言葉の意味と使い方

「いたいけ・いたいけな・いたいけない」どれが正しい?「いたいけ(幼気)」の意味と使い方!

「いたいけ・いたいけな・いたいけない」どれが正しい?「いたいけ(幼気)」の意味と使い方!

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「いたいけな子供」

この「いたいけ」という言葉、意味がわかりますか?

あまりビジネスシーンでは使わないかもしれません。

ですが、テレビやニュース、小説など色々なところで見聞きする言葉ですので、正しく理解しておきたいところです。

また「いたいけ」は「いたいけな○○」という使い方をされる時と、「いたいけない○○」という使い方をされる時があり、どちらが正しいのか、どう違うのかなども気になりますね。

今回は、「いたいけ・いたいけな・いたいけない」どれが正しい?「いたいけ(幼気)」の意味と使い方!についてご説明いたします!

「いたいけ(幼気)」の意味

いたいけ(幼気)の意味

「いたいけ」は「幼くていじらしいさま」「幼くてかわいいさま」「小さくてかわいらしいさま」という意味です。

漢字では「幼気」と書きます。

「幼い」という字で、意味とはあっていますが、知らないと「いたいけ」とは読めなそうですよね。

実は、「幼気」の語源は「痛い気」なのです。

「痛き」+「気」が音変化したもので、見ると心が痛むほど愛らしく思われるさまからきた言葉です。

多くの場合は、年齢が幼いもののかわいらしさ、いじらしさを表す言葉です。

また、「いたいけ」は、大きさが小さいもののかわいらしさを表すこともあります。

「いたいけ・いたいけな・いたいけない」どれが正しい?

さて、「いたいけ」という言葉は「いたいけ」「いたいけな○○」「いたいけない」といったいろいろな形で使われているのを見聞きします。

どれが正しくて、どれが間違っているのか、非常に紛らわしいですね。

結論から言うと、「いたいけ・いたいけな・いたいけない」はどれも正しい使い方です。

「いたいけ」は上で述べた通りの意味です。

それに助詞「だ」の連体形「な」をつけて「いたいけな」となります。

「いたいけな子供」「いたいけなまなざし」といった具合に名詞が続きます。

問題は「いたいけない」ですね。

一見、「いたいけ」に「ない」がついているので「いたいけではないこと」だと思いませんか?

「いたいけない」は「いたいけである」という意味です。

不思議ですよね(笑)。

この「いたいけない」は、「いたいけ」+程度がはなはだしいさまを表す「ない」です。

「あどけない」「せわしない」「はしたない」などと言うのと同じですね。

「いたいけ」の意味を「ない」で強調しているというわけです。

または、「いたいけない」は「いたいけ」と「いとけない」が混ざってできた言葉だとして載っている辞書もあります。

「いとけない」は「幼くて小さい」「あどけない」といった意味です。

どちらにせよ、「いたいけない」は「いたいけである」意味なので覚えておきましょう。

「いたいけない」を「いたいけでない」「かわいくない」という意味で使っている人もいますが、これは誤用です。

【例文】

  1. この子の様子がいたいけで、愛おしく感じる。
  2. いたいけな子供の命はなにがあっても守らなければならない。
  3. いたいけな小鳥。
  4. 息子のいたいけない寝顔を見つめる。

「いたいけ」の類義語

「いたいけ」の類義語には次のようなものがあります。

  • 幼い(年が少ない。子供っぽい)
  • あどけない(無邪気で可愛い)
  • 愛らしい(愛すべき様子である)
  • かわいい(小さくて愛らしい。愛すべきである)
  • 可憐(可愛らしくて守ってやりたくなるような気持ちを起こさせること)
  • いじらしい(子供や弱いものが一生懸命に努める有様や心根が心打たれる感じだ)

外見やしぐさのかわいらしさなどについて言うには「かわいい」などでよいでしょうし、子供らしさを強調するなら「幼い」「あどけない」などと言い換えられますね。

心が痛むような感じについて言うなら「いじらしい」など、状況に応じて色々使い分けられるとよいでしょう。

「いたいけ」の対義語

「いたいけ」の対義語は特にありません。

「幼い」と言う意味の反対では

  • 大人びた(年のわりに大人らしいさま)
  • ませた(年のわりに振る舞いなどが大人びているさま)

「いじらしい」の反対の意味では

  • 厚かましい(人の迷惑を考えずずうずうしい)
  • 図々しい(人に迷惑をかけても平気でいる)

「かわいい」の反対の意味では

  • 憎い(やつけてやりたいほど不快だ)
  • 憎たらしい(なんとも憎らしい様子)
  • 不細工(格好が悪いこと。容貌が悪いこと)

などが当てはまるのではないかと思います。

まとめ

「いたいけ」は幼くていじらしい、可愛い様子を表す言葉です。

見ていて心が痛くなるようないじらしげな可愛さってあるものですよね。

昨今はなんでも「かわいい!」で済ませてしまいがちですが、色々な言葉を知って正しく選んで使うことができると表現が広がりますね。

ぜひ参考になさってください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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