言葉の意味と使い方

「可能です」をビジネス敬語に言い換えると?「不可能」な場合はなんていう?

「可能です」をビジネス敬語に言い換えると?「不可能」な場合はなんていう?

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「可能です」はビジネスシーンで使う機会が多そうな言葉ですね。

何かができます、OKですなどの意味で使っている人も多いと思いますが、この「可能です」はビジネスの場では敬語表現に直して使う方がよいことも多いんです。

今回は、「可能です」をビジネス敬語に言い換えると?「不可能」な場合はなんていう?についてご説明いたします!

「可能です」は敬語?

「可能です」は敬語です。

「可能」に丁寧の「です」がついていますので、丁寧語です。

ただし、「可能」は「~することができる」「~する能力がある」という意味を持っています。

そのため、目上の人が何かすることを「可能です」と言うのは、「あなたは~する能力がありますよ」と言っているので、上から目線の表現になってしまいます。

そのため、ビジネスシーンなどでは別の言葉を使用した方がよいでしょう。

「可能です」をビジネス敬語に言い換えると?

自分の「可能」

「可能です」は間違った言葉ではありません。

何かを「することができる」という意味を表しますので、ビジネスシーンでも自分や身内が「○○することが可能です」などと使えます。

  • 可能でございます

などとするとさらに丁寧です。

  • 承知しました
  • かしこまりました

場合によっては、このように「理解して引き受ける」意で言い換えてもよいでしょう。

【例文】

  1. 資料の作成は、明日の会議までに間に合わせることが可能でございます。
  2. この書類のコピーをとっていただけますか。ー承知いたしました。

目上の人の「可能」

ビジネスシーンで目上の人などの「可能」を表すには「可能です」は次のような言葉に言い換えられます。

  • ご(お)~になれます
  • ご(お)~いただけます
  • 問題ございません
  • 差し支えございません

【例文】

  1. 式典の前日に会場内部をご覧になれます。
  2. こちらのサンプルをお試しいただけます。

「対応可能」の場合

「これに対応できますか?」「はい、対応可能です」

ビジネスシーンでよく使う言葉ではないでしょうか。

この「対応可能です」を言い換えると次のようになります。

  • ご対応可能でございます
  • ご対応いたします
  • 問題ございません
  • 差し支えございません

【例文】

  1. こちらの画像に差し替えてもらえますか?ーはい、ご対応いたします。
  2. 今、これを手伝ってもらうことはできますか?ーはい、差し支えございません。
  3. このお店に予約をいれてもらうことは可能ですか。ーはい、問題ございません。

「大丈夫です」は使える?

「可能です」「対応可能です」と言いたい時、「大丈夫です」もよく使われる言葉ですね。

身近な言葉ですが、実は「大丈夫です」はビジネスシーンには不適切です。

「大丈夫です」は「です」がつく丁寧語ではありますが、目上の人に対して使うような敬語とは言えません。

気心の知れた同僚などには使ってもよいでしょうが、上司や社外の人などに「大丈夫です」は敬意が足りず、フランクすぎるということです。

また、「大丈夫です」には「可能です」「OKです」「平気です」といった肯定的な意味ももちろんありますが、場合によっては「不要です」などの否定の意味で使われることもあります。

  • 「これをお願いしたいのですが大丈夫ですか?」→「はい、大丈夫です(可能、承諾)」
  • 「お手伝いしましょうか?」→「いえ、大丈夫です(不要)」

このようにYES/NOどちらの意味にも使われるため、「大丈夫です」は前後の文脈から判断するということになります。

うっかり逆の意味にとられてしまうとトラブルの元ですから、ビジネスシーンでは「問題ありません」や「承知しました」といった、上でご紹介したような表現に言い換えるのが適切です。

「大丈夫です」が口癖になっている人は気をつけましょう。

「不可能」の場合はなんていう?

「可能です」は「問題ございません」や「承知いたしました」などの言い換えが可能です。

では「不可能です」と言いたい時はどうすればよいでしょうか。

  • 不可能です
  • できません
  • 無理です

こうした言葉は、ストレート過ぎてきついですし、敬語としても不十分です。

「できないです」などと丁寧にしてもやはり良い印象ではありません。

不可能の時の言い換えは次のようなものがよいでしょう。

  • できかねます
  • いたしかねます

どちらも「引き受けることができない」ということをやや婉曲に表現したものになります。

「不可能です」と言うよりも柔らかい印象になり、ビジネスシーンでも使いやすいです。

ただし、婉曲である分「やろうと思えばできるのでは」「できる可能性もあるかもしれない」などと解釈されてしまう可能性もあります。

断固として断りたい場合は「申し訳ありませんが、お断りいたします」「残念ながら、お受けすることはできません」などとクッション言葉を挟みつつはっきり断りの言葉を使う方が良い場合もあります。

まとめ

「可能です」は、場合に応じていろいろな敬語表現に言い換えができますね。

「可能ですか?」と聞かれて「可能です」と答えるのは自然ですが、それ以外の場合は「承知いたしました」とか「問題ございません」などと言い換えて使うとビジネスシーンでも安心です。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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