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「寒九の雨」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
「寒九の雨」について基本的な意味はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「寒九の雨」を使った俳句もご紹介いたします。
「寒九の雨」の意味と読み方
「寒九の雨」とは、「寒の入り」と呼ばれる1月5日から数えて9日目に降る雨を指す言葉です。
読み方は「かんくのあめ」です。
1月13日が9日目にあたり、もしこの日に雨が降ればその年は豊作となるという言い伝えが日本には古くから伝わっています。
太平洋側に位置する地域にはこの時期なかなか雨が降らず、ともすれば冬野菜の生育に影響を与えてしまう事もあります。
そんな中で降る雨は「恵みの雨」「薬の雨」とも呼ばれ大変重宝されていたんですよ。
「寒九の雨」の降り方
こういう降り方をする雨が「寒九の雨」であるという定義はありません。
ですが、この寒九の雨は雨水が一番澄み切っていると言われており、古来より「薬を服用する際に使われる水」としても大切にされていていました。
またその澄んだ雨水自体も「薬」になると言われており、いかに人々が「寒九の雨」を待ちわびていたかがわかりますよね。
「寒九の雨」はいつの季語?
「寒九の雨」は俳句を作るうえで「冬」の季語となっています。
冬の中でも終わり頃である「晩冬」に使われています。
子季語には「寒九の雨」があり、どちらも同じ意味を持つ言葉として俳句では使われているんですよ。
「寒九の雨」「寒の雨」を使った俳句
雁さわぐ鳥羽の田面や寒の雨
(かりさわぐ とばのたづらや かんのあめ)
松尾芭蕉
捨て灰をなだめ寒九の雨なりし
(すてはいを なだめかんくの あめなりし)
能村登四郎
氷上や寒九の雨のうちけむり
(ひょうじょうや かんのあめの うちけむり)
齋藤玄
ぎつしりと金看板や寒の雨
(ぎっしりと きんかんばんや かんのあめ)
川端茅舎
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。