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「佳境」の意味と使い方!「佳境に入る」を誤用してない?【例文つき】

「佳境」の意味と使い方!「佳境に入る」を誤用してない?【例文つき】

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「佳境に入る」という言葉、ビジネスシーンでもよく耳にしませんか。

なんとなく大事な感じの言葉(笑)ですが、実際にはどういう場面で使う言葉なのかを知らない人もいるのではないでしょうか。

実はこの「佳境に入る」、本来の意味とは違う意味で使われていることが多い言葉なんです。

間違った使い方をしてしまわないように、ぜひきちんと確認しておきましょう。

今回は、「佳境」の意味と使い方!「佳境に入る」を誤用していない?【例文付き】についてご説明いたします!

「佳境に入る」の意味

「佳境に入る」は「かきょうにはいる」と読みます。

「物語、演劇などが興味深い場面にさしかかる。佳境を迎える」という意味です。

一番面白い部分や、一番物語が盛り上がる部分ということですね。

例えばサスペンスドラマで一気に真相が明らかになるシーンなんかを想像すると分かりやすいと思います。

ここが一番の見所だ、というような場面にさしかかることを表します。

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「佳境に入る」の使い方

「佳境に入る」は一番興味深い場面にさしかかるという意味でした。

ですので、「ここが面白いところだ」「いよいよクライマックスだ」といった、良い意味で一番盛り上がる場面を指して使います。

また、「佳境に入る」は物語や演劇に限らず、ビジネスシーンでも使う言葉ですね。

ビジネスシーンではその仕事が重要な局面を迎えた時に使います。

以前から準備していたイベントがいよいよ開催されるとか、取り組んでいたプロジェクトが盛り上がるとか、その仕事の最盛期という場面で使う言葉です。

「佳境に入る」の例文

  1. いよいよ真犯人が明かされる場面になり、物語は佳境に入った。
  2. 話が佳境に入り、みな身を乗り出して聞き入った。
  3. このプロジェクトも佳境に入ってまいりました。
  4. イベントも佳境に入り、盛り上がりは最高潮だ。

「佳境に入る」を誤用してない?

さて、この「佳境に入る」ですが、非常に誤用されることが多い言葉でもあります。

本来の「佳境に入る」の意味は「物語、演劇などが興味深い場面にさしかかる」という意味でしたね。

広辞苑第七版の記述では、「最も興味深い部分になる」とだけ載っています。

ですが、一般的には「一番大変な部分」という意味でもよく使われています。

例えば野菜の収穫作業が一番忙しい時期を「野菜の収穫が佳境に入る」と表したりします。

これはその時期が一番忙しくて大切な時期だという意味ですね。

別にその時期が一番面白いとか、一番見所だという意味ではないわけです。

ですが、近年ではこうした使い方が非常に多いため、補足として「ある状況が頂点にさしかかる」という意味でも使われることを記載している辞書もあります。

認められつつある使い方ですが、これはもともとの意味にはない使い方であるということは知っておきましょう。

ただし、「物事の最盛期」「頂点」といった、一番重要な部分を指す使い方は認められつつあるわけですが、ネガティブな「忙しい」という意味で「佳境に入る」を使うのは誤りです。

また、単に最後の場面を迎えることを「佳境に入る」というのも間違いです。

これらはビジネスシーンでありがちな誤用なのですが、単にその仕事が忙しくなるという時や、これで最後だという時に「佳境に入る」ということは不適切ですので気をつけましょう。

あくまでも一番興味深い、あるいは一番重要だというポジティブな意味で使うようにしましょう。

【誤用の例文】

  1. 手がけている仕事が佳境に入ってしまったので今日の飲み会には参加できません。
  2. プロジェクトが佳境に入り連日の激務で心身ともに限界だ。
  3. このキャンペーンもいよいよ最終日を迎え佳境に入った。

「佳境に入る」の類語

「佳境」に似た言葉は次のようなものです。

  • 絶頂
  • 開花期
  • 最高潮
  • 全盛期
  • 黄金時代
  • 最盛期
  • たけなわ
  • 頂点
  • 山場
  • クライマックス

「クライマックスを迎える」「今が全盛期だ」などと言い換えて使うことができそうです。

まとめ

「佳境に入る」はつい間違った使い方をしてしまっていたという人も多いのではないでしょうか。

いろいろな使い方が認められつつある時代ですが、もともとは「興味深いところにさしかかる」といういい意味の言葉です。

明らかに不適切な使い方になってしまわないように気をつけて使っていきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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