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「曰く」は「本人曰く」とか「曰く付き物件」のように使います。
あまり普段の会話で使ったことがないという人も多いかもしれませんが、意味や使い方を知っていると何かと使える言葉ではあります。
正しい漢字や読み方などからしっかり確認していきましょう。
今回は、「曰く」の意味と使い方!「本人曰く」とは?失礼になることもある?|例文についてご説明いたします!
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「曰く」の意味
「曰く」は「言うことには」という意味です。
「いわく」と読みます。
現代仮名遣いで「いわく」と書きますが、古典などの古い文章の場合は「いはく」と書くこともあります。
また、「のたまわく(のたまはく)」とも読むこともあります。
また、漢字は「曰」で、「日」と似ていますが「ひらび」と言って「日」よりも平べったい形に書きます。
中の横棒が右の縦棒にくっついていない点も注意してくださいね。
この「曰く」は、
- 隠れた事情や理由(名詞)
- 言うことには(副詞的)
という二つの意味があります。
「曰くがある」とか「曰く付き」という場合は、「隠れた事情」という意味です。
「○○曰く」という場合は2番目の方、人が「言うことには」という意味になります。
>>「事由」の意味とは?「理由」との違いと使い分け方|例文つき
「曰く」の使い方
「曰く」は、「曰く(隠れた事情)がある」などと名詞的に使うこともありますが、
「○○曰く」の場合は
- 「○○が言うことには」
- 「○○さんがおっしゃることには」
といった意味になります。
「のたまわく」と読むのは『論語』で孔子先生を呼ぶときなど、かなり偉い人に対してのみですので、一般的には「いわく」と読んで使います。
「曰く」は古語的なかたい言葉なので、気軽な会話の中では使いません。
文章語や、文章語に近いようなきちんとした言葉遣いをするシーンでは使われます。
人物名などの後につけて、その人が「言うことには」と、その人が言った言葉を引用したり紹介したりする時に使います。
「本人曰く」とは?
「本人曰く」は、「本人が言うことには」という意味になりますね。
第三者ではなく、また話している私自身ではなく、この話題の当事者である本人が言うことには、ということです。
「本人曰く……だそうです」「本人曰く……とのことです」などと、その「本人」が言ったことを別の人がまた別の人に伝えるという使い方になります。
>>「当人・本人・当事者」の違いは?意味と使い方を解説|類義語・例文
「曰く言い難し」とは?
「○○曰く」の他に「曰く言い難し」という使い方もあります。
「曰く言い難し」は「簡単には説明できないというほかない」「なんとも言いようがない」という意味です。
「いわくいいがたし」と読みます。
「孟子」の『公孫丑』という書物に出てくる孟子の言葉が由来になっています。
弟子にあることの説明を求められた孟子が「曰く、言い難し」と答えたというところからきています。
言葉では言い表せない、簡単に説明できないという時に使う言葉です。
「曰く」の例文
- 社長曰く、経営に大切なのは明確なビジョンだとのことだ。
- 先生曰く、私は家庭学習の時間が不十分だそうだ。
- 本人曰く、うっかり忘れ物をして取りに戻ったため遅刻したということです。
- 彼の小説を読んだが、曰く言い難しといった感じで感想は難しい。
- この指輪は曰くのある品だ。
- 曰く付き物件の情報をサイトで調べる。
「曰く」は失礼になることもある?
「曰く」は「○○さんがいうことには」といった意味で使います。
「本人曰く」とか「○○(敬称なし)曰く」、時には「犯人曰く」などといった形でも使いますので、目上の人には失礼ではないかと気になる人もいるようです。
結論を言うと、「曰く」は失礼な言葉ではありません。
「社長曰く」とか「○○先生曰く」など、目上の人に対しても使われています。
ただ、「いわく」ではなく「のたまわく」と読んだ方が丁寧ではあります。
「いわく」は「言うことには」ですが、「のたまわく」と読むと「おっしゃることには」という敬語になります。
ですが、実際は「のたまわく」は孔子の言葉を引用する時ぐらいしか使われていませんので、一般的に目上の人について言う時も「いわく」でよいでしょう。
>>「そうなんですね」は敬語?目上の人に失礼?言い換え表現を解説【例文つき】
「曰く」の類義語
【「隠れた事情」の意】
- 由来(物事が今までたどってきた経過)
- 因縁(理由。由来)
- 言われ(物事のもととなる根拠)
- 来歴(物事が過ぎ経てきた次第)
【「言うことには」の意】
- 言う
- 述べる(言葉を連ねて言い表す)
- 語る(まとまった内容を順序だてて話して聞かせる)
- おおす(「言う」の尊敬語)
- おっしゃる(「言う」の尊敬語)
- のたまう(「言う」の尊敬語)
他に、「曰く言い難い」の言い換えなら
- うまく言えない
- なんとも言えない
- 言葉では言えない
といったことが考えられます。
まとめ
「曰く」は「言うことには」という意味です。
「のたまわく」とも読みますが、一般的には「いわく」と読まれます。
「○○さんが言うことには××だということです」と、人が言ったことを言うのに「○○さん曰く……」と使います。
あるいは名詞化して「隠れた事情」という意味で「曰くがある」「曰く付き」などの使い方もあります。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!