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言葉の意味と使い方

「肝要」と「肝心」の意味と違いは?使い方や言い換え表現【類義語・例文】

「肝要」と「肝心」の意味と違いは?使い方や言い換え表現【類義語・例文】

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「肝要」と「肝心」という言葉は、どちらも大事なことを言う時に使われますね。

同じような言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

意味や由来と合わせて調べてみました。

今回は、「肝要」と「肝心」の意味と違いは?使い方や言い換え表現【類義語・例文】についてご説明いたします!

「肝要」の意味

「肝要」は「非常に大切なこと。もっとも必要なこと」という意味です。

「かんよう」と読みます。

「肝要」の「肝」は「肝臓」の「肝」ですね。

その通り、人間の「肝(きも)」という意味です。

また、「要」は「必要」の「要」という字ですが、これは「扇の要(かなめ)」という意味です。

扇子には骨がたくさん通っていますが、その根本に近いところに穴を開けて釘のようなものをはめ込み、骨をとじ合わせて開閉できるようにしてあります。

扇の開閉をつかさどる大事な部分ということから転じて、「要」は「物事の大切な部分」という意味を持っています。

「肝要」は、この「人間の肝」と「扇の要」という、非常に大切で重要な部分を合わせた言葉です。

非常に大切なこと、最も必要なことを表す言葉です。

「肝要」の使い方

「肝要」は、非常に大切なこと、最も必要なことという意味で使います。

少し堅苦しい印象で、気軽な会話よりはかしこまった場面や文章の中で使われます。

例文で使い方を確認しておきましょう。

【例文】

  1. 何事にも忍耐が肝要である。
  2. これ以上利益が出る見込みがないなら、早めに売却する決断をすることが肝要だ。
  3. 住民の皆様からの正しい理解を得ることが肝要です。

「肝心」の意味

「肝心」は「最も重要なこと」という意味です。

「かんじん」と読みます。

「肝」と「心」と書くことが多いですが、「肝腎」とも書きます。

どちらの字を書いた場合も、意味は同じで「最も重要なこと」です。

「肝要」と同じ、「肝(きも)」という字が入っています。

由来は、「肝心」の場合は「肝臓と心臓」、「肝腎」の場合は「肝臓と腎臓」ということです。

いきなり臓器の名前が出てきて驚いてしまうかもしれませんが、肝臓も心臓も腎臓も、人体にとって欠くことのできない大切なものですよね。

もちろん臓器は全部大切ですが、いわゆる五臓六腑の中でも特に大切であると考えられていたんですね。

そこから、「肝心(肝腎)」は、人体に限らず一般的に「最も重要なこと」という意味で使われるようになりました。

「肝心」の使い方

「肝心」は「最も重要なこと」という意味で使います。

「肝心だ」「肝心な(肝心の)○○」などの使い方で、それが最も重要なことだ、という意味になります。

【例文】

  1. 全員から連絡が来たのに、肝心の彼からはまだ来ない。
  2. 壊れやすい部品なので、とにかく慎重に取り扱うことが肝心だ。
  3. 彼女は普段はおしゃべりなのに、肝心な時に限って何も言ってくれない。

「肝要」と「肝心」の違いは?

「肝要」と「肝心」は、どちらも非常に大切なこと、最も大事なことを指す言葉ですね。

ほぼ同じ、類義語の関係にある「肝要」と「肝心」ですが、その違いを考えてみましょう。

  • 「肝要」は「全体の中の重要な部分」
  • 「肝心」は「他と比べてとりわけ重要な部分」

ということです。

結局、どちらも「これが最も重要」ということを言うので、ほぼ同じと考えられます。

ですが、特に「肝心」には「他と比べて」という意味があります。

五臓の中でも特に重要、とされていた「肝」や「心(腎)」を表す言葉なので、他と比べるニュアンスになるわけです。

「他と比べると一番大事」という意味を表せますので、

例えば「他は全部○○なのに、肝心の××だけがまだだ」というような使い方の時にピタリとはまりますね。

一方「肝要」の方は、「要」が扇の骨を束ねる役割の、全体の中で一番大事なところです。

ですので、他と比べるということではなく、全体の中で最も重要、最も必要ということを表します。

「肝要」「肝心」の他に、「肝心要(かんじんかなめ)」と言う言葉が使われることもあります。

これも「非常の大切なこと」という意味で、「肝心」をさらに強めた言葉です。

「肝心」に、さらに扇の「要」を足して強めていますね。

「肝要」はこの「肝心要」を略した言葉だと考えられています。

「肝要」と「肝心」の類義語・言い換え表現

「肝要」と「肝心」の類義語・言い換え表現には次のようなものがあります。

  • 肝心要(非常に大切なこと)
  • 重要(価値・必要性などが大きいこと)
  • 大事(重大な事柄)
  • 大切(最も必要で、重要なさま)
  • 主要(色々ある中で特に大切なこと)
  • 必須(必ず用いるべきこと。欠かせないこと)
  • 根幹(物事のおおもと。中心となるもの)
  • 不可欠(欠かせないこと)
  • 基本的(物事の基本となるような性質を持っているさま)
  • 主だった(集団の中で中心となる)

会話の中では、「重要だ」「大事だ」「大切だ」といった、一般的に使われることが多い言葉がわかりやすくて使いやすいと思います。

ですが、「肝要」「肝心」のような言葉も知っておくことで、表現の幅が広がりますし、文書作成の際にも役立ちそうです。

まとめ

「肝要」と「肝心」はどちらも大切なこと、最も必要とされたり最も重要であったりすることを指して使います。

どちらもビジネスシーンなどのかたい言葉遣いをしたい時にも使いやすい言葉ですので、ぜひ覚えておいてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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