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今回ご紹介する和風月名は「神無月」です。
神無月の意味や由来、神在月や出雲との関係性まで一挙にご解説いたします。
和風月名の中でも人々によく知られている「神無月」の秘密に迫っていきましょう。
目次
神無月は何月?
神無月は「かんなづき」と読み、10月のことを指す和風月名です。
現代では「1月」「2月」という風に数字で呼んでいますが、旧暦が使われていた頃の日本では、各月にはそれぞれ名前がきちんとありました。
そんな昔の月の名前を総じて「和風月名」と言います。
和風月名の由来には、その月の季節や風習・農耕行事が関連して名付けられていることが多く、時には神事なども関連しています。
ちなみに、旧暦の神無月は現代の神無月とは時期がズレています。
これは他の月でもそうなのですが、太陽太陰暦であった旧暦と現代のグレゴリオ暦では暦の計算方法が違っていたからです。
そのため、昔はうるう月と言って13ヶ月ある年があったりしていました。
ですから、昔でいう神無月を現代の季節に当てはめた場合は、11月上旬〜12月上旬となるのです。
つまり、今と昔では。1〜2ヶ月のずれがあるということです。
なので、神無月の由来などを知った時に「10月の割にはなんだか季節感が遅く感じる」と思っても当然のことなのですね。
ちなみに、現代ではこのズレは気にせず神無月=10月と覚えておいて問題はありませんので、そのまま覚えて使っていただければと思います。
神無月の意味と由来は?
神無月の由来に関するお話は諸説あります。
神無月は神の月?
まず神無月の「無」ですが、これは「の」という意味を持つ連体助詞とされている、というお話があります。
6月である「水無月(みなづき)」の「無」と同じですね。
→「水無月」とは何月?意味や由来と読み方や別の異名も解説
水無月が「水の月」となるのと同様に、神無月も「神の月」となるわけですね。
そもそもなぜ10月が「神の月」となるのかというと、10月は収穫月とされていたことも関係していたと言われています。
昔の人々は収穫月である10月は、五穀の豊穣を神々に感謝の気持ちをあらわす時期としていました。
また旧暦の10月は、十日夜というイベントがあり「田の神様が山へと帰る日」とされ収穫祭が行われていたのです。
大地と自然からの恵みである作物を授かることへの感謝、それを神に捧げる神無月。
神無月は人々にとって神との繋がりを意味する月であったのかもしれませんね。
神様がいなくて神無月?
10月である神無月は、全国にいらっしゃる八百万(やおよろず)の神様が出雲大社へ集まる月だと言われています。
さて出雲大社で神様たちは何をなさるのかというと、来年の天気、収穫や縁結びなどの諸々の事象を決めるのだとか。
人間には計り知れないことを、神様みんなで会議を開いて相談するわけですね。
いわば、出雲以外の地方には神様はいなくなってしまうわけです。
それで神様がいらっしゃらない月ということで「神無月」となっという説がこれです。
しかしながらこの説は、平安時代以降の後付けとされており民間の俗解とされています。
つまり、そのような話が広まっただけとされており、実際は「無」=「の」という説の方がどちらかと言えば有力とされています。
神在月になる理由は?
「神様がいない月=神無月」と言う俗説が広まったため、出雲のある島根地方だけは神様が集まるとされ、10月の神無月のことを「神在月」と表記するようになりました。
これも正式な和風月名ではなく、あくまでも俗解となっています。
「神無月=神様が出雲に集まって地方にはいなくなるから」という説が、今で言う口コミでどんどん広がっていったということですね。
SNSやメディアが発達していなかった昔でもこんなに話が広がっていったということから、昔の人々がどれだけ神様に対して大切な思いを持っていたかがわかると思いませんか?
収穫時期の神無月は、人々にとって生活の糧となるものを得る神聖な月であり、人々の認識が高かったということがうかがえるお話ですね。
出雲に行かない神もいる?
神無月になると、八百万の神様が出雲へ集まると言い伝えられていますが、実は出雲へ行かない神様もいらっしゃいます。
それは
- 天津神(あまつかみ)
- 諏訪明神(すわみょうじん)
- 鍵取明神(かぎとりみょうじん)
- 留守神(るすがみ)
…恵比寿神(えびすじん)
…道祖神(どうそじん)
…金毘羅権現(こんぴらごんげん)
が、主に出雲には行かないと言われています。
ですが、地方や諸説によっては天津神も最後に出雲に訪れ最初に帰るとされていたり、荒神様も留守神であったりと色々あるようです。
あなたのお住まいの地域には、どのような留守神様がいらっしゃるのか調べてみると面白いかもしれませんね。
神無月の異名は?
和風月名にはそれぞれ必ず異名があるのですが、ここでは神無月の異名として有名なものをいくつかご紹介いたします。
異名1、「上冬(じょうとう)」
旧暦の冬は、10月〜12月とされていました。
ですから、神無月は最初の冬の月となるのですね。
「上」には最初という意味があるので、このような異名でも呼ばれていたそうですよ。
異名2、「初霜月(はつしもづき)」
旧暦の神無月は、霜が降り始める時期ですね。
そのため「初霜月(はつしもづき)」という異名でも呼ばれていたそうです。
寒い冬の訪れを感じさせる異名だと言えますね。
異名3、「鎮祭月(ちんさいづき)」
収穫と共に、諸々の神様をお祭りして土地を鎮める時期であったことから、このような異名がついたとされています。
昔の人々は収穫と神様を結びつけ、いつも信仰心を持ち、感謝の気持ちと礼儀を重んじていたことがわかる異名ですね。
まとめ
「神無月(かんなづき)」は10月の和風月名です。
神無月の由来は、地方の神様が会議のために出雲に行かれて地方にはいらっしゃらなくなることから「神様のいない月」という由来が昔から有名なようです。
しかしながら、神無月の「無」は連体助詞の「の」ということで「神の月」であり、収穫の感謝の気持ちを神に捧げることが関連しているという方が有力な由来とされています。
ちなみに島根県にある出雲大社では、旧暦のカレンダーの通りに今も神無月のお祭りが行われています。
機会がありましたらぜひ出かけてみてくださいね。
>>出雲大社HP