい場合にも悪い場合にも、その程度が強い時に使う言葉だと考えるとよいでしょう。
例えば、徒然草に「世は定めなきこそ、いみじけれ」という文がありますが、これは「この世は無情であるからこそ、すばらしいのである」という意味で、「いみじ」はいい意味で使われています。
また、枕草子に「あないみじ。犬を蔵人二人して打ちたまふ。」という文章がありますが、こちらは「ああひどい。犬を蔵人が二人で打っておられる」という意味になり、「いみじ」は悪い意味で使われています。
他にも古典作品の中で様々な「いみじ」が使われていますが、よい意味でも悪い意味でも「はなはだしい」、または「とてもよい」「とてもひどい」という意味です。
ここから転じて「いみじくも」という言葉になったわけですが、その際に「とてもうまく、適切に」というよい方の意味だけが残ったというわけです。
「いみじくも」の現代での使われ方
「いみじくも」は「いみじ」から転じてできた言葉ですが、現代では「非常にうまく」というようないい意味でのみ使われます。
例文で使い方を確認しておきましょう。
「いみじくも」の例文
- 彼の言ったことは真実をいみじくも言い表していた。(真実をとてもうまく言い表していた)
- いみじくも先生がおっしゃった通りです。(とても適切に先生がおっしゃったとおりです)
- 二兎を追う者は一兎をも得ず、とはいみじくも言ったものだ。(とてもうまく言ったものだ)
「いみじくも」の誤用
「いみじくも」は「非常にうまく」「適切に」「巧みに」といった意味です。
ですが、まちがった使われ方をしていることがあります。
よく見かける誤用の例は、「いみじくも」を「偶然にも」「恐れ多くも」といった意味で使っているというものです。
おそらく、「偶然にも」という意味の「奇しくも」や、「恐れ多くも」という意味の「畏くも」といった言葉と混同されているのでしょう。
「くも」という部分が同じなので似ていますよね。
ですが、「いみじくも」にはこのような意味はありませんので、注意しましょう。
誤った例文
- いみじくもこのような場所で彼に会うとは思いもよらなかった。(偶然にも、の意で使っている例)
- あたたかいお心遣い、いみじくもありがたく頂戴いたします。(恐れ多くも、の意で使っている例)
「いみじくも」の類義語
「いみじくも」の類義語には次のようなものがあります。
- 上手に
- 見事に
- うまく
- 適切に
- まさに
- 首尾よく
- ばっちり
などなど、いずれも非常にうまくいっている様を表す言葉ですね。
「いみじくも」は少し文語的な響きではありますが、他の類義語に比べ、「非常にうまくいっている」「とても適切に表現している」「的を得ている」という感じを一語で最もよく表しているのではないでしょうか。
「いみじくも」は「いみじ」という日本古来の言葉からできた「大和言葉」の一つです。
「適切に」「上手に」などで十分言い表すことができるとしても、あえてこのような言葉を使うことで、柔らかさや繊細なニュアンスを伝えることができるのです。
まとめ
「いみじくも」は使い慣れないと、なかなか口にするきっかけがつかめないかもしれませんね。
必ず使わなくてはいけない言葉ではありませんが、このような日本的な言葉を使うことで相手に柔らかいイメージ、好印象を与えることができます。
ぜひビジネスシーンでも活用していきたいものですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!