※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
「あの人は会社の重鎮だ」
「あの人はこの分野の大御所だ」
こんな表現を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ビジネスシーンに限らず、テレビでしょっちゅう「重鎮」「大御所」と言われる人を見たりしますよね。
偉い人だったりベテランのすごい人だったりということはわかると思います。
ではこの「重鎮」と「大御所」って、どちらがより格が高い表現なのでしょうか?
改めて考えて見ると「重鎮」も「大御所」も何のことなのか謎ですよね(笑)。
この機会に覚えておきましょう。
今回は、「重鎮」と「大御所 」の意味と違いや使い方!どちらが格上なの?【類義語・例文】についてご説明いたします!
「重鎮」と「大御所」の違い
「重鎮」と「大御所」の違いをざっくりまとめると
- 「重鎮」は「ある方面や団体の中で重きをなしている中心人物」
- 「大御所」は「第一線を退いても、その世界で大きな勢力を持つ人」
という違いになります。
「大御所」の方はすでに引退したような人について言うところが違っています。
ですが、引退していない人でも「大御所」と言われることってありますよね。
また、似ているけれど結局どっちのほうがすごいの?という点も気になりますよね。
次項以下でそれぞれの言葉について詳しく見ていきましょう。
「重鎮」の意味と使い方
「重鎮」は「ある社会・分野で重きをなす人物」という意味です。
「じゅうちん」と読みます。
ある方面や団体の中で、能力や経歴を備えていて、中心人物として重きをなしている人のことを指します。
「重い」という字に「鎮」です。
この「鎮」には「しずめる」「おちつける」「おさえる」「おもし」などの意味があります。
文字通りにとると、「じゅうちん」は「重いおもし」ということになりますね。
そのおもしの意味から、ある分野で重きをなす、押さえとなるような有力者という意味になったのです。
【例文】
- 法曹界の重鎮。
- 文壇の重鎮。
- 経済界の重鎮と言われるA氏にインタビューをする。
「大御所」の意味と使い方
「大御所」は「その道の第一人者として、大きな勢力を有する者」という意味です。
「おおごしょ」と読みます。
「大きい御所」と書くので、いかにも天皇のいる、あの御所に由来がありそうですね。
もともと「大御所」は親王の隠居所を意味していました。
のちに、将軍の隠居所や隠居した将軍のことも「大御所」というようになりました。
それが転じて、現在のような意味で使われるようになったのは昭和になってからだそうです。
ある分野において、大きな功労があったり権威を持っていたりして、その後第一線を退いても、大きな影響力を持っている人のことをさすようになりました。
基本的には引退した大物で、まだ権威を持っている人という意味で使うわけです。
ですが、例えばテレビを見るとベテラン歌手や大物のお笑い芸人などは、引退していないのに「大御所」と言われていますよね。
「大御所」は、本来は第一線を退いても影響力がある人の意味ですが、特に引退していなくても「その道の大勢力家」という意味で使われるようになっています。
むしろ今ではこちらの使い方の方が主流と言ってもいいでしょう。
【例文】
- あの人は「政界の大御所」と言われている。
- 大御所演歌歌手のステージを見る。
- 彼は今や文壇の大御所として君臨している。
どちらが格上なの?
さて、「重鎮」も「大御所」も、「その道のすごい人」みたいな意味では同じように使えそうですね。
ですが、どちらの方がよりすごい人を表すのでしょうか。
これは、格付けするなら
大御所 > 重鎮
となります。
「大御所」の方がより大物で、最も大きな存在として位置付けることができます。
一時代を築き上げ、今も大きな影響力を持つ第一人者で、みんなの尊敬を集めるようなすごい人という感じです。
それに対して「重鎮」はおもし役ということで、その集団を動かす中心人物という感じです。
「重鎮」の方が、もしかしたら実務的な意味では「大御所」よりも重要な役所かもしれません。
ですが、「格上」「どっちがよりすごい人か」という点で判断すると「大御所」が上となります。
「大御所」の使い方には注意!
先に述べたように、「大御所」はその道の第一人者として一時代を築き、第一線を退いたのちも大きな影響力を持ち続けている人、というのが本来の意味合いになります。
ですから、「すごい人ですね!」という褒め言葉のつもりで活躍中の人に向かって「大御所ですね!」と言うと、人によっては「私はまだまだ現役なのに……」と不満に思われてしまうかもしれません。
また、「大御所」は親王(皇族男子)や将軍の隠居所が語源なので、男性的な言葉だというイメージを持っている人もいます。
現代では「大御所女優」などという使い方も一般的になっていますので、特に間違いとは言えませんが、女性に「大御所」というと違和感を持つ人もいるでしょう。
このように、元々の意味から現代で使いかたが変わってきている言葉は、受け取る人によって印象が違ってしまったりすることがあります。
次に述べるような類義語など、言い換えに使える言葉をいくつか覚えておくとよいですね。
「重鎮」と「大御所」の類義語
「重鎮」と「大御所」の類義語には次のようなものがあります。
- 大物(その社会で大きな勢力や影響力を持っている人)
- 大立者(ある分野で大きな権力を持ち、重要な立場にある人物)
- 偉人(優れた仕事を成し遂げ、多くの人から尊敬される人)
- オーソリティー(専門の道に通じて実力を持つ人。権威)
- 第一人者(ある社会や分野で最もすぐれた人)
- 大家(ある分野で特にすぐれた見識、技能を持っている人)
- 巨匠(専門分野、特に芸術の分野で際立って優れた人)
- 立役者(物事の中心となって重要な役割を果たす人)
色々と似たような意味を表す言葉がありますね。
「重鎮」や「大御所」というと、その重々しい語感から年配の人、ベテランの人というイメージがありますので、まだ若くて活躍している人や現役バリバリの人には「立役者」や「大物」などと使い分けてもよいでしょう。
いくつか覚えておくと便利だと思います。
「重鎮」と「大御所」の対義語
「重鎮」と「大御所」の対義語は特にありません。
「大物でない人」「影響力や実力のない人」という意味合いでは
- 小物(つまらない人物)
- 雑魚(大した人物でない人)
- 雑輩(取るに足らない人物)
- 有象無象(取るに足りない種々雑多な人やもの)
などになるでしょうか。
あまり人に向かっていう言葉ではありませんが(笑)、参考までに挙げてみました。
まとめ
「重鎮」と「大御所」、意味の違いがありましたがどちらも実績があり、影響力のあるいわゆる偉い人に対して使う言葉ですね。
「偉い」「すごい」だけではなくて、「重鎮」「大御所」、その他類義語で挙げたような色々な言葉を知っていると表現が広がりますし、相手によりふさわしい言葉を選んで使うことができますね。
ぜひ語彙を増やしていきましょう!
最後までお読みくださりありがとうございました!