言葉の意味と使い方

「痛み入ります」の意味や使い方と返し方を解説!【シチュエーション別の例文つき】

「痛み入ります」の意味や使い方と返し方を解説!【シチュエーション別の例文つき】

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「痛み入ります」はビジネスシーンなどでよく使われる言葉です。

社会に出るまではあまり使うことのない言葉ですよね。

どのようなシーンで「痛み入ります」を使えばいいの?目上の人に使っていいのか?

また、「痛み入ります」と言われた時はどのように返したらいいのか、返し方が分からない!など、迷ってしまいがちではないでしょうか。

しっかり理解しておきたいところです。

今回は、「痛み入ります」の意味や使い方と返し方を解説!【シチュエーション別の例文つき】についてご説明いたします!

「痛み入ります」の意味

「痛み入ります」

「相手の言動に対して申し訳ない、恐縮するという気持ちを表す言葉」です。

「いたみいります」と読みます。

「痛み入る」に「ます」をつけて丁寧に叙述する形です。

「痛み入る」は→「相手の親切、好意に恐縮する、恐れ入る」という意味です。

「痛む」は怪我をしたりして「痛い」という時に使う言葉ですが、他にも「心が痛む」という、悲しみや苦しみ、切なさといった心の動きについても使う言葉です。

「入る」は「ある状態になる」「すっかり……する」ことを表します。

「痛み入る」は「心が痛くなるほど相手の気持ちが自分の中に入ってくる」「心にずっしりと感じる」ということからこのような意味になったわけです。

それを丁寧に述べた「痛み入ります」は、相手が何かしてくれたことに対して、「ありがたい」というだけでなく、「申し訳ない」「恐れ多い」といった気持ちを表す言葉なのです。

「痛み入ります」の使い方

「痛み入ります」は基本的にお礼の言葉として使います。

「ありがとう」だけでなく「恐縮です」「申し訳ないです」という気持ちも込めた表現になります。

また、家族や仲の良い友人に対して使うような言葉ではなく、目上の人に対してや、ビジネスシーンなど敬語を使ってきちんとした言葉遣いをするような場面で使う言葉です。

さらに、使い方によっては皮肉として使うこともあります。

色々なシチュエーションでの使い方を確認しておきましょう。

お礼の言葉として

仕事をしていく上で、相手に便宜を図ってもらったり、力になってもらったりなどなど、お世話になったことに対してお礼を言うことは多いと思います。

「ありがとうございます」でもいいのですが、「痛み入ります」ということで恐縮し、かしこまった気持ちを表すことができます。

【例文】

  1. 急なお願いにもかかわらず、快くお受けいただき痛み入ります。
  2. このような素晴らしいおもてなしにあずかりまして、痛み入ります。
  3. ご助言をいただき、痛み入ります。

返答の言葉として

「痛み入ります」は相手から気遣いの言葉などをかけてもらったときの返答として使うこともあります。

褒められたときや、心配してもらったとき、お見舞いやお悔やみの言葉をもらったときなどに「痛み入ります」と言うことで、相手の言葉を感謝して恐縮して受け取ったということを表せます。

【例文】

  1. この度は過分なお褒めの言葉を頂戴し、誠に痛み入ります。
  2. ご迷惑をおかけいたしましたのに、お見舞いのお言葉までいただき、痛み入ります。
  3. (「この度はご愁傷様です」などと言われ)ご丁寧に痛み入ります。

皮肉として

「痛み入ります」は感謝、恐縮の言葉……ではあるのですが、皮肉を込めて使われることもあります。

例えば「ご忠告痛み入ります」と言うことで、「そんな忠告必要ないのに」「わざわざ忠告してくれてご苦労様」というように聞こえることがあります。

本当に忠告してもらったことに恐縮しているのか、それとも皮肉なのか……こればかりはその時の状況や前後の文脈、言い方などによりますので、判断基準ははっきり決まっていません。

相手に「痛み入ります」と言われた時にはどういう意味なのか、気をつけて受け取りたいですね(笑)。

【例文】

  1. ご忠告痛み入るよ。(そんな忠告余計なお世話だ)
  2. ご親切痛み入ります。(ありがた迷惑だ)
  3. ご丁寧な説明、痛み入ります。(そんな説明は言われなくてもわかっている)

「痛み入ります」は皮肉としても使われる言葉です。

ということは、自分は感謝のつもりで「痛み入ります」と言っても、相手に皮肉だと受け取られる可能性があるということですね。

  • そんなにかしこまった言葉を使う必要がないような関係の相手に「痛み入ります」と言う
  • そこまで恐縮するほどでもないちょっとしたことに「痛み入ります」と言う

などのような使い方をすると、皮肉だと取られてしまうかもしれません。

「痛み入ります」は目上の人に明らかにお礼の言葉だとわかるようなシーンで使うようにしましょう。

「痛み入ります」への返し方

さて、「痛み入ります」と相手に言われた場合、返事の仕方に迷ってしまいませんか?

「はい」とか「いいえ」だけというのもぶっきらぼうな感じです。

「痛み入ります」への返し方としては

  • とんでもないことです
  • 滅相もないことです
  • こちらこそありがとうございます

などが一般的でしょう。

「とんでもない」「滅相もない」というのは、褒められた時やお礼を言われた時に、謙虚に否定する言葉です。

強く否定する時にも使いますが、ここでは謙遜の言葉として使います。

否定的にとられないように、「こちらこそありがとうございます」のような言葉を補うと安心ですね。

より丁寧に言う場合は「とんでもないことでございます」「滅相もないことでございます」となります。

[aside type=”warning”]「とんでもございません」「滅相もございません」とも言いますが、これは「とんでもない」「滅相もない」でそれぞれ一つの言葉なので間違いであるという見方が一般的ですので、使わない方がよいでしょう。[/aside]

【例文】

  1. とんでもないです、お役に立てて嬉しいです。
  2. 滅相もございません。こちらこそありがとうございます。

「痛み入ります」の類義語、言い換え表現

「痛み入ります」の類義語には次のようなものがあります。

  • 恐れ入ります
  • 恐縮です
  • ありがたく存じます
  • かたじけのうございます

また、文脈に応じて「~いただき、ありがとうございます」などと言い換えても良いでしょう。

まとめ

「痛み入ります」は恐縮して感謝するということでした。

かしこまって、また相手を敬って感謝しているということを表せる言葉ですね。

皮肉っぽく聞こえないように、使う相手や使う場面、前後の発言には配慮が必要ですが、うまく使いこなせると礼儀正しい印象を与えることができますね。

ぜひ参考になさってください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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