季語

「神渡し」の意味や由来とは?いつの季語?俳句も紹介

「神渡し」の意味や由来とは?いつの季語?俳句も紹介

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「神渡し」という季語をご存じでしょうか。

様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「神渡し」について解説していきます。

「神渡し」について基本的な意味や由来はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。

「神渡し」を使った俳句もご紹介いたします。

「神渡し」の意味と読み方

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「神渡し」とは、旧暦の10月に日本列島の西側から吹く風を指します。

読み方は「かみわたし」です。

旧暦の10月は全国各地の神様が出雲大社に集まると言われており、「神無月」とも呼ばれていますよね。

出雲大社へと出発する神様を送るために吹く風と言われているのがこの「神渡し」なんですよ。

「神渡し」の由来

「神渡し」という言葉自体は元々船乗り達の間で使われていた言葉だと言われています。

船を出す船乗りたちにとって日々の風向きはとても大切なものですよね。

10月に出雲大社の方面へ向けて吹く風を感じ、神様を送りだす風だと感じたのがその始まりなのではないでしょうか。

「神渡し」はいつの季語?

「神渡し」は俳句を作るうえで「冬」の季語となっています。

冬の中でも初め頃である「初冬」の季語なんですよ。

子季語には「神立風」があります。

「神渡し」と「御神渡り」の違い

似たような言葉として「御神渡り」というものがありますが意味が全く異なります。

旧暦10月に吹く西風を指す「神渡し」に対し、「御神渡り」が毎年2月上旬に諏訪湖で見ることが出来る自然現象を指します。

湖の表面に氷の大きな隆起が見られ、まるで神様が渡った跡のように見える事から「御神渡り」と言われるようになりました。

毎年1月から2月の一番寒くなる時期に出現し、2月には神社主催の拝観神事も開催されているんですよ。

「神渡し」を使った俳句

山の木々一夜に痩せし神渡
(やまのきぎ いちやにやせしかみわたし)
稲畑汀子

碑を包む幕剥がさむと神渡し
(ひをつつむ まくはがさんと かみわたし)
阿波野青畝

神渡し馬の薬を日日煎ず
(かみわたし うまのくすりを ひびせんず)
下村槐太

まとめ

季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。

春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。

季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。

日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。

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